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縄文土器ができるまで

縄文時代の遺跡から発見されるものに土器があります。土器は,食べ物を煮たりする貴重な道具と考えられ,大事に使われてきました。

この縄文土器は,粘土を成形して焼かれているのですが,現在私たちが日常使っている茶碗などとは作り方や焼き方に違いが見られます。ここでは,縄文時代の土器作りについて紹介します。

土の採集・調合

土器は,粘土で作られます。粘土は,粘土層の露出した場所や湿地帯,あるいは地山を掘って採取したと考えられています。

採集した粘土は,そのままでは使えません。そこで,砂などと混ぜ合わせて2~3日寝かせることが必要です。この作業によって,粘土の粒子が均一になります。

土器の成形

はじめに土器の底から作っていきます。そして,粘土の帯を上へ上へと積み上げていきます。このとき,粘土のつなぎ目をしっかりと指や工具によって調整します。筒形の土器なら少し内側に粘土を積んでいきます。

どのような形になるかイメージしていきます。

施文

土器がある程度乾燥したら,次は文様を付けていきます。鹿児島県で見られる縄文土器の主な文様には,貝殻を使った「貝殻文」・縄目を付けた「縄文」・ヘラや竹串などで付けた「沈線文」などが見られます。

文様を付けるタイミングで最終的な土器のイメージが決定します。

乾燥

作り上げた土器をそのまま焼くと,土器の中の水分が多いため,上手に焼き上げることが難しくなります。そこで,日陰や室内等で1月ほど乾燥させます。この時,土器は少し収縮します。

焼成

最後の工程です。現在のように窯などは使いません。野原などで行うため,野焼きと呼ばれています。

はじめ火の側で土器をゆっくりとあぶります。次に,沈火して炭になった材の上に土器を並べ,置き炭の上で更にあぶります。小1時間ほど経って薪を投入し本格的に焼きはじめます。この時,雑木などを使うと火力が保持されてしっかりと焼き上がるようです。

炎の中で,土器ははじめ黒くなり次に温度が上がるにつれ茶色などの色へと変色してきます。こうなると焼き上がりです。しばらくしてから,長い棒などで土器を取り出し,急激に冷めないように注意して冷却します。