鹿児島県上野原縄文の森トップページ
  •  平成30年7月24日(火)   
     
    河口貞徳コレクション発掘調査報告書 第1弾「山ノ口遺跡」刊行
    「河口コレクションとは?」の疑問に答える!
     報告書の表紙 巻頭図版 
       
     この報告書は,「河口コレクション整理活用事業」に伴い,平成28年度〜29年度に整理作業を行った肝属郡錦江町馬場に所在する山ノ口遺跡の発掘調査の記録です。
     山ノ口遺跡は,昭和33年〜36年に故河口貞徳氏が主体となって,発掘調査が実施されました。南九州の弥生時代中期を代表する標式遺跡であるとともに,環状の配石遺構の周囲に岩偶などの軽石製品や孔が開けられた多数の土器などが出土した祭祀遺跡として学史的にも著名です。
     報告書の中では,現代的な視点での山ノ口遺跡の再検討はもちろんのこと,河口氏の発掘調査歴一覧や氏所有の資料が寄贈されるまでの経緯,寄贈されたコレクションの内容なども掲載されています。まさに「河口貞徳コレクションとは何か?」という疑問に答えることができる報告書となっています。

    ※今回紹介した県立埋蔵文化財センター発掘調査報告書(195)は,ここから全ページご覧いただけます。
  • 河口コレクション 〜KAWAGUCHI Collection〜
  •    河口コレクションとは,長年,鹿児島県の考古学界をリードしてきた考古学者,河口貞徳氏(1909〜2010)が調査した遺跡の記録や,土器や石器などの考古資料のことです。
     河口氏は昭和20年代から約60年間にわたり,多くの遺跡を発掘し,遺物の時期や生活内容の解明を進めてきました。その資料は鹿児島県の歴史や文化を知る上で大変貴重なものとなりました。そしてこれらの貴重な資料は,ご遺族のご好意によりまとめて県立埋蔵文化財センターへ河口コレクションとして寄贈していただくこととなりました。
     ここに河口コレクションの一部を展示・公開し,河口氏がこれまで残されてきた多くの業績を偲びたいと思います。