虎居城跡の「塩の城(しおのじょう)」と呼ばれる曲輪では,柱跡と思われる穴が2,000基あまり見つかっています。
これらは長い年月をかけて,建物の建て直しが何度も行われたためと考えられます。
発掘調査・整理作業において,その穴から,穴の大きさや深さ,並んだ向きや間隔,礎石(柱を支えるため穴の底においた石)の有無を手掛かりにして,掘立柱建物跡8軒(うち礎石を持つ建物跡は4軒)が判明しました。
発掘調査では,このように柱穴から建物跡を想定しなければなりません。この数の柱穴を調べた担当者の苦労が偲ばれます。
『鹿児島県立埋蔵文化財センター発掘調査報告書』(162)「虎居城跡」