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鹿児島県立埋蔵文化財センター

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カテゴリー: 鹿児島県立埋蔵文化財センター

南の縄文調査室から平成26年9月

  • 平成26年9月19日(金)
  •  センターの遺物,出張中! ~遺物が博物館に旅立つまで~
 埋蔵文化財センターが所蔵している遺物は,縄文の森展示館の常設展示室に展示されています。また,縄文の森が企画展を開催するときにも,センターの遺物をたくさん貸し出しています。センター所蔵の遺物を見るには,「縄文の森展示館に行くっきゃないでしょ!」なのですが,何をかくそう,「埋蔵文化財センターの遺物を借りたい!」という博物館は県内外を問わずとても多いんですよ。
 今回,遺物を貸し出すのは,鹿児島県歴史資料センター黎明館。黎明館の次の企画特別展に展示するために,200点以上の遺物を貸し出しました。どんな展示になるのか(遺物がどんな活躍をするのか),本当に楽しみです。
 黎明館企画特別展は9月27日(土)から始まります。詳しくは,黎明館ホームページ(鹿児島県のホームページにジャンプします)をチェック!埋蔵文化財センターから出張中の遺物をぜひご覧ください。
 ~遺物が旅立つまでの主な流れをまとめてみました~
 
①貸し出す前の資料の状態や,資料に漏れが無いか,借り手と貸し手の双方で確認します。 
②梱包と輸送は運送会社の美術専門の方にお願いします。
③資料が破損しないように梱包にも工夫が必要です。 
ケースに入れて準備します。  ④今回,全てで43箱分の段ボールになりました。 
   ↓
   
段ボール箱をトラックに詰め込んでいざ,出発! 
 

南の縄文調査室から平成26年8月

  • 平成26年8月5日(火)
  •  もう一つの上野原遺跡 ~埋蔵文化財センターのエントランス展示~
 月曜日に縄文の森へ行くと,森の展示館が開いてなくてがっかりという方もいらっしゃると思いますが,実は,埋蔵文化財センターのエントランスにもちょっとした展示コーナーがあるんですよ。ご存じでしたか?
 センターの展示コーナーでは,森の展示館とはちょっと違った趣向(しゅこう)による展示を心がけているところですが,現在,上野原遺跡から出土した「古墳時代」の遺物を展示しています。上野原遺跡といえば,縄文の森の名前の通り,「縄文時代早期」の人々の生活が注目されがちですが,古墳時代の出土品は,ここ上野原台地に人々の営みが脈々と受け継がれていったということをわたしたちに教えてくれます。
 森の展示館とはひと味違った「もう一つの上野原遺跡」を,センターのエントランスでぜひご覧ください。
 
古墳時代の出土品(土器は4世紀の東原式(ひがしばるしき)土器)
   
 
センターのエントランス展示コーナー(玄関を入って右手側) 
 
   
中央廊下には,現在開催中の企画展に関連する写真を展示しています。 
 
 ※ 上野原遺跡は,「上野原遺跡の紹介」のなかでに,詳しく紹介されています。ぜひご覧ください。  
 ※ 埋蔵文化財センターの休所日は,土・日曜日,祝日,12月29日~1月3日です。

