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  • 平成25年5月1日(水)
  •   ストレスはアロマの香りで… 〜明恵の接合日記〜 
  •   ある新聞の日曜版に全身を黒い衣装(いしょう)(おお)った女性の写真が()っていました。この写真を見た私は思わず「これだ!」と指さしてしまいました。指の先にあるものは,もちろん女性が持っている真っ白い「香炉(こうろ)」です。
     冷水窯(ひやみずがま)の破片の中から,今度は,この女性が手に持っているような「香炉」が見つかりました。この香炉,猫脚(ねこあし)自体の細工もすばらしいのですが,すべての側面には「型作り」された花が浮かび上がっています。そして,その花にとまるかのように(ちょう)の飾りがつけられています。この蝶の羽根は,香炉を持ち上げるときの人差し指にぴったりおまるように傾斜(けいしゃ)をつけて広げられています。本当に細やかな作業です。現在接合中ですが,全く同じ形の香炉が2個体できそうです。おそらく同じ型から作られたものでしょう。
     それにしても,いったいこの香炉でどんな香りを楽しんでいたのでしょう。ひょっとしたら島津の殿様たちも日頃のストレスをアロマの香りで(いや)やしていたのでしょうか。
         
    こ,これだ!  蝶の形をした「つまみ」 見事な細工の猫脚と花