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カテゴリー: 南の縄文調査室から

このページは、発掘調査・整理作業・報告書作成の様子や、埋蔵文化財センタ内ーのできごとを紹介します。

「ようじょう」は「洋上」ではなく・・・

遺跡の発掘調査で「ようじょう」という単語を耳にすることがあります。
漢字では「洋上」ではなく,「養生」と書きます。

遺跡の発掘調査は,ほとんどが長期に渡ります。調査期間中にみつかった遺構や遺物の乾燥を防いだり,降雨で流されないようにするためにブルーシートやコンパネを使って覆い,保護したりします。それを「養生」といいます。

特に夏の時期は,暑さによる地面の乾燥やひび割れ,台風等の大雨による水害が多くなります。このためほぼ毎日,1日の作業の終わりには「養生」をして終了します。

発掘作業には,このような細かな対策も必要です。見つかった遺構や遺物を大切に守っているのです。

海に見えますが,ブルーシートです

水をまいて,乾燥を防ぎます

溝や遺物を保護するためコンパネでフタをします

最後にブルーシートを被せていきます

 

上野原縄文の森入園者250万人突破記念

2023年7月7日,上野原縄文の森が開園してからの来園者が250万人を突破しました。その幸運な来園者となったのは,さつま町立柏原小学校の児童たちでした。

同校の児童は,先月,校区内の大願寺跡で発掘体験をしたばかり。なんとも素晴らしい偶然です。

250万人目とその前後の児童には,記念品として上野原遺跡で出土した土器のレプリカが贈られました。また,ほかの児童たちにも記念品がプレゼントされました。きっといい思い出になったことでしょう。

これからも300万人,400万人と続くことを期待しています。

250万人突破記念の瞬間

くす玉を割ってお祝い

園長から250万人目の記念証が贈られました

前後の子どもにも土器のレプリカが贈られました

 

大願寺跡現地説明会

6月24日,大願寺跡(さつま町柏原)の現地説明会を行いました。

大願寺は1361年に創建されたと考えられている寺院で,この一帯を治めていた祁答院(けどういん)氏の菩提寺(ぼだいじ)です。

今回の調査は,「廃寺は語る」よみがえる鹿児島の仏教文化事業の一環として実施しました。トレンチ(遺跡の時代や遺構の分布などを確認するために,範囲を限定して掘り下げる溝)を4か所設定しました。その結果,土坑や溝跡,中世・近世のピット(柱穴)などの遺構,陶器などの遺物,縄文時代早期の土器を確認しました。

現地説明会ではこれらの成果を説明するとともに,大願寺の薬師堂跡や開山堂跡へ歩いてまわり,県指定文化財の石塔群についても紹介しました。

今回の説明会に40人の参加をいただきました。近隣の方々が多く,担当者の説明を聞きながら地域の歴史を再確認されていました。また,参加者から「近くにこんな場所もありますよ」など,新しい情報を教えていただきました。今後の調査や整理作業の参考にしたいと思います。

所長あいさつ

トレンチごとに調査成果を説明

礎石が残る鐘つき堂跡

石塔が立ち並ぶ薬師堂跡

大願寺の住職の墓塔が建つ開山堂跡

 

 

報告書発送

6月21日,令和4年度に鹿児島県立埋蔵文化財センターと鹿児島県文化振興財団埋蔵文化財調査センターが刊行した発掘調査報告書の発送作業を行いました。

全9遺跡14冊(分冊含む)をセットにして段ボール箱に詰め,運送業者に引き渡しました。その数およそ260箱。

発送先は国立国会図書館や文化庁,大学など関係機関,県内外の教育委員会などです。各都道府県に行き渡り,活用していただけるようにしました。担当者のみなさま,到着するまで今しばらくお待ちください。

またこれらの報告書は,埋蔵文化財センターのホームページからPDF形式でダウンロード・閲覧できます。以下のリンクからご覧ください。

https://www.jomon-no-mori.jp/bunkazai-center/list/

段ボール箱に詰めて発送します

台車に移し替えて,運び出します

14冊の報告書,実はかなりの重量があります

配送業者のトラックに積み込み,いざ出発!

