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カテゴリー: 鹿児島県立埋蔵文化財センター

住居と高床倉庫のセット関係:ケブラノ前遺跡(喜界町)

古代の喜界島は、日本本土との関係が深いとされています。国指定の城久(ぐすく)遺跡群は9世紀頃から始まる遺跡ですが、本土と同様な土師器(はじき)が煮炊(にた)きに使われていたことが分かっています。ケブラノ前遺跡では、この城久遺跡群と同じ9世紀頃から10世紀頃までの掘立柱建物(ほったてばしらたてもの)という、地面に穴を掘り、その穴に柱を立ててつくる建物の跡が17軒分見つかっています。これらの建物跡は、柱の数が多い住居跡と考えられるものと、4本柱で倉庫跡と考えられるものが、同じ方角を向いて隣接して見つかっています。

これは、住居と高床倉庫がセットで建てられていたものと考えられます。琉球列島では農耕は11世紀頃から営まれています。喜界島は日本本土との関係が深いため、他の島に先行して農耕が始まったのではないかとされており、農産物を収納するための高床倉庫の存在は、それを裏付けているのではないかと考えています。

 

住居と考えられる掘立柱建物跡柱穴

倉庫跡と考えられる柱穴

 

 

 

高橋貝塚(南さつま市)里帰り展~よみがえる「河口コレクション」の世界~

高橋貝塚は弥生時代の南九州を代表する遺跡として知られており、貝輪などの原料となる南島産の貝が西北九州へ運ばれる際の交易の中継点として重要な役割を果たしたと考えられています。また、「高橋式土器」の標式遺跡にもなっています。
今回の展示では、過去2回にわたって実施した発掘調査の記録を再整理することで得られた、最新の成果を紹介します。

期日
令和8年10月20日(火)~令和9年3月14日(日)

場所
南さつま市歴史交流館金峰
南さつま市金峰町池辺1535番地

入館料
大人(高校生以上)310円
小人(小・中学生)150円
幼児(小学生未満)無料
団体(20名以上)大人220円、小人70円

営業時間
9:00~17:00(入館は16:30まで)

休日
月曜(祝日の場合は、その翌日)・12月29日~1月3日

ホームページ
歴史交流館金峰 | 南さつま市観光協会

TEL 0993-58-4321
FAX 0993-58-4322

 

南の縄文文化展(東京展示「かごしま遊楽館」)

かごしま遊楽館(東京都千代田区有楽町)で「南の縄文文化展」を開催します。
鹿児島県の遺跡から出土した特徴的な縄文土器(角筒土器、レモン形土器、壺形土器)を中心に、土器や石器などの遺物を展示します。
また、担当者が南九州で栄えた縄文文化の魅力を、わかりやすく解説いたします。入場無料です。ぜひ会場にお越しください。

日時:令和8年10月24日(土)・25日(日)

会場:鹿児島ブランドショップ東京店ギャラリースペース
かごしま遊楽館3階
東京都千代田区有楽町1-6-4

かごしま遊楽館ホームページ
https://www.pref.kagoshima.jp/yurakukan/

主催:鹿児島県立埋蔵文化財センター
共催:(公財)鹿児島県文化振興財団 上野原縄文の森

「有溝砥石(ゆうこうといし)」:ケブラノ前遺跡(喜界町)

一般的に「有溝砥石」とは、日本列島で主に縄文時代草創期という1万年以上前の遺跡からみつかり、「矢柄研磨器(やがらけんまき)」とも呼ばれている弓矢の矢を研磨したのではないかとされている石器のことを指します。

琉球列島で「有溝砥石」と呼ばれている石器は、これよりだいぶ新しい縄文時代後期や晩期の遺跡から見つかります。その多くは砂岩というザラザラした石の表面で何かを磨った結果、幅が5㎜ほどで断面が半円形をした直線的な溝が何条か残されているものです。ケブラノ前遺跡では2点出土しています。

有溝砥石は、今まで、貝製品を製作するために貝殻の縁(ふち)を磨くための石器であるとされてきましたが、近年、貝製品や未製品が出土しない遺跡から多量に出土する事例がみられることや、縁が丸みを帯びている貝殻を磨くと溝の真ん中付近が深くなると考えられますが、溝跡の底の部分が直線的なことから、別の何か、細くてまっすぐなものを磨いたのではないかと考えられます。ただ、何を磨いたのかはっきりとわかっていません。みなさんのアイデアをお願いします。

 

熊本地震への支援「文化財レスキュー」

令和8年7月28日に発生した熊本地震で被災した文化財の救援活動が、9月から開始されました。鹿児島県立埋蔵文化財センターでも、職員を交代で熊本県に派遣し、文化財の保護・復旧にあたっています。

