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埋蔵文化財専門職員養成講座(基礎講座・技術研修講座)

【埋蔵文化財専門職員養成講座(基礎講座・技術研修講座)】

当埋蔵文化財センターでは,県内市町村の埋蔵文化財担当者向けに,発掘調査・整理作業に必要な知識習得や技術の向上を目的とした,専門職員養成講座を開催しています。今回は7月20日と21日の二日間にわたり基礎講座と技術研修(調査技術)講座を実施しました。

基礎講座は,7月20日に鹿屋市名主原(みょうずばる)遺跡と東串良町郷土研修館で行いました。午前中は名主原遺跡発掘調査の現場を見学するとともに,発掘調査に至るまでの経緯や調査に必要な物品などついて研修を行いました。午後からは会場を移して,東串良町の取組について説明を聞き,文化財行政の実態を学ぶことができました。

発掘現場の見学
東串良町の文化財についての紹介
文化財行政について意見交換

7月21日は,名主原遺跡で遺跡の地層(土層)についての技術研修を行いました。
発掘調査では,遺跡がいつの時期にどんな人々がどんな生活をしていたかを調査しますが,その「いつの時期に」を知る手掛かりが土層です。
火山の多い鹿児島県では,火山噴火によって降り積もった噴出物の年代が分かっています。その火山灰層を鍵層として,時代を特定します。まず初めに,代表的な火山灰層の年代や特徴を紹介しました。
次に,発掘現場の実際の土層を見ながら,分層・作図に取り掛かりました。
土層は堆積した年代によって,含まれる物質(火山灰や土,砂,石など)が異なっていて,色や硬さなどの違いが生じます。それらをよく観察し,土層の境目に線を引きます。この作業を「分層」といいます。その後,分層した土層を用紙に作図していきました。

土の色や硬さ,含まれるものをよく観察します
遺構内の堆積にも気をつけながら分層していきます
同じ高さ-水平に水糸を張り,巻き尺やコンベックスを使って測っていきます
分層した土層を用紙に描き写します

夏の現場の暑さや,途中降り出した雨にも負けず,参加されたみなさんは最後まで取り組むことができました。

今回の研修で学んだことを基に,各市町村でも発掘調査や整理作業が順調に進められることを期待しています。