令和5年1月20日に,上野原縄文の森で展示している「河口コレクション」コーナーの入れ替えを行いました。
今回は,「標式遺跡(特定の地域や時代・時期に流行した土器の特徴を示す契機となった遺跡)」をテーマに,河口氏が発掘調査を行った「前平遺跡(鹿児島市)」,「南洲神社遺跡(同市)」の2遺跡を紹介しています。
前平遺跡は,鹿児島市街地の吉野台地の前縁部,標高143mの独立丘陵上にあります。
昭和27(1952)年3月,河口氏は当時勤務していた玉龍高校の生徒の保護者が所有する畑が遺跡であることを聞き,生徒と共に現地の調査を行いました。アカホヤ火山灰下部の包含層から,縄文時代早期の土器を発見し,新発見の型式であったため「前平式土器」と名付けられました。
南洲神社遺跡は,前平遺跡の南南西約1km,標高50mの同じ丘陵上の縁辺部にあります。
昭和31(1956)年11月,河口氏は南洲神社墓地の西縁に残存する堤防上の包含層を発掘調査し,縄文時代早期の前平式土器や石鏃・石匙などを発見されました。
この遺跡から出土した前平式土器は,文様などの違いで分類ができる土器が含まれており,その後の土器型式の細分に影響を与えました。
その貴重な調査成果を,上野原縄文の森にてご覧ください。
展示期間
令和5年1月21日(土)~令和5年5月12日(金)