ワクワク考古楽出前授業~霧島市立国分小学校
1月28日,霧島市立国分小学校の6年生4クラスに,「ワクワク考古楽授業支援(出前授業)」を実施しました。
国分小学校と国分高校の運動場のある一帯は,島津義久が居城とした国分(舞鶴)城跡として有名です。また,縄文時代から近世までの複合遺跡「本御内(もとおさと)遺跡」でもあります。
授業内容は,まず,平成29年度に国分高校の校舎改築事業に伴い実施された,本御内遺跡の発掘調査成果の紹介を中心に行いました。子どもたちは,発掘調査で見つかった遺構の写真から,「昔から人々がここで暮らしていたんだ」,「授業で学習した,竪穴住居や掘立柱建物が見つかってるんだ」と歴史を実感していました。また,同じく発掘調査で見つかった土器や石器,陶磁器などの遺物を手に取ったり使い方を想像したりと,興味深そうにしていました。
次に,国分小学校に関連のある歴史や文化財について紹介しました。島津義久や島津亀寿(しまづかめじゅ,じめさあ)が国分(舞鶴)城に住んでいたこと,今も小学校に残る朱門の由来などを説明しました。
子どもたちは今回の出前授業を通して,授業で学んだ歴史が身近にあることを実感できたようでした。今後も校区や郷土の歴史・文化財について,関心をもってくれることを期待しています。
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志布志市立尾野見小学校での出前授業
11月17日,志布志市立尾野見小学校6年生に,ワクワク考古楽を実施しました。
始めに,県立埋蔵文化財センターの仕事と役割を説明しました。そして,その発掘調査の成果が,明治日本の産業革命遺産の世界文化遺産登録や,鹿児島(鶴丸)城の御楼門,上野原遺跡などの施設の復元に生かされていることを紹介しました
6年生は,社会科で明治維新前後の時代を学習中でしたので,西南戦争と関連する史跡で,近隣にある岩川官軍墓地(曽於市大隅町)の発掘調査成果を紹介しました。また,伊佐市大口の高熊山で出土した銃弾も紹介しました。実際に手に持ってみると,小さいわりにかなりの重さがあることに歴史を感じているようでした。
他にも,縄文時代の遺跡の発掘調査成果を紹介しましたが,本物の土器や石器に触れ,古代の人々の生活を想像しているようでした。特に,1年を1ミリの長さで表した年表巻物を作製し提示しましたが,教科書に載る歴史が17mで,そのうち縄文時代の長さが14mにもなることに驚いていました。
子どもたちが積極的に発表してくれて,とても授業の行いやすい雰囲気でした。
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曽於市立大隅中学校での出前授業
11月2日に,曽於市立大隅中学校でワクワク考古楽(出前授業)を学年ごとに実施しました。体育館で授業を行いましたが,少し肌寒い日で体育館の床も冷たく感じました。それでも生徒たちは,しっかりと私たちの話を聞いてくれました。
学習の内容は,まず県立埋蔵文化財センターの業務と役割を説明しました。その中で,上野原遺跡や鹿児島城の御楼門の復元,明治日本の産業革命遺産の世界遺産登録などに,発掘調査の成果が生かされていることを紹介しました。
次に,5月・6月に行った学校近くの岩川官軍墓地(西南戦争時の政府軍墓地)の調査を説明しました。西南戦争に関係する史跡が,身近な地域に残っていることに興味を持ってくれたのではないかと思います。
さらに,東九州自動車道建設に伴い発掘調査を行った定塚遺跡(曽於市大隅町)で出土した,本物の縄文時代の土器(角筒形やレモン形)や大きな石皿などを持っていき,紹介しました。生徒たちは実際に遺物に触れる活動を通して,歴史を感じているようでした。
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ワクワク考古楽in廣牧遺跡
10月21日,鹿屋市立吾平小学校の6年生が理科の授業の一環で,学校の近くで発掘調査を行っている廣牧遺跡の見学にやって来ました。今回のワクワク考古楽では,主に地層(土層)の成り立ちを学ぶ活動を中心に実施しました。
始めに,廣牧遺跡について紹介しました。発掘調査の様子を間近で見ることができ,昔の人々の暮らしの様子を聞いて,子どもたちは驚いていたようでした。
次に,6,400年前の池田火山灰(池田湖由来の火山灰),7,300年前のアカホヤ火山灰(鬼界カルデラ由来,現在の三島村硫黄島など)の地層を観察しました。子どもたちは,それぞれの火山灰の説明を興味深く聞いていました。
また,火山灰を採取したり,顕微鏡で観察したりしました。本物の火山灰に触れる活動を通して,理科の学習内容の定着に役立ったのではないでしょうか。
地層の学習以外にも,土器や石器などの遺物,実際の発掘調査についても質問があり,学習意欲の高さが伝わってきました。
今回の様に,学校の近くで発掘調査がある際は,学習の一環として見学が可能です。身近な遺跡を,ぜひご活用ください。
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曽於市立笠木小学校での出前授業
10月8日,曽於市立笠木小学校の5・6年生(8名)と3・4年生(11名)に,ワクワク考古楽(出前授業)を実施しました。
笠木小学校は,笠木遺跡の中にあり,校舎の建設に伴って2005年に調査が行われました。児童たちは自分たちの校舎が遺跡の上に建っていることを知ると,とても驚いていました。その時に出土した土器や石器を直接手に取って触れることで,より関心が深まった様でした。
また,5月に調査を行った岩川官軍墓地(曽於市大隅町)の調査成果を紹介しました。大隅町や笠木周辺で,西南戦争の戦いが行われていたことや,岩川に政府軍の墓地があることに興味津々でした。
その後,地層観察を行い,桜島や鬼界カルデラの火山灰が厚く積もっていることを調べたり,地層から土器を見つけたりと,理科や社会の学習に対しても理解が深まっていたようでした。
さらに,火起こし体験も楽しく行うことができました。
