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西南戦争を掘り,学ぶ(実践例4)

  • 西南戦争を掘り,学ぶ事業
  •  幕末に起こった日本近代化の波は,明治維新という大きな時代を動かして,国内最大の内戦と言われる西南戦争へと突き進んでいきました。鹿児島県は常にこの波の中心で,幕末は,まさに「躍動する薩摩の時代」であったといえます。
     日本の近代化をリードし,明治維新から西南戦争の舞台で活躍したふるさと鹿児島の先人たち。当時の実際の砲弾などの出土品を目の前にして,その先人たちの偉業にふれることで,子どもたちは,郷土の歴史をより深く理解することができます。
     このページでは,西南戦争関連遺跡の調査成果を活用した,学校での授業支援の様子を紹介します。

  • 【平成30年度の実践例4】
    奄美市立奄美小学校・朝日小学校での授業支援(平成30年11月21日実施)
     11月21日(水)に,奄美市の奄美小学校と朝日小学校6年生を対象に「ワクワク考古楽(授業支援)」を実施しました。
     平成28・29年度に埋蔵文化財センターが発掘調査を行った久慈白糖工場跡から出土したレンガを教室に持ち込み,奄美の白糖工場が,レンガ造りの建物としては日本最古級であったことを紹介しました。
     学習を終えて,子どもたちから,「奄美は昔から自然が豊かな島だと思っていたが,白糖工場のような近代的な工場が立っていたことに驚いた」や「奄美は田舎なので,将来大きくなったら島を早く出たいと思っていたが,近代化遺産があることを知って,島のことを誇りに思うようになった」という感想が出されました。「ワクワク考古楽」のねらいに迫ることができた授業支援になりました。
    本時案(※クリックすると本時案がダウンロードできます。)
     「ワクワク考古楽」は,学校だけでなく地域のさまざまな施設でも実施しています。
     11月16日(金)には,宇検村の生涯学習センター「元気の出る館」で,「ワクワク考古楽in宇検村」を実施しました。会には,宇検村内の田検・名柄・阿室の各中学校から36人の生徒が参加し,センター職員が,島内の発掘調査の成果をもとに,旧石器時代から近代までの奄美の人々の生活の様子を紹介しました。
     また,11月22日(木)には,県立奄美図書館で,地域の方々を対象に「ワクワク考古楽in奄美図書館」を実施しました。センター職員が,幕末から明治初期,奄美に作られた近代的な白糖工場跡の発掘調査の成果報告を行いました。
    「ワクワク考古楽in宇検村」の様子
     「ワクワク考古楽in奄美図書館」の様子

     県立埋蔵文化財センターでは,西南戦争関連遺跡の中から,「滝ノ上火薬製造所跡(鹿児島市)」(現在調査中),「高熊山激戦地跡(伊佐市)」,「笠取戦跡(霧島市)」,「岩川官軍墓地跡(曽於市)」を,順次,発掘調査する予定です。
     そして,遺跡近隣の小中学校,高等学校に埋文職員が出向いて,これらの発掘調査の成果をもとに,出土品を活用した授業支援を実施する予定です。
     また,実施した授業内容等をまとめた資料集(学習指導案を含む)も刊行する予定です。