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【調査報告】南九州最大の竪穴住居跡を発見

令和元年度の調査報告を更新しました。

【令和元年12月26日発表】

公益財団法人鹿児島県文化振興財団埋蔵文化財調査センターが平成29年度の発掘調査で発見した春日堀遺跡(志布志市有明町蓬原)の古墳時代の大型竪穴住居跡について

【内容】
(1) 遺跡は菱田川右岸の標高約29mの河岸段丘上に位置する弥生時代終末期~古墳時代前期(西暦250年頃)の集落遺跡である。
(2) 大型竪穴住居跡は,古墳時代の物で,直径10.4m,面積約76.2㎡の円形であり,一般的な竪穴住居跡の約4倍の大きさである。
(3) 大型竪穴住居では,住居廃絶時に建築材の焼却と祭祀に使用された遺物の廃棄が行われている。

【評価】
(1) 古墳時代としては南九州最大の竪穴住居跡が発見された。大型竪 穴住居跡は,通常の竪穴住居跡に比べ規模が大きく,多量の土器や 鉄器が出土している。集落内に階層差が存在した可能性があり,当 時の社会を知る上で重要である。
(2) 大型竪穴住居跡では,住居廃絶に関わる祭祀が行われたと考えられる。遺跡内において,同様の建物跡は7軒存在し,住居の廃絶行為を知る上で重要である。
(3) 住居廃絶の方法や土器の特徴は,宮崎平野及び都城盆地と強い関連性があり,古墳時代開始期に両地域と密接な交流が行われている。

【春日堀遺跡の概要】
(1) 調査起因:東九州自動車道建設
(2) 調査期間:平成26~30年度
(3) 調査面積:20,600㎡
(4) 指 導 者:鹿児島大学 中村直子教授
(5) その他:発掘調査報告書は令和2年3月に刊行予定