企画展内覧会
9月10日(木)に,第58回上野原縄文の森企画展「新発見! かごしまの遺跡2020 ~発掘調査速報展~」の内覧会が行われました。今回の企画展は昨年度,県立埋蔵文化財センターと(公財)埋蔵文化財調査センターが行った発掘調査や刊行した報告書から最新の調査成果を紹介・展示するものです。
内覧会では,掲示資料や遺物が来館者に分かりやすく,また,興味を持って見てもらえるような展示になっているかを確認をしていきます。確認の中で修正が必要なものがあれば,その都度作り直し,よりよい展示を完成させていきます。
第58回企画展は,9月12日(土)から11月8日(日)まで開催しています。ぜひ,上野原縄文の森で「最新の鹿児島の歴史」をご覧ください。
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令和2年度埋蔵文化財担当職員等講習会オンライン
文化庁主催の「埋蔵文化財担当職員等講習会」参加についての報告です。
この講習会は,国の埋蔵文化財保護行政に関する施策を紹介するとともに,地方公共団体における埋蔵文化財保護の取り組みについても広く紹介することで,各地の埋蔵文化財保護行政に活かしてもらうことを目的として年度ごとに開催されています。
これまでは国内各地で開催されていましたが,今年度は,新型コロナ感染症対策として,初のオンライン開催となりました。
8月26日(水),当センターもオンラインで参加し,センター職員等計17人が受講しました。
普段は通常業務の調整や旅費の関係で参加できなかった職員も,オンライン受講が可能となったことで多くのことを学べる講習会となり,有意義な時間を共有することができました。
また,資料は文化庁のホームページでも配布されていますので,興味のある方はご覧ください。
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発掘された日本列島2020展解説動画
現在開催中の「発掘された日本列島2020」展について,文化庁が江戸東京博物館の展示品の映像を撮影し,調査官による遺跡・遺物の解説動画をネット配信しています。
鹿児島県から出品した「鞍曲遺跡出土遺物」も,vol.2で紹介されています。ぜひ,ご覧ください。
解説動画は,下記のリンクからご視聴いただけます。
2,000年以上前の花が咲いています~大賀(おおが)ハス
上野原縄文の森の体験エリアにある古代池で,「大賀(おおが)ハス」の花が咲きました。
「大賀(おおが)ハス」とは,1951年に千葉県の落合遺跡で発掘された,今から2,000年以上前のハスの実で,植物学者の大賀一郎博士が発芽に成功したものです。
現代に蘇った古代の風景を見に来られませんか? 古代池の手前側で咲いています。今が見ごろです。
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久保田牧遺跡の発掘調査
久保田牧遺跡は,鹿屋市吾平町にある遺跡です。
大隅縦貫道(吾平道路)整備のため,昨年度に引き続き令和2年6月から発掘調査が始まりました。現在,古墳時代から中世の地層の調査を行っており,各時代の遺物が見つかっています。
このように久保田牧遺跡は,大隅半島中南部における先史・古代の人々の生活がうかがえる貴重な遺跡です。今後も,その調査成果に期待が高まります。
また,これからの時期の発掘調査は,熱中症対策が必要となります。さらに今年は,新型コロナウイルス感染症対策も重要です。暑さ対策・3密対策をとり,調査を進めていきます。
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これは何の卵でしょうか?
上野原縄文の森の体験広場や駐車場で,卵のようなものを見かけます。
これは,一体何の卵でしょうか。
その正体,実は,キノコです。その名も「キタマゴダケ」。
食用で味は美味しく,過去には食した職員もいたとか・・・。
【注意】
よく似たキノコに「タマゴタケモドキ」があります。こちらは毒キノコですので,お気を付けください。
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「鹿児島城跡(火除地跡)」の整理指導
「鹿児島城跡(火除地跡・ひよけちあと)」は,鹿児島市山下町にある遺跡です。遺跡は,城山の麓,鹿児島城の内堀と外堀間の御楼門正面に位置しており,御楼門との間には国道 10 号線が通っています。江戸時代の鹿児島城下絵図では 「明地」等と記されており,当時たびたび火災が発生したことにより,「火除地(火事での延焼防止のために設けられた空き地)」 とされました。
平成29年12月から平成30年2月まで,鹿児島第3合同庁舎整備事業に伴い,県立埋蔵文化財センターが発掘調査を行いました。現在,報告書刊行のために整理作業を進めています。
本遺跡では,近世の層から陶磁器や瓦等が出土しています。そこで,6月22日,陶磁器の専門家である鹿児島大学法文学部の渡辺芳郎教授に,出土した陶磁器について指導をいただきました。今回指導していただいたことを活かし,これからの整理作業を進めていきます。
このように,発掘調査報告書は,専門家の指導や多くの方々の協力によって出来上がります。
報告書は今年度末刊行されます。今回の指導内容を含め,その調査成果報告にご期待ください。
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まいぶんキット貸出事業
埋蔵文化財センターでは,学校の授業や郷土教育への取組を支援するため,本物の土器や石器などを貸し出し,教室で実際にふれることができる「まいぶんキット貸出事業」を実施しています。
今回,霧島市立青葉小学校と鹿児島市立伊敷台小学校から申し込みがあり,縄文時代・弥生時代の土器や石器などを貸し出しました。どちらの学校も,6年生の授業参観で活用したいということでした。子どもたちも本物を見て,触って感動したことと思いますが,保護者のみなさんも同じだったのではないでしょうか。
このように,埋蔵文化財センターでは,学校の要望に合わせて,土器や石器・陶磁器などの遺物を準備して貸し出しております。ぜひ,ご活用ください。
なお,受取・返却は,原則として当センター(霧島市国分上野原縄文の森)で直接行うことになりますので,ご了承ください。また,離島などで直接受け取ることが難しい場合は,宅配便などの利用も可能ですので,ご相談ください(送料等は学校側の負担でお願いします)。
詳しくは,学校向け(授業支援・貸出事業)のページをご覧ください。




西都原考古博物館への資料貸出
6月10日,宮崎県立西都原考古博物館が開催する国際交流展「青がつなぐもの ~高麗青磁と古代海洋交易~」の集荷作業がありました。
今回当センターから出品するのは,大坪遺跡(出水市)の越州窯系青磁,大島遺跡(薩摩川内市)の高麗青磁碗,芝原遺跡(南さつま市)の中岳産須恵器壺やカムィヤキなど計20点です。
交流展では,国内で出土した朝鮮半島製の陶磁器の展示や,生産・製作技術などを伝えた人々の交流について紹介されます。お近くにお寄りの際は,会場でご覧ください。
会場:
宮崎県立西都原考古博物館 地下1階展示場
期間:
令和2年7月11日㈯~9月6日㈰




報告書発送
5月20日,令和元年度に刊行した発掘調査報告書を,全国の関係機関に発送しました。
15遺跡(分冊があるので計17冊)の報告書をセットにして箱詰しましたが,その数は250箱近くになりました。箱詰めも大変な作業でしたが,収蔵庫からトラックに積むのもひと仕事でした。
これらの報告書は,全国の埋蔵文化財の研究機関や大学,鹿児島県内の市町村教育委員会などに届けられ,今後の研究に活用されます。
また,その報告書の内容は,埋蔵文化財センターのホームページでも公開しています。興味・関心がある方は,ぜひご覧ください。