鹿児島県内には,8000を超える遺跡があります。こんなにたくさんの遺跡があるなんて驚きますね。
でもどうやって,遺跡を見つけるのでしょうか。今回は,そんな遺跡を見つける方法の一つ,「分布調査」を紹介します。
土器や石器などの遺物は普段,地面の下に埋まっていますが,耕作や天地返しなどによって地上に出てくることがあります。「分布調査」とは,現地を実際に歩いて地上に出てきた遺物の表面採集を行ない,遺跡の有無を調べることをいいます。分布調査を行って,これら地上に出てきた遺物が見つかったということは,そこが遺跡の可能性があるということです。その後,実際にトレンチ(試し掘りの穴)を掘って遺跡の有無を調べる「試掘調査」,より多くのトレンチを掘って遺跡の時代や範囲を調べる「確認調査」を行って,遺跡の存在を明らかにしていきます。
埋蔵文化財センターでは,2月上旬,田んぼの耕地区画整備に伴って分布調査を実施しました。市町村の埋蔵文化財担当職員と埋蔵文化財センターの職員が田んぼを歩き,遺物が落ちていないか確認しました。このような調査によって,新しい遺跡が見つかったり,遺跡の範囲が広がったりします。