令和7年5月21日,肝付町立内之浦中学校で,1~2年生18名にワクワク考古楽出前授業を実施しました。今回は,修学旅行の事前授業として戦争遺跡と,肝付町に多く残る古墳について授業を行いました。
戦争遺跡について,かつて大隅半島には,オリンピック作戦に備えて敵艦との距離を測る観測所(トーチカ)が造られ,今も内之浦にも二連トーチカが残っていること,波見の砲台跡や小串の人間魚雷基地跡が残っていることを説明しました。生徒たちは身の回りに多くの戦跡があることに驚いていました。
また,昨年度まで発掘 調査を行った鹿屋市吾平に所在する名主原遺跡では,第2次世界大戦時の戦闘機の墜落跡が検出され,ジュラルミン製の機体の残骸や銃弾が発見されたことを紹介しました。生徒たちは,実際の銃弾を触ってとても驚いていましたが,戦争で使用されていた実物に触れて,それぞれ感じることがあったようです。
古墳については,肝付町で国指定史跡となっている塚崎古墳群を取り扱いました。塚崎古墳群には,大隅半島で最も古い前方後円墳があり,日本最南端で一番大きなものであることを紹介しました。また,古墳時代の肝付町には,中央勢力(畿内)と交流のあった有力者がいた可能性があることを紹介しました。
戦跡で紹介した名主原遺跡から出土した壺や甕,高坏等の土器や,石包丁等の石器を生徒たちに実際に手に取って観察してもらいました。土器の色の違いや土器成形のあと,また,どのように使用していたのか,友達と意見を交換する様子が見られました。
今回の学習が,地域にある遺跡や文化財に目を向けるきっかけになり,また身近な場所に戦争遺跡があることを知って,深い学びへつなげてもらえればと思います。
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