市来貝塚は,縄文時代後期の南九州を代表する遺跡で,平成6(1994)年3月16日付で鹿児島県の史跡に指定されました。また,「市来式土器」の標式遺跡にもなっています。
過去7回にわたって実施された発掘調査のうち,昭和36(1961)年3月に実施された資料が『河口コレクション』に収められており,令和4年度に発掘調査の記録を刊行しました。
2つのトレンチからは,大量の貝類と共に縄文土器・土製品や石器・石製品,貝製品や骨角製品が数多く出土しました。また,埋葬遺構が見つかっており,検出された3体の人骨は,調査から60 年以上経過した今日においても,類例が少ない縄文人骨の検出例として極めて貴重な資料となっています。
令和5年7月22日(土)から,上野原縄文の森第67回企画展「新発見!かごしまの遺跡2023~発掘調査速報展~」において,その調査成果を展示・報告します。ぜひ,上野原縄文の森に来園されて,ご覧ください。
今回紹介した「市来(川上)貝塚」の発掘調査報告書は,以下のリンクからPDFデータでダウンロード・閲覧できます。