鹿児島県上野原縄文の森トップページ
  • 平成25年6月7日(金)
  •   (いと)しの窯道具(かまどうぐ)たち 〜窯を(ささ)える(えん)の下の力持ち(その1)〜
  •   これはなんでしょう?
      
      これは,「ハマ」とよばれる窯道具がくっついてしまった皿です。冷水窯の整理作業をしていると,薩摩焼の破片に()じって,さまざまな窯道具も見つかります。上の写真に写っている「ハマ」は,本来,(ゆか)(なな)めに作られている窯の中で,焼き物を水平に保つために使われた道具です。この「ハマ」は,製品にかかっている釉薬(ゆうやく)()けてくっついてしまったのです。
     実はわたし,今,この窯道具に「ハマ」っているんです。そこで,3回シリーズで,冷水窯で見られるいろいろな窯道具を紹介(しょうかい)します。次回はマッシュルームの()ような「トチン(シノ)」をご紹介します。お楽しみに。
       
    こんなふうに使われます 「ハマ」などの窯道具 次回は「トチン(シノ)」を紹介します
  • 【お詫び】 中央の写真には「ハマ」以外の窯道具も写っていました。また,右の写真には「ツク」の他に「トチン(シノ)」とよばれる窯道具も写っていました。お詫びして訂正いたします。次回は,「ツク」ではなくて,「トチン(シノ)」を紹介します。(H25.6.20)
  • 平成25年6月21日(金)
  •   (いと)しの窯道具(かまどうぐ)たち 〜窯を(ささ)える(えん)の下の力持ち(その2)〜

  •  マッシュルームの()ような「トチン(シノ)」も「ハマ」と同じく「()(だい)」と()ばれる窯道具の仲間です。「焼き台」の中で,高さが低いものを「ハマ」,高いものを「トチン(シノ)」と呼んでいます。「トチン」は窯の床面(ゆかめん)()いた砂が製品につかないようにするために使います。また,少しでも高温で焼けるように高さを(かせ)役目(やくめ)もあります。さらには,(せま)空間(くうかん)有効利用(ゆうこうりよう)する目的(もくてき)でも使われます。
     もうひとつ,窯道具を紹介しますね。お煎餅(せんべい)のような「センベイ」は,焼き物と「トチン」の間にはさんで使います。焼き物を(じか)に「トチン」の上に()くと,「トチン」の赤褐色(せきかっしょく)の土で焼き物の(そこ)(よご)してしまいます。そこで,白色(はくしょく)製品(せいひん)を焼くときには,白色の「センベイ」をはさんで焼いていたんですよ。
     ね,びっくりでしょう? 窯道具の世界は実に奥深(おくぶか)い!次回は,「センベイ」をさらにふか~く紹介します。お楽しみに。
         
    マッシュルームのような「トチン」   こんなふうに使われます  お煎餅のような「センベイ」
  • ※ 「トチン」は鉄アレイ型のものが一般的ですが,左の写真のトチンは中空で,脚台状になっています。