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カテゴリー: クローズアップ

12月の発掘調査

北山遺跡(阿久根市)

落とし穴が見つかりました。

埋土からは遺物が出土していませんが,埋土や逆茂木痕の様子から鎌倉時代~近世の可能性が考えられます。

逆茂木を固定する石組がこれほどはっきりしているものは他になかなか見られません。

 

新城跡(阿久根市)

新城跡の最上段を10月から掘り下げていましたが,現在3mほど掘り下げられています。

そこから,土器,石器などの遺物が出土しています。中にはサンゴもあり,どうのような用途で使われたのか謎は深まります。

 

萩ヶ峰A遺跡ほか(鹿屋市)

竪穴建物跡3軒と大型土坑1基の遺構が検出されました。それらの遺構内から甕や壺などの遺物が出土しました。

 

現地説明会を開催しました!~北山遺跡(阿久根市)

 12月3日(土),北山遺跡(阿久根市)で発掘調査の現地説明会を開催しました。現地説明会は今年で3回目の開催となり,地域の住民をはじめ150人ほどの見学者がありました。

 

 見学者は,鎌倉時代から室町時代の集落跡や縄文時代以降の落とし穴,江戸時代の炉跡などの説明を聞いたり,出土品を見学したりしました。北山遺跡は,鎌倉時代に阿久根を治めていた有力者一族が居住していた可能性が考えられています。

 

 また,発掘調査を体験できるコーナーでは,子どもから大人まで多くの参加者でにぎわい,あちこちで遺物を見つけて歓声をあげる光景も見られました。

 

江戸時代の炉跡を説明しています。   (炉跡は炭窯の可能性があります。)

 

 

鎌倉時代の溝跡を説明しています。    (溝跡は堀の可能性があります。)

 

発掘体験の風景です。大人も子供も真剣です。

 

発掘体験コーナーで出土品の説明を行っています。

 

遺物展示コーナーです。北山遺跡で発見した縄文時代前期(約6,000年前),古墳時代(約1,700年前),平安時代(約1,200年前),鎌倉・室町時代(約600~800年前),江戸時代(約150~400年前)の出土品を展示しました。

10月の発掘調査

六反ケ丸遺跡(出水市)

貴重な木製品や弥生時代の土器が発見されました。

発見された木製品。弓の可能性が高いです。
発見された弥生土器

 

北山遺跡(阿久根市)

柱を固定させるために片側に石を詰めた柱穴跡(ちゅうけつあと)が発見されました。また,焼土(しょうど)や鉄滓(てっさい)が発見され,カマドに関係する炉の跡である可能性があります。

柱穴に詰められた石
赤い部分が焼土です
流動滓(高温で鉄を作るときに,炉から流れ出た状態で固まった残りです)

 

新城跡(阿久根市)

大型の窪地が発見されました。窪地は自然の作用でもできますが,今回発見された窪地は,人が何かの目的で作った遺構(いこう)に土が溜まったものです。当時の人が何のためにここを掘ったのかを知るために調査をしています。

発見された窪地
125cmほどの深さです(掘り下げ途中です)

 

萩ヶ峰A遺跡ほか(鹿屋市)

竪穴建物跡にじょうろで水をまいています。乾燥が進むと遺構が傷む場合があるからです。

水まきの様子1
水まきの様子2

 

9月の発掘調査

北山遺跡(阿久根市)

中世(約800年前)の建物の柱穴痕や土器などが発見されています。また,縄文時代のものと思われる石鏃(せきぞく【やじり】)も発見されています。

柱穴に大きな礫が入っていました。建物の屋根にのせる重石であった可能性があります。

石鏃(せきぞく 【やじり】)が発見されました

 

新城跡(阿久根市)

焼けた土の入った土坑(どこう)が発見されました。近くに炭化物が入っている土坑もあり,関連があるかを調べています。

焼土が入っていた土坑

 

六反ヶ丸遺跡(出水市)

昔の川跡から墨で文字が書かれた土器が発見されました。

「志」という字が書かれています
「宮人」という字が書かれています

 

萩ヶ峰A・白水A・山ノ上B遺跡

白水A遺跡で旧石器時代(約15,000年前)の調査をしています。

旧石器時代の調査のため通称「マンション掘り」「千鳥掘り」「市松掘り」などという掘り方で調査を進めています。

 