紀要第7号

  • 紀要・年報 縄文の森から 第7号石器石材としての大川原産珪質岩
    黒川 忠広

    鹿児島県における中世掘立柱建物跡の基礎的研究
    -県本土を中心とした集成とと若干の考察-

    相美 郁恵

    鹿児島(鶴丸)城下の計画性
    東 和幸 

    志布志市高吉B遺跡出土品の分析結果について
    東 和幸,(株)パレオ・ラボ,(株)パリノ・サーヴェイ

    鹿児島県内出土のガラス玉の化学分析
    中井 泉,柳瀬 和也,松﨑 真弓,澤村 大地,永濵 功治

    地域の素材を生かした社会科の学習指導
    -地域にある史跡や遺物を活用した歴史の授業を通して-
    宗岡 克英

    万之瀬川流域の上水流遺跡出土東南アジア陶器の資料紹介
    上床 真 

    収蔵遺物保存活用化事業-竪野(冷水)窯跡の再整理を中心に-
    調査課第一調査係

    京田遺跡出土木簡のレプリカ製作-墨書の再検討と実測図の修正-
    調査課第二調査係

    ---------------年報
    平成25年度
  • 南の縄文調査室から平成26年3月

    • 平成26年3月14日(金)
    • 入来Ⅰ式土器稲荷迫(いなりざこ)遺跡:志布志(しぶし)町)
    •                                      【弥生時代中期:約2,300年前】
     3月は旧暦で「弥生」といいます。弥生という言葉は,本来,「草木がだんだん芽吹く月」という意味があるそうで,フレッシュな春を表すのにぴったりの言葉です。
     さて,考古学の世界にも,「弥生」という言葉がつくものがあります。今回ご紹介する「入来Ⅰ式土器」は,「弥生土器」の一つです。この土器は,日置市吹上町の入来遺跡で最初に出土したので,この名前がつけられました。入来遺跡は吹上高校社会研究部の高校生たちによって発見され,以来,多くの有志者の無償の研究活動によって調査が進められました。
     
       
     ※ 入来遺跡は,「先史・古代の鹿児島」のなかで,詳しく紹介されています。ぜひご覧ください。  

    南の縄文調査室から平成26年1月

    • 平成26年1月9日(木)

    • 桜島大正大噴火(さくらじまたいしょうだいふんか)から100年軽石製垂飾品(かるいしせいすいしょくひん)(山ノ中遺跡:鹿児島市)
    •                                      【縄文時代後期:約4,000年前】

      2014(平成26)年1月12日は,桜島の大正大噴火からちょうど100年にあたる日です。桜島は,かつては文字通り錦江湾(きんこうわん)()かぶ「島」でしたが,この大噴火で大隅半島(おおすみはんとう)陸続(りくつづ)きになりました。
     桜島は,有史以前(ゆうしいぜん)から,たびたび大噴火し,大きな災害(さいがい)をもたらしてきました。そして,時には(とうと)人命(じんめい)をも(うば)ってきました。
     そのような中,縄文の人々は,この桜島の噴火の痕跡(こんせき)である軽石を,写真(しゃしん)のような装飾品(そうしょくひん)生活道具(せいかつどうぐ)などの材料(ざいりょう)にして,たくましく()()いてきました。
     
     
     穴にひもを通して使っていたのでしょうか。 大正噴火の火山灰の剥ぎ取り資料も展示中です。
       
     ※ 山ノ中遺跡は,「先史・古代の鹿児島」のなかで,詳しく紹介されています。ぜひご覧ください。  



    • 平成26年1月16日(木)
    • 収納場所確保(しゅうのうばしょかくほ)()(ふだ)に!~ビニールハウスを用いた木器(もっき)の収納~

      ()えることはあっても,()ることはない」収蔵遺物(しゅうぞういぶつ)。増え(つづ)ける遺物の収納場所の確保に,(あたま)(かか)えている施設(しせつ)も多いのではないでしょうか?  当センターも,一般収蔵庫(いっぱんしゅうぞうこ)では管理(かんり)(むずか)しい遺物の収納方法をいろいろ模索(もさく)してきました。その一つが,写真(しゃしん)のようなビニールハウスを用いた木器の収納です。温湿計(おんしつけい)除湿器(じょしつき)設置(せっち)し,毎日,温度と湿度の管理を続けています。もう一年近く,このビニールハウスによる木器の収納を続けていますが,想像以上(そうぞういじょう)に温度や湿度をコントロールすることができていて,木器収納の一つの方法として実績(じっせき)を上げつつあります。
       
     収蔵庫2階に2棟設置しています。  目張りをして,湿気やほこりなどの侵入を防ぎます。
       
     その日の湿度に応じて除湿器を稼働させます。  毎日この観察簿に記録しています。

    南の縄文調査室から平成25年12月

    • 平成25年12月10日(火)

    • もうすぐクリスマス  ~奄美(あまみ)長浜金久(ながはまかねく)・下山田Ⅱ遺跡 嘉徳(かとく)式土器~
    •                                            (縄文時代後期:約3800年前)

      嘉徳式土器は,奄美大島などの南島で多く出土する土器です。写真の2つの土器は昭和63年に開港(かいこう)した奄美空港建設(けんせつ)の際に発見されたものです。上から見ると口縁(こうえん)の部分が四角く,底が平らになっています。四角に広がる口縁部の形がショーケースの毛氈(もうせん)の赤と(あい)まって,ポインセチアの花のように見えるのは私だけでしょうか?そういえば,もうすぐクリスマス。奄美群島が日本に復帰(ふっき)したのも,今から60年前の1953年12月25日。そう,クリスマスの日のことでした。
       
     南西諸島特有(とくゆう)の赤い色をしています。 上から見ると,口縁部が四角に広がっています。