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カテゴリー: 南の縄文調査室から

このページは、発掘調査・整理作業・報告書作成の様子や、埋蔵文化財センタ内ーのできごとを紹介します。

南の縄文調査室から平成26年10月

    • 平成26年10月28日(火)
    •  南の縄文調査室から見える景色 ~和紙照明~
     ここ,埋蔵文化財センターには,土器や石器などの遺物の他にも,みなさんにご紹介したいものがあります。それは・・
     それは,センターのエントランスの天井にぶら下がっている大きな和紙の照明です。
     この照明は,和紙アーティストの堀木エリ子さんの作品です。他にも千代田区庁や東京ミッドタウンにある和紙アートも堀木さんの手がけた作品です。この照明をお目当てに来館する方もたくさんいっらしゃいます。
     みなさんも,古代のロマンにときめいた後,縄文の森の自然と和紙の(あたた)かさにぜひ()やされてみてください。
     
  • 平成26年10月15日(水)  
  •  遺跡フォーラム2014を開催します ~「中世のかごしま」に迫ります!~
※ 終了しました。140名を超える方々にご参加いただきました。本当にありがとうございました。
 
 鹿児島県立埋蔵文化財センターでは,下記の日程で「かごしま遺跡フォーラム2014~発掘調査の成果からみえてきた中世のかごしま~」を開催します。
 
 ※ ポスターをクリックすると,PDFファイルでダウンロードできます。
 
【日時】 平成26年10月26日(日) 13:30~16:30
【場所】 鹿児島県歴史資料センター黎明館 講堂
【内容】 第1部 「発掘調査速報」
       ① 「知覧道路関係遺跡」(南九州市)
       ② 「永吉天神段遺跡」(大崎町)
     第2部 「発掘調査からみえる中世のかごしま」
       ① 「文献からみた中世のかごしま」
       ② 「発掘調査成果からみえてきた中世の薩摩半島」
       ③ 「発掘調査成果からみえてきた中世の大隅半島」
     第3部 「パネルディスカッション」
   
 今回で3回目となる遺跡フォーラムです。現在,黎明館で開催中の企画特別展「南からみる中世の世界~海に結ばれた琉球列島と南九州~」とタイアップし,文献や考古資料等,様々な側面から「中世のかごしま」にアプローチします。 
※過去のフォーラムの様子と当日の配付資料は,こちらからご覧いただけます。

南の縄文調査室から平成26年9月

  • 平成26年9月19日(金)
  •  センターの遺物,出張中! ~遺物が博物館に旅立つまで~
 埋蔵文化財センターが所蔵している遺物は,縄文の森展示館の常設展示室に展示されています。また,縄文の森が企画展を開催するときにも,センターの遺物をたくさん貸し出しています。センター所蔵の遺物を見るには,「縄文の森展示館に行くっきゃないでしょ!」なのですが,何をかくそう,「埋蔵文化財センターの遺物を借りたい!」という博物館は県内外を問わずとても多いんですよ。
 今回,遺物を貸し出すのは,鹿児島県歴史資料センター黎明館。黎明館の次の企画特別展に展示するために,200点以上の遺物を貸し出しました。どんな展示になるのか(遺物がどんな活躍をするのか),本当に楽しみです。
 黎明館企画特別展は9月27日(土)から始まります。詳しくは,黎明館ホームページ(鹿児島県のホームページにジャンプします)をチェック!埋蔵文化財センターから出張中の遺物をぜひご覧ください。
 ~遺物が旅立つまでの主な流れをまとめてみました~
 
①貸し出す前の資料の状態や,資料に漏れが無いか,借り手と貸し手の双方で確認します。 
②梱包と輸送は運送会社の美術専門の方にお願いします。
③資料が破損しないように梱包にも工夫が必要です。 
ケースに入れて準備します。  ④今回,全てで43箱分の段ボールになりました。 
   ↓
   
段ボール箱をトラックに詰め込んでいざ,出発! 
 