台風対策

① 発掘調査

埋蔵文化財調査センターでは,梅雨時期や台風が接近するときは,遺物(いぶつ)や遺構(いこう),建物や道具の破損を防ぐ保護を行います。遺跡にブルーシートをかぶせたり,プレハブやトイレを風から守る工夫をしています。

 

寒冷紗をまとめる六反ヶ丸遺跡
ブルーシートで覆われた六反ヶ丸遺跡
作業をする萩ヶ峰A遺跡
プレハブの対策をする萩ヶ峰A遺跡

 

②整理作業

発掘中の遺跡だけではなく,発掘した遺跡の成果をまとめる整理作業でも対策を行います。整理作業所では,遺物を守るのはもちろん,整理作業に必要な資料やパソコンなどの機材類,道具類も保護します。

養生された道具類
資料の養生作業
復元途中の土器の保護

令和4年9月18日に到来した台風14号は「スーパー台風」と呼ばれるなど大きな台風でしたが,幸い大きな被害はありませんでした。

財団体験フェア2022 

8/27(土)・28(日)の2日間,宝山ホールで「みて きて ♫ あそぼう!鹿児島県振興財団体験フェア2022」が開催されました。

27日は「まつやま先生のドキドキ縄文土器」という考古学講座が行われ,縄文時代の遺跡や遺物について説明しました。参加者の中には,小さなお子様もいらっしゃったので,縄文時代に親しみをもっていただくためにイメージキャラクターを作りました。異形石器(いけいせっき:目的・使用不明の石器)をモチーフにした髪飾りや上野原遺跡から出土した双子壺の文様をモチーフにした服を着用したイメージキャラクターです。他にも,クイズで縄文時代の生活を学んだり,縄文時代と同じ方法で文様を描くコースター作りをしました。1時間という短い時間ではありましたが,楽しんでいただけたのではないかと思います。

現代風にアレンジしたイメージキャラクター

 

講座の他にも土器ドキコースターや土器ドキアート,瓦文様スタンプの体験やクイズラリー,パネルの展示もありました。

 

パネル展示の様子

土器ドキコースターは,縄文時代の土器につけられていた文様を参考に,縄文人と同じようにキザミを入れた木の枝(押型文〈おしがたもん〉)を転がしたり,貝殻や縄ひも,竹などを使って文様をつけます。実際に体験してみると,思ってもいない文様が出てくることに驚いているようでした。体験後,「貴重な体験ができました。」という言葉をいただきました。お子様はもちろん,大人の方にも楽しんでいただけたようです。

 

 

 

素敵なコースターがたくさんできました。

 

貝殻や木(押型文)などを使って,魚をつくった方がいらっしゃいました。魚の文様がついた土器があったら楽しいですね。

土器ドキコースターは数量限定でなくなり次第終了の予定でした。準備した分は全てなくなり,体験できなかった方もいたようで,申し訳ありませんでした。また機会がありましたら,ぜひご参加ください。

 

土器ドキアートは,土器型のペーパークラフトです。色を塗ったら,オリジナルの紙の土器ができあがります。

瓦文様スタンプでしおりを作る体験もありました。

 

2日間を通して,100名を越える皆様に体験していただきました。毎年,財団体験フェアを行っておりますので,ぜひ来年もまたお越し下さい。お待ちしています。

8月の発掘調査

北山遺跡(阿久根市)

写真の溝状遺構(みぞじょういこう)は中世(鎌倉時代)のものではないかと考えています。1.5m近く掘り下げた溝の底から,大きな複数の石がまとまって置かれていることが分かりました。人が歩いた痕跡があり,道として使っていたようです。

溝状遺構

 

新城跡(阿久根市)

中世のものと考えられる土坑(どこう)や柱穴が見つかりました。これから掘り下げて詳しく調査していきます。

土坑や柱穴の跡を精査しています

 

六反ヶ丸遺跡(出水市)

地上から1.5m掘り下げたところで,約1,200年前の川跡が発見されました。川跡からは,その当時使われていた食器や壺なども一緒に発見されています。魚を捕るために使われていた土錘(どすい)も多く発見されています。

