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カテゴリー: 河口コレクション

河口コレクション報告書から~「出水貝塚」について

 出水貝塚は,鹿児島県出水市中央町にある,縄文時代早期から後期の遺跡です。
 本貝塚は,1920年に初めて存在が確認され,1950年代に故河口貞徳氏を中心として発掘調査が行われました。

 本貝塚は,古くから出水式土器の標式遺跡(特定の地域や時代・時期に流行した土器の特徴を示す契機となった遺跡)として知られています。出水式土器は,縄文時代後期初頭に九州西部を中心として好んで用いられたと考えられています。

 貝層の上層から市来式土器・出水式土器等の縄文時代後期土器が,下層から南福寺式土器・阿高式土器等の縄文時代中期土器,さらに下層の黒色土層からは縄文時代早期の押型文土器が出土しており,縄文時代早期から後期土器の層位的な出土状況及び相対関係が把握できる重要な遺跡です。

 また,縄文時代中期・後期に埋葬された人骨も見つかっています。報告書では保存状態が良好な6体について述べられており,当時の縄文人の形質や埋葬方法を調べる上で貴重な遺跡といえます。

 今回紹介した県立埋蔵文化財センター発掘調査報告書(201)「出水貝塚」は,こちらからダウンロードできます。

出土した人骨
出水式土器
河口氏調査時野帳(記録)

 

令和2年度 第1回「河口コレクション」展示 ~洞穴遺跡~

 5月15日に,上野原縄文の森で展示している「河口コレクション」コーナーの入れ替えを行いました。

 日本考古学協会は,1962(昭和37)年,洞穴遺跡調査特別委員会を設置して全国各地の洞穴遺跡を発掘調査し,その成果は1967(昭和42)年に『日本の洞穴遺跡』として刊行されました。この中には,河口氏が中心となって調査した「黒川洞穴(日置市)」と「片野洞穴(志布志市)」が紹介されています。

 今回は,「河口コレクションの中の洞穴遺跡」と題して,前述の2遺跡に加え,「鍋谷洞窟(姶良市)」と,今年,4月28日付でその出土品が鹿児島県の指定文化財となった「中甫洞穴(知名町)」の4遺跡を紹介しています。

 洞穴遺跡は,土の堆積が緩やかであり,各時代の土層が細かく分かれているので,層ごとの遺構や遺物を把握しやすく編年研究に適しています。また,酸性の火山灰にさらされることが少ないので,人や動物の骨,骨角器や貝製品の残りが良く,情報量が豊富です。

 ぜひ,上野原縄文の森で,ご覧ください。

展示期間
令和2年5月16日(土)~令和2年9月18日(金)

令和元年度 第2回「河口コレクション」展示

9月21日に,上野原縄文の森で展示している「河口コレクション」コーナーの入れ替えを行いました。

今回は,「河口貞徳氏の軌跡2~昭和30年代の発掘調査~」と題して,「和田前遺跡(南九州市知覧町)」,「鍋谷洞窟(姶良市平松)」,「片野洞穴(志布志市志布志町)」の3遺跡を紹介しています。

「和田前遺跡」と「鍋谷洞窟」では,塞ノ神(せのかん)式土器という縄文時代早期の土器が出土しています。河口貞徳氏によって完全な形に復元された土器は,当時出版された書籍などで広く紹介されました。その土器を,今回展示しています。他にも,発掘調査当時の写真や図面の原図等も見ることができます。
ぜひ,上野原縄文の森までお越しください。

展示期間
令和元年9月21日(土)~令和2年1月18日(金)

「河口コレクションとは?」の疑問に答える! ~第1弾・山ノ口遺跡~

この報告書は,「河口コレクション整理活用事業」に伴い,平成28年度~29年度に整理作業を行った肝属郡錦江町馬場に所在する山ノ口遺跡の発掘調査の記録です。
山ノ口遺跡は,昭和33年~36年に故河口貞徳氏が主体となって,発掘調査が実施されました。南九州の弥生時代中期を代表する標式遺跡であるとともに,環状の配石遺構の周囲に岩偶などの軽石製品や孔が開けられた多数の土器などが出土した祭祀遺跡として学史的にも著名です。
報告書の中では,現代的な視点での山ノ口遺跡の再検討はもちろんのこと,河口氏の発掘調査歴一覧や氏所有の資料が寄贈されるまでの経緯,寄贈されたコレクションの内容なども掲載されています。まさに「河口貞徳コレクションとは何か?」という疑問に答えることができる報告書となっています。

※今回紹介した県立埋蔵文化財センター発掘調査報告書(195)「山ノ口遺跡」は,こちらからダウンロードできます。