九州最古の土偶
土偶は縄文時代早期には九州地方では使われておらず,後期になって西日本から伝えられたと考えられてきました。
しかし,上野原遺跡からは縄文時代早期後の土偶が出土し,当時は西日本最古の土偶として注目を浴びました。
平成8(1996)年に三重県松阪市の粥見井尻遺跡から縄文時代草創期の土偶が2点見つかったことから,上野原遺跡の土偶は,九州においては最古の土偶となっています。 |

土偶 |

土製耳飾り |
土製耳飾り
上野原遺跡からは,土製の耳飾りが28点出土しています。耳たぶに穴を空けてピアスのように付けるものです。大きいものでは,直径12p,重さ100gにもなるものも出土しています。
耳飾りは,縄文時代中期(約4,500年前)に東日本で発達しますが,上野原遺跡では,縄文時代早期後葉(約7,500年前)の耳飾りが確認され,その文化の先進性が注目されています。
今,県内では,この時期の耳飾り(耳栓状土製品を含む)が18遺跡44例確認されています。しかし,1つの遺跡から出土する数は少なく,数や大きさなど上野原遺跡に勝るものはありません。 |
異形土製品
上野原遺跡からは,三角形や分銅形など不思議な形をした土製品が数多く出土しています。中でも三角形の形をしたパレット形をしたものは,片面が皿状に窪み,長辺に斜めに貫通させた穴を1列に配列しています。
今でも,このような異形土製品の出土例は全国的にも珍しく,その用途もはっきりわかっていません。 |

土製品 |
|
|