川跡
土錘

 

萩ヶ峰A・B,白水A,山ノ上B遺跡(鹿屋市)

旧石器時代の発掘調査の準備をしています。熱中症などの対策として,寒冷紗を屋根のように張って作業をしています。

手作業で掘り下げていきます(萩ヶ峰A遺跡)

 

なぜこんなところから!?~「縄文」の付いた弥生~古墳時代の土器片を,南九州ではじめて発見!~ (鹿屋市串良町 小牧(こまき)遺跡)

この3月に刊行された『小牧遺跡 3 弥生時代~古墳時代編』の土器の整理作業中の話です。内側に「縄文」を施す壺の口縁部(こうえんぶ)片が見つかりました。南九州では,縄目の文様が施される土器は縄文時代に限られています。さらに口縁部の内側に縄文が施される例はほとんどありません。まして,今回見つかった土器片はその形に縄文時代の特徴を感じられず,弥生~古墳時代の特徴がみられました。この土器片は,反()りながら大きくラッパ状に開く壺(つぼ)の口縁部(こうえんぶ)と考えられ,端部は平たく,豆粒(まめつぶ)のような貼()り付け文が1つ確認できました。上から見ると,縄文を転がして縁取(ふちど)られています。詳しく観察すると結節縄文(けっせつじょうもん:結び目のある縄目の文様)が施されていました。丁寧に拓本(たくほん:魚拓(ぎょたく)のように土器の文様や凹凸を墨で写し取ったもの)をとってみると縄目や結び目の様子が浮かびあがりました。

南九州の弥生時代~古墳時代の土器の外面は,指や板状の道具でなでるか,棒状の道具やつるつるした石などで表面を丁寧にみがいて仕上げることが多く,縄文で飾られる例は大変珍しいものです。この土器片が出土した周囲からは縄文時代・弥生時代・古墳時代の土器が入り混じって多量に出土していました。この土器片は果たしてどの時代のものなのか・・・整理作業の担当者は大変迷って,謎の遺物を集めた「?BOX(はてなぼっくす)」の中に収納しました。

 

昨年11月の小牧遺跡の土器の指導の様子をこのHPでお知らせしました。そのときに今回の土器片の形,文様(もんよう),明るい黄褐色(おうかっしょく)で小さな軽石が多く混じる特徴から,東海地方の東遠江(ひがしとおとうみ)から駿河(するが)地域の弥生時代後期~古墳時代前期(3~4世紀頃)の壺(つぼ)の可能性を教えていただきました。なかでも静岡県の駿河(するが)湾の東側のエリアの特徴がみられるとのことです。

この時期の土器は,駿河湾東部より西側からの出土事例が少なく,いちばん近い例としては,福岡市の博多(はかた)遺跡(203次調査)で,古墳時代前期の「大廓(おおぐるわ)式」と考えられる壺の口縁部や肩の部分の破片が報告されており,その肩部(けんぶ)の破片には小牧遺跡の例と同じように縄文が施されています。

小牧遺跡から出土した土器片は小さかったため,全体形がわからず,時期やエリアをさらに絞り込んで報告することができませんでしたが,この時代の東海地方の特徴をもつ土器が,本来の分布の範囲から大きく離れて発見されたことは,当時の交流等を考える上で貴重な資料となりそうです。南九州で初めての出土事例となります。

弥生時代~古墳時代の約900年間にわたり西日本の広い範囲で,南西諸島(なんせいしょとう)産の貝でつくられた製品が,沿岸部の遺跡,または弥生時代の墓,古墳などの墓の副葬品(ふくそうひん)として出土しています。それらの分布の状況から,南西諸島とこれらの地域を結ぶ交易ルートである「貝の道」が存在したことが考えられています(1996木下)。貝の種類や産地,主要な消費地や経路には,時代による変化がみられるとのことです。今回出土した土器片の由来となる可能性がある東海地方にも,南西諸島産の貝製品の出土事例があります。静岡県磐田(いわた)市の松林山古墳(しょうりんざんこふん)は,古墳時代前期に築造された大きな前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)で,南西諸島産のスイジガイ製の貝釧(かいくしろ:貝で作られた腕輪)の出土で知られています。

