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  •  平成26年8月26日(火)   
     
     ※獣形勾玉の展示は終了しました。現在,埋蔵文化財センターのエントランスで展示中です。
     
    上加世田(うえかせだ)遺跡の獣形勾玉(じゅうけいまがたま) 〜河口コレクションから〜
     
     
     写真は,現在,縄文の森展示館の河口コレクションコーナーに展示中の「獣形勾玉」です。この獣形勾玉は,新潟県の糸魚川(いといがわ)産と思われる翡翠(ひすい)を素材としたもので,3カ所に(あな)が開けられ,しかもその孔は内部でつながっています。
     この獣形勾玉が見つかった南さつま市加世田川畑にある上加世田遺跡では,このほかにも軽石製の岩偶(がんぐう)(下の写真)石棒(せきぼう),勾玉,管玉(くだたま)などが遺跡の西側の窪地(くぼち)から見つかっています。この窪地は,宗教的な行事なども行われる,集落の集会場であったとも言われています。

     
    ※ 管玉:古代の装身具のひとつ。竹管状の玉で,普通,直径5ミリメートル,長さ3〜5センチメー
      トルほど。連ねて首飾りなどにした。縄文後期から用いられた。
     (左)上加世田遺跡出土の縄文時代晩期の土器と岩偶 (右)発掘調査当時の様子
     
     ※ 上加世田遺跡は「先史・古代の鹿児島」の中で,詳しく解説されています。是非ご覧ください。
  • 河口コレクション 〜KAWAGUCHI Collection〜
  •    河口コレクションとは,長年,鹿児島県の考古学界をリードしてきた考古学者,河口貞徳氏(1909〜2010)が調査した遺跡の記録や,土器や石器などの考古資料のことです。
     河口氏は昭和20年代から約60年間にわたり,多くの遺跡を発掘し,遺物の時期や生活内容の解明を進めてきました。その資料は鹿児島県の歴史や文化を知る上で大変貴重なものとなりました。そしてこれらの貴重な資料は,ご遺族のご好意によりまとめて県立埋蔵文化財センターへ河口コレクションとして寄贈していただくこととなりました。
     ここに河口コレクションの一部を展示・公開し,河口氏がこれまで残されてきた多くの業績を偲びたいと思います。