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薩摩川内市立育英小学校での出前授業

令和4年6月29日,薩摩川内市立育英小学校の6年生にワクワク考古楽授業支援(出前授業)を実施しました。

まず始めに,埋蔵文化財センターの仕事を紹介し,次に,育英小学校の周辺にある遺跡として薩摩国分寺や鶴峯窯跡,天辰寺前古墳,平佐焼窯跡を紹介しました。ほとんどの遺跡について児童たちは知っているようでしたが,鶴峯窯跡で焼かれた大きな瓦を見てもらうと,児童たちから「大きい!」「重そう!」といった声が聞かれました。

授業では学校の近くにある麦之浦貝塚を中心に学習しました。まず,縄文時代や貝塚について知っていることを発表してもらい,「縄目の文様の土器を使っていたから縄文時代という!」,「貝塚は縄文時代のごみ捨て場!」など多くの発表がありました。

麦之浦貝塚は家畜市場をつくる際に見つかった遺跡であることを紹介し,高城川に注ぐ麦之浦川を見下ろす台地の先端部にあることを説明しました。そして,貝塚からはぎ取った貝層の実物を提示して,何が含まれているか発表してもらいました。貝塚には,貝の他にも土器や矢じりや石斧などの石器,イノシシやシカの骨なども見つかっていることから,縄文時代のタイムカプセルと呼ばれていることを紹介しました。ただし,人の骨や完全な土器や石器なども見つかり,単なる「ごみ捨て場」ではなく,祈りや祀(まつ)りの場所であるということも知ってもらいました。

また,縄文時代の麦之浦貝塚の近くは海であったことや,縄文時代は育英小学校も海の中であった可能性を紹介し,児童たちからは驚きの声が上がっていました。授業のおわりには,貝塚から出土した矢じりなどの石器にも触れてもらいました。

授業が終わったあとも多くの児童たちが遺物を見に来て質問をしてくれるなど,大変熱心な様子がうかがえました。

この学習を機会として,身近な地域の中には日本の歴史を知ることができる貴重な資料が数多くあることを知ってもらいたいと思います。

 

縄文時代はどんな時代だったのだろう

本物の貝塚を触って確認