平成11年に国指定史跡となった上野原遺跡第4工区の調査結果をもとに,竪穴住居をはじめ,調理用の施設だと考えられる集石遺構や連穴土抗など約10,600年前のムラを復元したエリアです。
復元された竪穴住居内には自由に出入りできます。連穴土坑,集石などとともに当時の様子を想像してみてはいかがでしょうか。
住居の中は,意外と夏は涼しく,冬は暖かいですよ。
10,600年前のムラの様子
上野原遺跡では,10,600年前の竪穴住居跡が52軒発掘されました。そのほかに集石遺構39基,土抗約260基,連穴土抗16基,道筋2条なども見つかっています。
この「復元集落」では,竪穴住居を復元してあります。さらにクリ,クヌギ,クマシデ,ヤマザクラ,ムクノキ,コナラ,ハルニレ,クヌギなどの落葉広葉樹の森が再現されています。
竪穴住居
平らな土地に掘った穴に,柱を立てて屋根をかけたすまいです。
集積遺構
直径10~20cmの石がたくさん見つかりました。石を焼いてその上に葉などで包んだ魚や肉などを置き,上から土をかぶせて「蒸し焼き料理」をしていたと考えられます。
土坑
地面に掘った穴のことで,木の実を貯蔵したり,死者を埋葬したりといろいろな用途が考えられます。
連穴(れんけつ)土坑
大きな穴と小さな穴を掘り,両方の穴をトンネルで繋いであります。トンネルの上の土が陥没しているので,大小の穴がひとつになり,楕円状に見えます。大きな穴で火をおこし,小さな穴(煙突の役割をします)に煙を出して燻製を作っていたと考えられます。
道筋
自然の浅い谷などを利用して,水飲み場などへ行き来しているうちにできたと考えられます。
竪穴住居の復元
地面に掘った穴のまわりに垂直に立てた柱を円形に配置しました。柱の上端を中央で収束した,砲弾形屋根のドーム型となっています。建物の材料は解明されていませんが,ここでは,柱にクヌギ,屋根にはカヤが葺かれています。壁と屋根を分けた壁立式竪穴住居の可能性もあります。
【宮本長二郎(東京国立文化財研究所)設計】
竪穴住居跡
復元初日
復元三日目
復元六日目(完成)