南の縄文調査室から平成26年8月

  • 平成26年8月5日(火)
  •  もう一つの上野原遺跡 ~埋蔵文化財センターのエントランス展示~
 月曜日に縄文の森へ行くと,森の展示館が開いてなくてがっかりという方もいらっしゃると思いますが,実は,埋蔵文化財センターのエントランスにもちょっとした展示コーナーがあるんですよ。ご存じでしたか?
 センターの展示コーナーでは,森の展示館とはちょっと違った趣向(しゅこう)による展示を心がけているところですが,現在,上野原遺跡から出土した「古墳時代」の遺物を展示しています。上野原遺跡といえば,縄文の森の名前の通り,「縄文時代早期」の人々の生活が注目されがちですが,古墳時代の出土品は,ここ上野原台地に人々の営みが脈々と受け継がれていったということをわたしたちに教えてくれます。
 森の展示館とはひと味違った「もう一つの上野原遺跡」を,センターのエントランスでぜひご覧ください。
 
古墳時代の出土品(土器は4世紀の東原式(ひがしばるしき)土器)
   
 
センターのエントランス展示コーナー(玄関を入って右手側) 
 
   
中央廊下には,現在開催中の企画展に関連する写真を展示しています。 
 
 ※ 上野原遺跡は,「上野原遺跡の紹介」のなかでに,詳しく紹介されています。ぜひご覧ください。  
 ※ 埋蔵文化財センターの休所日は,土・日曜日,祝日,12月29日~1月3日です。

南の縄文調査室から平成26年3月

  • 平成26年3月14日(金)
  • 入来Ⅰ式土器稲荷迫(いなりざこ)遺跡:志布志(しぶし)町)
  •                                      【弥生時代中期:約2,300年前】
 3月は旧暦で「弥生」といいます。弥生という言葉は,本来,「草木がだんだん芽吹く月」という意味があるそうで,フレッシュな春を表すのにぴったりの言葉です。
 さて,考古学の世界にも,「弥生」という言葉がつくものがあります。今回ご紹介する「入来Ⅰ式土器」は,「弥生土器」の一つです。この土器は,日置市吹上町の入来遺跡で最初に出土したので,この名前がつけられました。入来遺跡は吹上高校社会研究部の高校生たちによって発見され,以来,多くの有志者の無償の研究活動によって調査が進められました。
 
   
 ※ 入来遺跡は,「先史・古代の鹿児島」のなかで,詳しく紹介されています。ぜひご覧ください。  

南の縄文調査室から平成26年1月

  • 平成26年1月9日(木)

  • 桜島大正大噴火(さくらじまたいしょうだいふんか)から100年軽石製垂飾品(かるいしせいすいしょくひん)(山ノ中遺跡:鹿児島市)
  •                                      【縄文時代後期:約4,000年前】

  2014(平成26)年1月12日は,桜島の大正大噴火からちょうど100年にあたる日です。桜島は,かつては文字通り錦江湾(きんこうわん)()かぶ「島」でしたが,この大噴火で大隅半島(おおすみはんとう)陸続(りくつづ)きになりました。
 桜島は,有史以前(ゆうしいぜん)から,たびたび大噴火し,大きな災害(さいがい)をもたらしてきました。そして,時には(とうと)人命(じんめい)をも(うば)ってきました。
 そのような中,縄文の人々は,この桜島の噴火の痕跡(こんせき)である軽石を,写真(しゃしん)のような装飾品(そうしょくひん)生活道具(せいかつどうぐ)などの材料(ざいりょう)にして,たくましく()()いてきました。
 
 
 穴にひもを通して使っていたのでしょうか。 大正噴火の火山灰の剥ぎ取り資料も展示中です。
   
 ※ 山ノ中遺跡は,「先史・古代の鹿児島」のなかで,詳しく紹介されています。ぜひご覧ください。  



  • 平成26年1月16日(木)
  • 収納場所確保(しゅうのうばしょかくほ)()(ふだ)に!~ビニールハウスを用いた木器(もっき)の収納~

  ()えることはあっても,()ることはない」収蔵遺物(しゅうぞういぶつ)。増え(つづ)ける遺物の収納場所の確保に,(あたま)(かか)えている施設(しせつ)も多いのではないでしょうか?  当センターも,一般収蔵庫(いっぱんしゅうぞうこ)では管理(かんり)(むずか)しい遺物の収納方法をいろいろ模索(もさく)してきました。その一つが,写真(しゃしん)のようなビニールハウスを用いた木器の収納です。温湿計(おんしつけい)除湿器(じょしつき)設置(せっち)し,毎日,温度と湿度の管理を続けています。もう一年近く,このビニールハウスによる木器の収納を続けていますが,想像以上(そうぞういじょう)に温度や湿度をコントロールすることができていて,木器収納の一つの方法として実績(じっせき)を上げつつあります。
   
 収蔵庫2階に2棟設置しています。  目張りをして,湿気やほこりなどの侵入を防ぎます。
   
 その日の湿度に応じて除湿器を稼働させます。  毎日この観察簿に記録しています。

南の縄文調査室から平成25年12月

  • 平成25年12月10日(火)

