発掘調査が始まりました~名主原遺跡(鹿屋市吾平町)~
令和5年5月,鹿屋市吾平町の名主原遺跡で発掘調査を開始しました。
昨年度は,古墳時代の花弁形建物跡や土器・石器がみつかっています。また,石包丁や砥石も出土しており,稲作を行っていた可能性が考えられます。
今年度の調査でも更に建物跡や溝跡,多くの土器や石器などが見つかっており,今後の成果が期待されます。
立塚遺跡3D
令和4年度業務報告会
2月27日(月),令和4年度の業務報告会を実施しました。業務報告会とは,鹿児島県立埋蔵文化財センターと(公財)埋蔵文化財調査センターが今年度行った発掘調査の概要や,報告書を刊行した遺跡の成果を紹介するものです。参加者は両センターの職員を始め,調査指導者や市町村の文化財担当職員など約70人で,会場およびオンラインで行いました。
今年度は,発掘調査を行った遺跡の「立塚遺跡(鹿屋市」と「六反ヶ丸遺跡(出水市)」を,報告書刊行した遺跡の「市来貝塚(いちき串木野市)」,「川久保遺跡(鹿屋市)」の報告を行いました。各遺跡の注目される成果が紹介され,最新の発掘調査・整理作業の報告を職員及び参加者たちは聞き入っていました。
文化財防火デーに避難訓練
1月26日は,文化財防火デーです。
埋蔵文化財センターでもこの日にあわせて,文化財を,そして自分たちの命を守るために,毎年訓練を行っています。
今年は図書室から出火した想定で,訓練を行いました。
初期消火活動や,所内職員および来所者への連絡,重要遺物の防火確認,屋外への避難などを,スムーズに行うことができました。
またその後は,職員で消火訓練も行い,万が一に備えて有意義な訓練ができました。
白銀の上野原
令和5年1月25日,朝,上野原縄文の森は雪に覆われました。
普段見慣れている景色が違って見えました。
さつま町郷土史研究会の虎居城跡見学
令和5年1月20日(金)にさつま町郷土史研究会の方々が,虎居城跡発掘調査の見学に来られました。
まず,出土した遺物を紹介し,手に取って触れてもらいました。今回の調査で出土した遺物は15世紀代の青磁をはじめ,特に16世紀代の景徳鎮窯系の白磁の皿や青花の碗,福建・広東地方(漳州窯系など)などの中国製の輸入陶磁器が中心で,それら遺物の年代から推定される在城者が島津歳久や島津忠長であることに感心していました。
実際の発掘現場では,近世以降に作られたと考えられる石垣を見学し,宮之城島津家や菩提寺である宗功寺との関係に興味を抱いておられました。
虎居城の主郭にあたる松社城跡では,石塁や土塁により方形に区画された曲輪の配置が室町時代以降の伝統的な区割りであり,鎮座する大石は川内川河口域や紫尾山から運ばれたと考えられ,庭園の景石の可能性があることを説明しました。
今後,さつま町の歴史を語る上で参考になればと思います。
(写真提供:さつま町教育委員会)