文化財は、地域の歴史や人々の記憶を未来へ伝える大切な財産です。当センターでも引き続き、文化財レスキュー活動に取り組んでまいります。

活動の様子

虎居(とらい)城跡

鹿児島県の北薩広域公園整備(歴史ゾーン)に伴って、令和3~5年度に発掘調査を行いました。

曲輪(くるわ)「中の城(なかのじょう)」は平成20・21年度に川内川激甚災害対策特別緊急事業に伴って発掘調査が行われました。その後工事により一部消失し、現在は3分の1ほどが残っています。

今回の調査で、柱間が4間の総柱(そうばしら)となる掘立柱建物跡(ほったてばしらたてものあと)が発見されました。この建物跡の柱穴の多くは根石を敷(し)いてあり、かなり強固な建物であったことが想定されます。建物周辺からは中国などから輸入された16世紀後半頃の陶磁器(碗・皿)が出土しています。

虎居城跡は、対岸の公園と橋でつながりました。この結果、城跡がより身近なものとなることでしょう。発掘調査の結果からこの城跡の解明が進み、その成果が公園整備に活用されることが期待されています。

曲輪「中の城」で発見された総柱の掘立柱建物跡。赤い枠で囲った柱穴には、根石が敷かれていた。

建設中の、北薩広域公園と虎居城跡をつなぐ橋(2026年1月撮影)

ワクワク考古楽出前授業IN霧島市立国分南小学校

令和8年5月20日(水)、霧島市立国分南小学校6年生104名に、総合的な学習の時間の導入として「ワクワク考古楽出前授業」を実施しました。

国分南小周辺の遺跡のうち3遺跡について紹介していきました。一つ目は、子どもたちがよく知っている上野原縄文の森にある上野原遺跡です。10,600年前の住居や調理施設の跡などが発見されたことや8,600年前の埋められていた双子壺などがみつかったことを紹介しました。当時、新聞の一面に大きく取り上げられるほどの発見だったことを知り、感心していました。

二つ目は、現在南公園が作られている麓(ふもと)にあたる平栫(ひらがこい)貝塚についてです。子どもたちになじみのある場所が遺跡であることに驚いていました。現在の海岸から約2㎞内へ入ったところに貝塚があることから、縄文時代の海岸線が現在の位置と異なり、国分南小や自分たちの家が当時は海であったことには驚きの声があがりました。

三つ目は、幕末から明治にかけて使用されていた敷根(しきね)火薬製造所跡です。実際に発掘調査した職員が水車を使った火薬製造の方法について説明し、なぜ国分敷根に製造所が作られたのかについて考えていきました。現在も取水口や導水路などが残っており、さらに調査の中で土の中にはまだ多くの施設の跡が確認できたこともていねいに紹介していきました。子どもたちは、集中して話を聞きながらメモを取っていました。

また、実際に出土した土器や石器に触れる時間では,興味津々に説明を聞き,タブレットで写真を撮っていました。土器表面の色の違いに注目し、土器の使用方法について考えたり、土器の文様の付け方など質問したりしていました。特に黒曜石の石鏃(せきぞく)や石斧(せきふ)は人気がありました。

今後は,国分の歴史について調べ学習を進め、パンフレットを作成して修学旅行で配布するそうです。今回の授業を通して,国分の歴史への興味関心がより高まってくれればと思います。どのようなパンフレットができあがるのか楽しみです。

上野原遺跡について紹介

敷根火薬製造所を紹介

本物の土器や石器を写真で撮りました

 

ワクワク考古学出前授業IN鹿児島市立桜丘東小学校

令和8年6月11日(木)、鹿児島市立桜丘東小学校の6年1組と2組に、「ワクワク考古楽出前授業」を実施しました。

まず、縄文時代とはどのような時代なのか、子どもたちと一緒に確認しました。

次に、縄文時代の人々も自分たち同じようにこの場所で生活をしていたことを実感してもらうために、学校周辺で見つかった桜ヶ丘団地(さくらがおかだんち)遺跡群や脇田亀ヶ原(わきたかめがはら)遺跡について紹介しました。

また、貝殻条痕(貝がらで文様をつけたあと)のある土器や角筒形、円筒形、レモン形の土器を紹介し、鹿児島県の縄文土器の特徴についても知ってもらいました。

最後に、実際に土器や石器に触れてもらい、歴史の学習や昔の人々の生活をより身近に感じてもらいました。

 

子どもたちからも「もっと見てみたい!」、「歴史の学習がより楽しみになった」など、社会科学習への関心や意欲の向上が感じられるような感想が聞かれました。休み時間にも熱心に土器や石器に触れたり観察したりする姿も見られました。

学校周辺の遺跡を紹介

鹿児島県の縄文土器の特徴を説明

本物の石器を手に取って観察