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  • 平成26年11月4日(火)
  • ♪覚えていますか~ 〜こんなに大きく立派に育ちました〜

  •   覚えていますか?平成25年2月6日付の「南の縄文調査室」で紹介した茶釜がこんなに大きく立派に育ちました。接合前は「壺」の一部だと思っていた破片が,接合作業を進めていくうちに「茶釜」の破片だと言うことがわかり,そしてこのたび,「茶釜」の復元が終わりました。
     この茶釜は,鹿児島市の冷水町にあった,薩摩焼の窯跡「竪野(冷水)窯跡」から出土しました。茶道具のひとつで,お湯を沸かす際に使われたものです。
     形は,分福茶釜(ぶんぶくちゃがま)のような形ではなく,どちらかというと富士山のような山型をしています。また,左右一対の取っ手は,「松ぼっくり」をかたどっています。
     土と釉薬(ゆうやく)は,茶入(ちゃいれ)と同じものが使われていて,()(みつ)茶褐色(ちゃかっしょく)の土に白濁(はくだく)した釉薬をかけ,さらにその上から黒釉(こくゆう)を施しています。とても洗練されたデザインの茶釜です。
    Before(接合作業前)  (接合作業中)
    After(現在)   
     ※ 県立埋蔵文化財センター2階廊下で展示中
     
     「松ぼっくり」をかたどった左右一対の取っ手
     
    ※ 薩摩焼については,かごしま考古ガイダンス第29回で紹介しています。こちらも,併せてご覧ください。 
    ※ 竪野(冷水)窯跡の整理作業については,研究紀要第7号で報告されています。
    ※ 埋蔵文化財センターの2階廊下で,この「茶釜」は展示中です。