  • もうすぐクリスマス  ~奄美(あまみ)長浜金久(ながはまかねく)・下山田Ⅱ遺跡 嘉徳(かとく)式土器~
  •                                            (縄文時代後期:約3800年前)

  嘉徳式土器は,奄美大島などの南島で多く出土する土器です。写真の2つの土器は昭和63年に開港(かいこう)した奄美空港建設(けんせつ)の際に発見されたものです。上から見ると口縁(こうえん)の部分が四角く,底が平らになっています。四角に広がる口縁部の形がショーケースの毛氈(もうせん)の赤と(あい)まって,ポインセチアの花のように見えるのは私だけでしょうか?そういえば,もうすぐクリスマス。奄美群島が日本に復帰(ふっき)したのも,今から60年前の1953年12月25日。そう,クリスマスの日のことでした。
   
 南西諸島特有(とくゆう)の赤い色をしています。 上から見ると,口縁部が四角に広がっています。 

南の縄文調査室から平成25年10月

  • 平成25年10月10日(木)

     世界遺産登録(せかいいさんとうろく)から20周年(しゅうねん)  ~屋久島(やくしま) 一湊松山遺跡(いっそうまつやまいせき)曽畑式(そばたしき)土器~

  屋久島が,姫路城(ひめじじょう)法隆寺(ほうりゅうじ)白神(しらかみ)山地とともに,日本で初めて世界遺産に登録されてから今年で20周年を(むか)えます。
 屋久島は「洋上(ようじょう)アルプス」にも(たと)えられ,中央部(ちゅうおうぶ)には九州最高峰(きゅうしゅうさいこうほう)宮之浦岳(みやのうらだけ)(1,935m)がそびえ立っています。また,1,000m~1,900m級の山々には縄文杉(じょうもんすぎ)に代表されるヤクスギやヤクシマシャクナゲなど,屋久島固有(こゆう)植物(しょくぶつ)生息(せいそく)しており,(うつく)しく自然豊(しぜんゆた)かな島です。
 写真の曽畑式土器は,屋久島の北にある一湊松山遺跡から数多く出土した土器です。島内(とうない)では産出(さんしゅつ)しない滑石(かっせき)と呼ばれる鉱物(こうぶつ)(ふく)み,すべすべした触感(しょっかん)ときらきらした胎土(たいど)特徴(とくちょう)の土器です。見る角度(かくど)によってきらきらと(かがや)くさまは,神秘(しんぴ)の島「屋久島」を象徴(しょうちょう)しているかのようです。
 
   
曽畑式土器(2階廊下に展示中です) 曽畑式土器(口縁部の拡大)

南の縄文調査室から平成25年9月

  • 平成25年9月30日(月)

    (しゅく)世界文化遺産推薦決定(せかいぶんかいさんすいせんけってい) ~明治(めいじ)日本の産業革命(さんぎょうかくめい) 九州・山口と関連地域(かんれんちいき)

  9月17日,「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」がユネスコの世界文化遺産へ推薦されることが発表(はっぴょう)されました。順調(じゅんちょう)にいけば,2015年には「世界文化遺産」として登録(とうろく)されます。
 埋文センターでは,2011年に,今回推薦される遺産群(いさんぐん)の中の,鹿児島紡績所跡(かごしまぼうせきじょあと)などの発掘調査を行いました。写真は,鹿児島紡績所跡で出土(しゅつど)した耐火(たいか)レンガです。当時作られた反射炉(はんしゃろ)や建物などに関するレンガではないかと考えられています。まさに,幕末(ばくまつ)から明治にかけて日本の重工業発展(じゅうこうぎょうはってん)(いしずえ)(ささ)えたレンガといえるでしょう。
     
出土した耐火レンガ 調査時の鹿児島紡績所跡 2階廊下に展示中です

南の縄文調査室から平成25年8月

  • 平成25年9月6日(金)