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指導案はこちらからダウンロードできます |
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大口高等学校での出前授業
7月29日(水),鹿児島県立大口高等学校の日本史専攻の3年生へ,「ワクワク考古楽(授業支援)」を実施しました。
昨年度,高熊山激戦地跡の発掘調査成果を学んだ生徒たちです。本年度は,「埋蔵文化財センターの役割と地域の遺跡を理解する」と題して,学習を行いました。
県立埋蔵文化財センターが発掘を行った鹿児島紡績所跡や,鹿児島市が発掘を行った旧紡績所技師館(異人館)の調査成果が,国の史跡指定や世界文化遺産決定などの際に,基礎資料となったことを紹介しました。
次に,伊佐市の遺跡を学びました。伊佐市は,古くから発掘調査が行われており,塞ノ神(せのかん)式土器といわれる,縄文時代早期の標式遺跡(特定の地域や時代・時期に流行した土器の特徴を示す契機となった遺跡)が存在し,考古学上非常に重要な遺跡が多くあることを学びました。また,下鶴遺跡から出土した土器などに触れ,時代による形や文様,焼き方の違いなどを感じていました。
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檍小学校での出前授業
7月16日(木),曽於市立檍小学校で,ワクワク考古楽(授業支援)を実施しました。
まず始めに,上野原遺跡の説明を行いました。上野原遺跡は縄文時代早期(約1万年前)の遺跡で,そのころとしては最大級の集落跡が発見されたことを紹介しました。また,鹿児島県内にある火山やその火山灰が,発掘調査において年代を調べるのにとても役立っていること説明しました。
次に,学校周辺の遺跡について紹介しました。子どもたちは,自分たちの知っている学校周辺や地域にいくつもの遺跡があることに驚いていました。自分の家が遺跡の範囲に入っているかどうかを確認しようと,興味津々と遺跡地図を見ていました。
最後に,以前発掘体験を行ったこともある,校区内の原村遺跡の発掘調査で出土した本物の土器や石器に触れ,手触りや重さ,加工の技術を実感することができました。中でも,九州で最も古い可能性のある磨製(みがいて作ること)の環状石製品を間近に見て,感動していました。
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南大隅町立佐多小学校での出前授業
6月24日,南大隅町立佐多小学校で,ワクワク考古楽(授業支援)を実施しました。
授業では,まず,埋蔵文化財センターの仕事の紹介を行いました。次に,縄文時代の衣・食・住について,県内の発掘調査で明らかになったことをもとに説明しました。
また,町内にある大泊貝塚について紹介し,身近な地域にも遺跡があること,出土した土器の形や模様から,約3,500年前に他の地域との交流の可能性があったことを知り,子どもたちは驚いていました。
そのあとも,大泊貝塚から出土した土器にふれたり,アカホヤ火山灰を顕微鏡で観察したりするなど,実物をもとに学習を進めました。地域の歴史を体感でき,興味・関心も高まったようでした。
※ 子どもたちの感想から
- 大泊に貝塚があることを初めて知って,そこから土器が見つかったことがすごいなと思いました。
- 縄文時代の物や火山灰などを見たりさわったりして,「昔はこんなものを使っていたんだな」と思いました。一番すごいなと思ったのは,アカホヤ火山灰が1メートルくらい積もったということです。
- 縄文時代の土器をさわることができて,よかったです。土器のもようがとてもすごかったです。
- 今回の授業で,歴史に関することに興味をもちました。
今回のように,授業支援の内容は,学校の要望に応じて地域の遺跡の紹介などを行うことも可能です。
授業支援を希望される学校は,埋蔵文化財センターまでご連絡ください。
詳しくは,こちらの「学校向け(授業支援・貸出事業)」のページをご覧ください。
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出水市立江内小学校での出前授業
6月19日(金),鹿児島県立埋蔵文化財センターの職員による「ワクワク考古楽」(授業支援)と(公財)上野原縄文の森の職員による「お出かけ探検隊」(体験活動)を合わせて,出水市立江内小学校で実施しました。
「ワクワク考古楽」では,出水市内にある出水貝塚や,江内小学校の近くにある江内貝塚について紹介し,縄文時代の人々がどのような生活をしていたかを説明しました。子どもたちは,貝塚から出土した骨から当時の人々がどのような動物を食べていたかが分ることに,驚き感心していました。また,本物の土器や石器を観察したり実際に触ったりする活動を通して,より深く歴史に興味・関心を持ったようでした。
「お出かけ探検隊」では,火起こし体験や竹細工を行いました。古代の人々の生活を体験して,生活の苦労や楽しさを学んでいたようでした。
今回の活動をきっかけとして,地域の遺跡に興味・関心を,さらにもってくれると嬉しいです。
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ワクワク考古楽in沖永良部
6月9・10日,沖永良部島の和泊町立和泊中学校と知名町立知名中学校で,「ワクワク考古楽」(授業支援)を実施しました。
授業では,まず,県内の主な遺跡・沖永良部島の遺跡や文化財の紹介を行いました。続けて,縄文時代の鬼界カルデラの噴火災害,縄文時代から古墳時代にかけての土器や石器の変化についても説明しました。生徒たちは,郷土の歴史や文化を学ぶことで,より地域に親しみを持つことができたようです。また,本物の土器や石器を手に取り触れることで,学習への意欲・関心も高まった様子でした。
埋蔵文化財センターでは,このような「ワクワク考古楽」(授業支援)を年間通して実施しています。ご希望される学校等がありましたら,メールや電話でご相談ください。
詳しくは,こちらの「学校向け(授業支援・貸出事業)」のページをご覧ください。