 

全国公立埋蔵文化財センター連絡協議会総会

令和5年6月8日,「全国公立埋蔵文化財センター連絡協議会」総会が,鹿児島市のサンロイヤルホテルで開催されました。

「全国公立埋蔵文化財センター連絡協議会」は,全国の自治体設立による埋蔵文化財センターや出土品管理センターなどが参加し,埋蔵文化財の保護・活用・調査研究の充実と情報交換や交流を目的として設立された組織です。

令和元年度から鹿児島県立埋蔵文化財センターが会長及び事務局を務めてきましたが,今回はその任期の最後の行事として,総会を開催しました。

全国各地の加盟機関が集まり,総会において令和4年度の事業報告や令和5年度の事業計画,次期事務局への引継ぎなどが行われました。

また,総会の中で,文化庁主任文化財調査官の近江俊秀氏による記念講演「埋蔵文化財保護行政の現状と課題」,鹿児島県文化財保護審議会会長の本田道輝氏による特別講演「南の考古学と埋蔵文化財保護行政の振興」がありました。

総会後は情報交換会が行われ,食事や鹿児島の焼酎を味わいながら,交流を深めることができました。

翌日の6月9日は,鹿児島城跡の御楼門や鹿児島県歴史・美術センター黎明館の視察見学を実施しました。参加された方々は,鹿児島の歴史や文化について理解を深められたようでした。

今回の総会を以って会長の役目を終えましたが,これからも各地の加盟機関と連携を図りながら,埋蔵文化財の保護・活用・調査研究の充実を進めてまいります。

総会の様子

会長の中村所長あいさつ

鹿児島県教育委員会の地頭所教育長あいさつ

近江主任文化財調査官による特別講演

本田道輝氏による記念講演

情報交換会の様子

鹿児島城跡御楼門の見学

 

 

発掘調査が始まりました~名主原遺跡(鹿屋市吾平町)~

令和5年5月,鹿屋市吾平町の名主原遺跡で発掘調査を開始しました。

昨年度は,古墳時代の花弁形建物跡や土器・石器がみつかっています。また,石包丁や砥石も出土しており,稲作を行っていた可能性が考えられます。

今年度の調査でも更に建物跡や溝跡,多くの土器や石器などが見つかっており,今後の成果が期待されます。

発掘作業の様子

土器が多く出土しています

建物跡も見つかっています

 

令和4年度業務報告会

2月27日(月),令和4年度の業務報告会を実施しました。業務報告会とは,鹿児島県立埋蔵文化財センターと(公財)埋蔵文化財調査センターが今年度行った発掘調査の概要や,報告書を刊行した遺跡の成果を紹介するものです。参加者は両センターの職員を始め,調査指導者や市町村の文化財担当職員など約70人で,会場およびオンラインで行いました。

今年度は,発掘調査を行った遺跡の「立塚遺跡(鹿屋市」と「六反ヶ丸遺跡(出水市)」を,報告書刊行した遺跡の「市来貝塚(いちき串木野市)」,「川久保遺跡(鹿屋市)」の報告を行いました。各遺跡の注目される成果が紹介され,最新の発掘調査・整理作業の報告を職員及び参加者たちは聞き入っていました。

会場の様子

埋蔵文化財センター所長あいさつ

立塚遺跡報告

市来貝塚報告

六反ヶ丸遺跡報告

川久保遺跡報告

 

文化財防火デーに避難訓練

1月26日は,文化財防火デーです。
埋蔵文化財センターでもこの日にあわせて,文化財を,そして自分たちの命を守るために,毎年訓練を行っています。

今年は図書室から出火した想定で,訓練を行いました。
初期消火活動や,所内職員および来所者への連絡,重要遺物の防火確認,屋外への避難などを,スムーズに行うことができました。

またその後は,職員で消火訓練も行い,万が一に備えて有意義な訓練ができました。

消火器による初期消火

落ち着いて屋外へ避難

避難場所での人数確認

水消火器による消火訓練

白銀の上野原

令和5年1月25日,朝,上野原縄文の森は雪に覆われました。

普段見慣れている景色が違って見えました。

復元住居も雪で覆われました

日光と反対側に雪が残っています

森一面に雪が積もりました

橋の上もきれいに積もっています

雪の上に小さな足跡。主はだれかな。
お昼前にはだいぶ溶けてきました