    インサイド オブ 企画展! ~南の縄文調査室のお仕事4「縄文の森との連携(れんけい)」~

  ただ 今,南の縄文調査室は, 9月13日(金)から始まる第37回企画展の準備(じゅんび)()最中(さいちゅう)です。今回の企画展では,昨年度(さくねんど)発掘調査(はっくつちょうさ)が行われたり報告書(ほうこくしょ)刊行(かんこう)されたりした遺跡を取り上げ,最新の調査成果(せいか)(あま)すことなく紹介(しょうかい)します。まさに「いちばん新しいかごしまの昔」満載(まんさい)の企画展です。
 さて,左下の写真は,企画展に展示する「連穴土坑(れんけつどこう)」の実物大模型(じつぶつだいもけい)製作(せいさく)しているところです。2.2×0.5×0.8(m)大型(おおがた)模型です。実測図(じっそくず)をもとに型を()こし,土の質感(しつかん)にもとことんこだわった,リアルな模型です。
 また,真ん中の写真は,今回の企画展で紹介する遺跡の概要(がいよう)をまとめたパネルを(うつ)したものです。これも,調査室で作成(せいさく)しています。内容(ないよう)正確(せいかく)さやわかりやすさはもちろんですが,フォントやレイアウトなどのデザインにもこだわっています。何度(なんども)も何度も修正(しゅうせい)(かさ)ねて完成度(かんせいど)(たか)めています。
 このほかにも展示する遺物(いぶつ)をピックアップし収蔵庫(しゅうぞうこ)から集めてくるのも,調査室の仕事です。右下の写真は,収蔵庫内で出番(でばん)を待っている遺物たちです。
 企画展は,おとなりの上野原縄文の森で開催(かいさい)されますが,調査室は縄文の森と連携しながら,企画展の企画運営(うんえい)(たずさわ)わっています。「インサイド オブ 企画展!」,企画展の裏側(うらがわ)に南の縄文調査室があります。
     
でき具合はぜひは企画展で! 並べてレイアウトを検討中です 静かに出番を待ちます…

南の縄文調査室から平成25年7月

  • 平成25年7月11日(木)

    館内展示(かんないてんじ)を入れ()え中です… ~南の縄文調査室のお仕事3「館内展示」~

   県立埋蔵文化財センターには,館内展示スペースとして,エントランスの展示コーナーと,館内6カ所の掲示板(けいじばん),2階調査室(ちょうさしつ)前の展示ケース1台があります。その展示の企画(きかく)()()えは,(みなみ)縄文調査室(じょうもんちょうさしつ)職員(しょくいん)担当(たんとう)しています。
 現在(げんざい),館内の展示をリニューアル中です。エントランスの展示コーナーには新たに展示ケースを2台設置(せっち)し,本物の土器や石器をさらに多く展示しています。
 また,館内6カ所の掲示板もリニューアル。1階の掲示板では,今年4月に発足(ほっそく)した(公財)埋蔵文化財調査センターの業務(ぎょうむ)紹介(しょうかい)しています。2階の掲示板では,東日本大震災復興支援(ひがしにほんだいしんさいふっこうしえん)のため被災地(ひさいち)(おもむ)いている当センター職員の活躍(かつやく)様子(ようす)を「東北(とうほく)だより」として紹介しています。
 もうすぐ夏休み。埋蔵文化財センターでは館内展示を(あら)たにして,皆様(みなさま)のご来館(らいかん)をお()ちしています。
     
エントランスの新しい展示ケース 1階掲示板「調査センター発足」 2階掲示板「東北だより」



平成25年7月18日(木)

この(あつ)さで()けてしまったのでしょうか? ~(なぞ)の「トロトロ石器(せっき)」~


  梅雨(つゆ)()け,夏本番(なつほんばん)季節(きせつ)となりました。野外(やがい)発掘調査(はっくつちょうさ)をしていると,この暑さで身体(からだ)まで溶けてしまいそうになります。
 写真(しゃしん)の石器は,縄文時代(じょうもんじだい)の石器で,形は石鏃(せきぞく)()ていますが,表面(ひょうめん)(ねつ)でとろっと溶けたようになっています。熱で溶けたわけではありませんが、見た感じで「トロトロ石器」と()ばれています。この「トロトロ石器」は,県内(けんない)でも上野原遺跡(うえのはらいせき)をはじめ十数カ所の遺跡からしか見つかっていません。また,縄文時代早期(そうき)(約8,000年前)の押型文(おしがたもん)土器と一緒(いっしょ)出土(しゅつど)することが多いということぐらいしかわかっておらず,何のために作られたのかははっきりしていません。
 でも,よく見ると,この「トロトロ石器」,形が超有名(ちょうゆうめい)なオバケ漫画(まんが)登場人物(とうじょうじんぶつ)に似ていると思いませんか?オバケだけに(なぞ)だらけなのかもしれませんね。
     
「トロトロ石器」のそろい()  あのアメリカオバケに似てません? 2階調査室前に展示中です