令和7年9月29日,ワクワク考古楽出前授業を,南九州市立高田小学校で行いました。今回は職員研修の一環として,教職員を対象に校区内の歴史について学ぶフィールドワークを実施しました。
まず,「川辺の大クス」がある飯倉神社で,落雷で分割された大クスを見学した後,神社本殿の石碑を見学しました。神社には中国製の石で作られた宋風獅子や馬上杯などがあり,海外との交易があったということに,先生方は驚いていました。また,神社からは南薩の山々や川辺城(現川辺小学校)が見え,この地の歴史を考える良い機会となりました。
次に,高田石切場を見学しました。ここで取れる石は灯篭などに利用されていて,切り出すときは柔らかく,切り出して使うと固く締まり,たたくとガラスのような音がします。この石は,約2万9千年前,姶良カルデラから噴出した入戸火砕流堆積物のやや溶結している部分で,小学校6年生で学習する「地層」の学習に絡めて,「人の歴史」ではなく「地球の歴史」として地域の地層を,授業にどう生かすかということを,先生方に考えてもらいました。
最後に大久保集落の公民館で,地域の偉人である東昇医学博士について,大久保集落の自治会長の東篤さんからお話を伺いました。東昇医学博士は,昭和16年に日本で初めてとなる電子顕微鏡を完成させ,日本のウィルス研究に貢献した人物です。自治会の住民が,地域の偉人を誇りとして,広報していることを知ることができました。
先生方が地域の歴史や文化財を積極的に学ぶことにより,地域に住む児童たちに,それが還元されます。今回の研修で,社会科・理科・総合的な学習の時間等で活用できるだけでなく,地域活動についても知ることができた大きな機会となりました。
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