鹿屋市立吾平小学校の遺跡見学
12月14日(土)に,吾平小学校の6年生50名が,久保田牧遺跡の見学に訪れました。
児童たちは,発掘調査の担当者から遺跡の説明を聞いたあと,まず,地層の見学を行いました。久保田牧遺跡では,鬼界カルデラ(約7,300年前)や池田カルデラ(約6,400年前)の火山灰層が見つかっています。理科の勉強で学んだ地層の積み重なりを,実際に目にすることができました。
次に,遺構の見学を行いました。古墳時代(約1,500年前)の竪穴住居跡では,その大きさに驚き,担当者の話から当時の人々の生活を思い浮かべることができたようです。
最後に,出土した遺物を間近で見たり,火山灰を顕微鏡で観察したりしました。
児童たちは,自分たちの学校の近くに遺跡があることを知り,地域の歴史により一層興味を持った様子でした。
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獅子島小・中学校での出前授業
11月18日(月)に,長島町立獅子島小学校と獅子島中学校で,出前授業を実施しました。
授業では,まず,埋蔵文化財センターの仕事内容について話をしました。次に,獅子島の鬼塚古墳を紹介しました。鬼塚古墳は,横穴式石室を有する高塚古墳で,7世紀ごろに造られました。その横穴石室の構造を,模型を使って説明しました。児童・生徒たちは,獅子島の文化財を改めて学習することで,郷土の歴史に関心を深めたようでした。
また,火おこし体験も行いました。児童・生徒たちは,初めての火おこし体験を楽しみながら取り組んでいました。
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国分高校生の発掘体験
11月15日(金),国分高校の1年生41名が,同校が取り組んでいるSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の一環として,鹿屋市吾平町の久保田牧遺跡で発掘体験を行いました。
生徒たちは,まず,発掘調査の担当者から遺跡の概要や調査方法について説明を受けました。この遺跡からは,鬼界カルデラ(約7,300年前)や池田カルデラ(約6,400年前)の火山灰層が見つかっていて,発見された竪穴住居跡や土器・石器などの年代を決めるカギとなっていることに感心していました。また,古代や中世の建物跡も,興味深かそうに観察していました。
次に,生徒たちは発掘作業を体験しました。「ねじり鎌」と「手み」を持って,少しずつ地面を掘り下げていきました。土器を見つけたときは,歓声をあげて喜んでいました。
今回の体験が,今後の学習につながることを期待します。
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縄文の森の紅葉
秋が深まり,上野原縄文の森の木々たちも,色鮮やかに紅葉を始めました。
お弁当やお茶を持って,家族や友達と縄文の森へ紅葉狩りに出かけませんか?
笠取戦跡の発掘調査
霧島市牧園町では,近年,地元の方々の調査により,西南戦争時に築かれた堡塁(ほうるい,敵の攻撃を防ぐために,石・土砂などで構築された陣地のこと)跡とされている場所が,数多く見つかっています。
その中の一つ,笠取戦跡(かさとりいくさあと)は,明治10(1877)年7月1日,横川方面が官軍に制圧されてしまったため,薩軍の辺見十郎太率いる雷撃隊などが陣を敷いたとされる場所です。今回の調査個所でも数基の堡塁が見つかっており,それらがどのように築かれたか,笠取戦の陣跡との関連も含め,トレンチ(確認のための溝)を掘って調査しています。
発掘調査は11月末で終了しますが,西南戦争の戦闘状況が明らかになるよう,ていねいに調査を進めていきます。
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久保田牧遺跡の現地説明会を実施しました
11月9日(土),鹿屋市吾平町麓にある,久保田牧遺跡の現地説明会を実施しました。
久保田牧遺跡は,大隅縦貫道の建設工事に伴い,発掘調査を行っている遺跡です。縄文時代中期(約5,000年~5,500年前)の落とし穴と思われる遺構や,古墳時代(約1,500年前)の堅穴住居跡群,古代(約1,000年~1,300年前)の掘立柱建物跡などが見つかっています。また,鬼界カルデラ(約7,300年前)・池田カルデラ(約6,400年前)の噴火活動の痕跡も見つかっています。
現地説明会では,これらの遺構や地層の説明,出土遺物の展示を行いました。
当日は午後からのみの開催でしたが,100名を超える参加者があり,多くの方に地域の歴史を直接感じていただくことができました。
埋蔵文化財センターでは,今後も遺跡の現地説明会を実施する予定です。興味がある方は,ぜひ,ご参加ください。
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国分高校での出前授業
11月8日(金)に,鹿児島県立国分高等学校で,出前授業を行いました。
今回の出前授業は,平成29年度の校舎改築に伴って実施された,「本御内(もとおさと)遺跡」の発掘調査の成果を紹介するものです。国分高校は,文科省からSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定を受けており,その一環として実施されました。
発掘調査の担当者が,調査で明らかになったことや,地域の歴史について講義を行いました。生徒たちにとって,自分の通っている高校の敷地から発掘された遺物等の説明を受けたことで,遺跡を身近に学ぶよい機会となりました。今後の研究に活かしてもらえればありがたいです。
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埋文センターの撮影スタジオ~「写場」
遺跡の発掘調査で発見された遺構や遺物は,整理作業を経て,発掘調査報告書で紹介されます。
掲載方法は,遺物や遺構を説明する文章や特徴を表した図面,そして,質感や形状,色を正確に伝える写真です。
埋蔵文化財センターには,「写場(しゃじょう)」という写真撮影専用のスタジオがあります。この写場は,撮影スタジオとしては,九州内でも有数の施設です。
通称「シノゴ」と呼ばれる大判フィルムカメラやデジタル一眼レフカメラ,専用の撮影台,複数の大型ストロボ。これらの機材を駆使して,職員が撮影しています。また,撮影した白黒フィルムは,写場内で現像もできます。
こうして撮影された写真は,報告書や展示図録等に使われるだけではなく,写真そのものが歴史資料としての「文化財」としての価値があります。そのため,写真撮影をする職員は,「文化財」の素晴らしさや魅力が伝わるように撮影技術を磨いています。
発掘調査報告書は,PDFをホームページで公開しています。その中の写真もぜひ,ご覧ください。

