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立塚遺跡の発掘調査

立塚遺跡(鹿屋市吾平町)は令和2年度から調査を開始し,今年度で3年目の最終年度となります。

過去2年間の調査成果から,縄文時代晩期から弥生時代前期,古代の複合遺跡であることがわかりました。これまでの調査で,古代の畝間(うねま)状遺構を多数検出しています。畝間とは,字のごとく畑の畝と畝の間ことで,畑作を行っていたことが分かる遺構です。他にも,貞観16(874)年に噴火した,開聞岳由来の火山灰「紫コラ」が堆積しているピット(穴)も多数検出しています。

また,9世紀後半のものではないかと思われる土師甕(はじがめ)も完形に近い状態で見つかりました。底は,削平の影響で損失しています。

現在,調査が始まったばかりなので,撹乱(イモ穴)の除去などを作業員さんたちに頑張ってもらっています。

また,昨年度6層上面(池田軽石層上面)で検出した弥生時代初頭のものと思われる土坑(やや大きめの穴)の調査を再開しました。土坑は列状の配置で切り合いをもって検出され,土坑内からは,土器片や打製石斧の欠損品などが出土しています。県内には類例がなく,現在,調査中です。近々大学などの先生方にも指導を仰ぐ予定です。

今後の調査成果をご期待ください。

立塚遺跡の発掘風景

完形に近い形で見つかった土師甕

遺構をていねいに掘り下げていきます