南水ヶ迫(みなみみずがさこ)B遺跡は,志布志市志布志町・帖(ちょう)の標高約50mのシラス台地上に位置します。
令和5年度から7年度にかけて発掘調査を実施し,旧石器時代から中・近世の遺構や遺物が発見されました。令和6年度から整理作業を行い,本年度は縄文時代中期以降の発掘調査成果について報告書を刊行します。
遺構は,中世から近世にかけて使用されたと考えられる道跡や溝跡,土坑などを報告します。道跡や溝跡は,合計33条確認され,この地が交通の要衝であったことをうかがわせます。
遺物は,中国産と国内産の陶磁器等を報告します。中国産の陶磁器の中には,水鳥をかたどった水注(すいちゅう:水を入れる容器で注ぎ口があるもの)の羽根の部分の破片(華南三彩(かなんさんさい))もありました。
この遺物は,遺跡近くの志布志城をはじめとした中世の城館等で出土する傾向がみられる遺物です。
報告書刊行によって,この地に暮らしていた人々の道利用の様子や当時の物の流通の一端が明らかになる予定です。乞うご期待ください。
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