第93号~黒川洞穴里帰り展ほか~
黒川洞穴里帰り展講演会
8月25日(日),吹上中央公民館で「黒川洞穴里帰り展講演会」を開催しました。この講演会では,鹿児島県の考古学界をリードしてきた考古学者,河口貞徳氏(1909~2010)の功績を紹介し,同氏が行った地元の黒川洞穴の発掘調査成果や,吹上の遺跡についての説明等を行いました。
当日は150人の参加者があり,発表者の話を興味深そうに聞かれていました。
また,講演会後は,隣接する吹上歴史民俗資料館において,黒川洞穴から出土した遺構・遺物についてミュージアムトークを実施したところ,参加者から多くの質問が出るなど,大変盛り上がりました。
【参加者の感想から】
- 吹上にはたくさんの遺跡があるということを教えていただき,地元のことを知るよい機会となった。
- 黒川洞穴からこんなにもたくさんのものが出ていることを初めて知った。
- 黒川洞穴を地元の誇りだと思えた。再訪したいと思いました。
- このような講演会をまた開催してほしい。
夏の教職員研修
埋蔵文化財センターでは毎年,上野原縄文の森や鹿児島県総合教育センターと連携して,「フレッシュ研修」・「パワーアップ研修」・「先生のための考古学講座」・「課題研修」など教職員向けの研修講座を開催しています。
今年度も,全講座合わせて約50人の教職員の方の参加があり,センター内の見学,業務体験,埋蔵文化財を活用した授業づくり,火起こし,アクセサリー作りなどを体験学習されました。
参加者からは,「身近に遺跡がたくさんあることに驚いた。」,「地域の歴史を詳しく知ることができてよかった。」,「埋蔵文化財を授業で活用してみたい。」,「拓本づくりが楽しくて夢中になった。」などの感想がありました。
来年度も多くの参加をお待ちしております。
鹿児島県で初めて見つかった木簡:(京田遺跡:薩摩川内市)
九州新幹線鹿児島ルート建設に伴い平成11年度から13年度にかけて行われた京田遺跡の発掘調査において,県内初となる「木簡」が出土しました。
平安時代初めの嘉祥(かしょう)3年(西暦850年)3月14日の日付が記されています。長さは約40㎝,厚さ・幅は約3㎝で,当時の役人が,田の権利に関する内容を告知したものと思われます。
『鹿児島県立埋蔵文化財センター発掘調査報告書』(81) 「京田遺跡」
3D・AR
以下のページから,遺跡や遺構,遺物を3Dで見たり,AR(拡張現実)体験できたりします。
「3D」-sketchfab-
下記のリンクから一覧のページに移動します。
https://sketchfab.com/maibun-kagoshima
「▷」をクリックすると,それぞれの3Dが表示されます。
「AR体験」 -STYLY-
下記のリンクから一覧のページに移動します。
https://gallery.styly.cc/artist/kagoshima-maibun/scenes
「▷」をクリックすると,それぞれのARが表示されます。
「Loading・・・」から画面が変わらないときは,もう一度画面をクリックしてください。
QRコードをスマホやタブレットで読み込むと,AR体験ができます。
※ 「STYLY」というアプリのインストールが必要です。
■ 名主原遺跡溝跡
■ 野首遺跡落とし穴遺構
■ 鹿児島城跡枡形部
■ 縄文土器(轟B式)
埋蔵文化財技術研修講座(基礎講座)
令和6年7月19日,埋蔵文化財技術研修講座(基礎講座)を実施しました。この講座は,市町村教育委員会の埋蔵文化財担当職員を対象として,発掘調査に関する必要な技術等の向上を図ることを目的としています。
午前中は,志布志市の野首遺跡で発掘調査の現場研修を行いました。実際の発掘現場の運営や管理,必要な物品等について知識や理解を深めました。
午後からは,志布志市教育委員会の相美氏を講師として迎え,教育委員会の体制,事業への取り組み,施設管理などを紹介していただきました。
今回の研修が,市町村の担当者の業務向上に役立てばありがたいです。