発掘調査に科学の力
遺跡の発掘調査は,掘ったらそれで終わりではありません。発掘後の整理作業で,どんな遺跡でどんな遺構や遺物がみつかったかを,様々な方法,ものの見方をとおして報告書にまとめます。
これら整理作業の中でも,最新の科学技術を活用して調査にあたる部署が埋蔵文化財センター内にあります。今回は,その部署について紹介します。
「精密分析室」
ここでは,理化学的な機器を使って出土した遺物などを様々な方法で分析しています。分析機器類には,遺物を拡大して観察できる顕微鏡や,成分を調べる蛍光X線分析装置などがあります。遺物がどのような方法で製作されたか,どんな素材でできているかが分かります。

「鉄器処理室」
遺跡の調査をしていると,鉄や銅でできた遺物や昔のお金が出土することがあります。鉄器処理室ではこれらに含まれる塩分や水分を除去して保存する作業を行っています。こうすることで,さびや風化から金属製品を守ることができます。

「木器処理室」
鹿児島県でも農具(のうぐ)や木簡(もっかん)などの木製品が出土しています。木器処理室ではこれらの木製品が乾燥したり変形したりして壊れてしまうのを防ぐために,薬品を使って処理しています。木製品に薬品をしみこませる作業は数か月から1年もの時間がかかります。

歴史だけでなく,科学に関心のある方も,埋蔵文化財センターを見学してみませんか。
第55回上野原縄文の森企画展講演会
9月28日,現在開催中の第55回上野原縄文の森企画展「新発見! かごしまの遺跡」の講演会がありました。
今回は,企画展開催地の上野原縄文の森から国分公民館に出張して実施しました。
講演会で紹介した遺跡は,「本御内遺跡(霧島市)」「六反ヶ丸遺跡(出水市)」です。
発掘調査を担当した県立埋蔵文化財センターと(公財)県文化振興財団埋蔵文化財調査センターの職員が,発掘時の様子や調査成果を報告しました。
また,会場には,それぞれの遺跡の出土遺物を間近で見ていただく展示コーナーも設け,好評でした。
参加者のみなさんは,両遺跡の報告を聞き,その発見に心を動かされた様子でした。
企画展は,上野原縄文の森で11月10日まで開催しています。今回紹介した遺跡以外にも,県内遺跡の最新の調査成果を展示しています。
ぜひ,上野原縄文の森までお越しください。