埋蔵文化財調査センターでは,県民の皆様に埋蔵文化財のことをより広く知っていただけるよう,「発掘調査の成果の展示及び公開」の事業を行っています。このページでは,県民の皆様にいち早く,発掘調査の成果をご紹介します。
           
【平成26年2月27日発表】

            『町田堀遺跡出土の石刀』について

1 発見の遺跡
  遺跡名 町田堀遺跡  所在地  鹿屋市串良町細山田4390番地21ほか
 
2 発見の遺物
  縄文時代後期後半の石刀(1点) 
  ホルンフェルス製 長さ28㎝ 幅4㎝ 厚さ0.5㎝

3 発見の状況
  平成26年1月10日(金),発掘調査中に縄文時代後期後半の住居内から出土

4 出土した石刀の状況
 (1) 『石刀』は,中岳Ⅱ式土器(約3,300年前)を伴う住居内から出土している。そのため,縄文時代後期後半の遺物で
   あることが確認できる。
 (2) 全面が丁寧に研磨されているが,刃部となるような鋭利な加工はしていないため,実用的ではなく祭祀や儀式に用
   いられたものと思われる。
 (3) 町田堀遺跡出土の石刀は,バナナの様な形をした天附型と呼ばれるもので,九州に多く分布するものである。ま
   た,頭部と端部に橿原文様と呼ばれる文様を刻んであると共に,赤色顔料が塗られている。

5 出土した遺物の価値
  橿原文様の付いた天附型石刀で完形のものはほとんど発見されていない。西日本では初めての例である。また,中岳
 Ⅱ式と呼ばれる縄文時代後期後半の住居から出土しており,時期が特定できる数少ない貴重な資料である。

     
      町田堀遺跡出土石刀              頭部 橿原文様               端部 橿原文様
 
 
 
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