今の段階では,南九州地方と東海地方の交流の様子ははっきりしませんが,今回のような発見をとおして,当時の人々の動きが少しずつ解明されるかもしれません。

 

東海地方の弥生時代後期の土器(菊川(きくかわ)式)の形態

 

32の土器の口縁部の拡大

 

【図・写真】
静岡県菊川市白岩下遺跡出土土器                                                       
静岡県埋蔵文化財センター所蔵

 

 

 

東海地方の古墳時代前期の土器(大廓(おおぐるわ)式)の形態

 

【図・写真】

静岡県沼津市高尾山古墳出土土器                                                      沼津市教育委員会所蔵

 

 

 

【引用参考文献】

木下 尚子 1996『南島貝文化の研究-貝の道の考古学-』法政大学出版局

岩本 貴 1995「菊川式土器における編年上の問題」『財団法人静岡県埋蔵文化財調査研究所設立 10周年記念論文集』(財)静岡県埋蔵文化財調査研究所

岩本 貴 2010「雌鹿塚式の壺の形式変化について」『研究紀要 第16号』(財)静岡県埋蔵文化財調査研究所

岩本 貴 2012「浮文の法式 東遠江~駿河~伊豆北部の弥生後期~古墳前期の壺を中心に」『研究紀要 創刊号』静岡県埋蔵文化財センター

佐々木 憲一・久住 猛雄 2021「大分県武田市小園遺跡出土の布留系甕形土器-古墳時代前期後葉における地域間交流のアプローチ-」『九州考古学 第96号』

(財)静岡県埋蔵文化財調査研究所 2010『白岩遺跡・白岩下遺跡』静岡県埋蔵文化財調査研究所調査報告

第220集

沼津市教育委員会 2012『高尾山古墳発掘調査報告書』沼津市教育委員会 第104集

福岡市教育委員会2021『博多170-博多遺跡群 第203次調査』福岡市埋蔵文化財調査報告書 第1405集

 

 

 

6月の発掘調査

六反ヶ丸(ろくたんがまる)遺跡:出水市

粘土層によって,すぐ水が溜まってしまいます。排水作業に苦労しながら調査を進めています。

水没した調査区の様子
遺構かどうかの確認を行っています

 

萩ヶ峰(はぎがみね)A・B,白水(しろみず)B,山ノ上(やまのうえ)A遺跡:鹿屋市

過年度の調査で発見した竪穴建物跡の調査を引き続き行っています。

竪穴建物跡の断面清掃

 

新城跡:阿久根市

焼土が発見されました。炉の跡ではないかと考え,調査を進めています。

赤い土が焼土です

 

北山遺跡:阿久根市

中世(鎌倉時代頃)の竪穴建物跡です。床面で焼土とピットを検出しました。鉄製品や土師器なども出土しています。

竪穴建物跡

中世(鎌倉時代頃)の溝跡で、深いところは2m近くあります。土地を区画したり,敵の侵入を防いだりするための施設と考えられます。

溝状遺構

 

 

 

財団体験フェアin イオンタウン姶良が開催されました

6月12日(日)イオンタウン姶良でワークショップを行いました。今回のワークショップのメニューは,「土器ドキコースター」でした。縄文時代は,貝殻などを使って土器に文様をつけていましたが,今回は縄文人と同じように貝殻などを使ってコースターに文様をつけてもらいました。

 

 

いきなり文様をつけるのは難しいので,まずは,油粘土に文様をつける練習をしました。どんな道具を使えば,どんな文様がつくのか職員が紹介した後,実際に試してもらいました。

貝殻を使った刺突(しとつ)文

貝殻を刺すようににして文様をつけます。

木を使った押型(おしがた)文

様々な形を彫った木を押しながら回して文様をつけます。

これは山形の押型文です。

木を使った押型(おしがた)文 

これは楕円形の押型文です。

 

他にもいろんな道具を使うと,下のような文様がつきます。

 

油粘土で試したら,実際にコースターに文様をつけます。

 

実際に体験した皆様が作ったコースターです。

 

ワークショップの他に,鹿児島県文化振興財団の事業などを紹介するパネル展示もありました。

 

8月27日(土)28日(日)には宝山ホールで財団体験フェアが開催される予定なので,そちらにもぜひお越し下さい!!