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カテゴリー: 鹿児島城便り

 島津氏の居城である鹿児島(鶴丸)城跡は,石垣修復工事に伴う発掘調査を実施しました。調査結果から,近世薩摩藩の政治・文化の中心地として,さらに西南戦争の激戦地としての様相が少しずつ明らかになってきました。
 このページでは,鹿児島城跡の発掘調査・整理作業の様子を随時紹介していきます。

鹿児島(鶴丸)城跡の調査開始

 6月1日(月),令和2年度の鹿児島(鶴丸)城跡の発掘調査が始まりました。

 今回は,北御門周辺の石垣修復工事等に伴う調査となります。石垣の解体・修復工事と同時進行で,どのような地形を利用して石垣を築いているかといった土地利用の方法や,石垣の背後や下部がどのようになっているかといった石垣の構造(造り方)などを調べていきます。
 どのような調査成果が得られるか,楽しみです。

完成した御楼門
修復を行う北御門の堀
工事・調査箇所の事前確認

鹿児島城跡の発掘調査が始まりました

鹿児島城跡の発掘調査が7月から始まりました。

前年度までの調査と同じように,トレンチ(確認箇所)を設定して掘り下げ,遺構がどの程度どれくらいの深さで残っているかを調査して記録します。今年度は,黎明館城山側や黎明館と国道10号との間を調査する予定です。

現在,鹿児島城跡の正面では御楼門建設が進んでおり,7月29日(月)には上棟式が行われました。復元に当たっては,御楼門の基礎部分や屋根を飾る鬼瓦など,これまでの発掘調査の成果も取り入れられています。

これからの発掘作業は暑さ対策も大切になってきます。体調管理に十分気をつけながら調査を進めていきます。

調査風景(黎明館の城山側)
地下レーダーを使った調査(黎明館駐車場)
昨年度までに見つかった瓦

 

 

 

 

鹿児島城の瓦の整理指導

鹿児島城跡の調査では,たくさんの瓦が出土しています。現在復元中の御楼門に使われていたと思われる瓦も見つかっています。瓦もその種類は様々で,軒丸瓦・軒平瓦・小菊瓦・鬼瓦などがあります。また,時代ごとに特徴が少しずつ違うため,それらの分類が重要になってきます。そこで,6月10・11日に,瓦の研究者である金子智氏を招いて瓦の分類や作成技術についての指導をいただきました。

このように,遺跡の発掘調査報告書は,作成担当者をはじめ多くの方々の協力によって出来上がります。

鹿児島城跡の発掘調査報告書の第一弾は,今年度刊行予定です。今回の指導内容も含め,発掘調査の成果報告にご期待ください。

鹿児島城跡で整理作業を行っています

今年度の鹿児島城跡の発掘調査は,整理作業も同時に行っています。なんと,発掘現場で整理作業をしています。これまでの調査で見つかった遺物(瓦など)の水洗い,接合を主に行っています。
また,瓦の専門家の先生もお招きし,鹿児島城跡で見つかった瓦を見ていただきました。復元される御楼門の瓦の選定の参考にする予定です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鹿児島(鶴丸)城跡現地説明会を開催しました!

2月24日(土)に,鹿児島(鶴丸)城跡にて,明治維新150周年記念鹿児島(鶴丸)城跡現地説明会を開催しました。
午後だけの開催にもかかわらず,452名という多くの県民のみなさまに参加していただきました。

当日の見学コース※上の画像をクリックするとダウンロードできます。

鬼瓦,「発掘された日本列島2017」展に出張中

下の3枚の写真は,これまでに鹿児島城跡で出土した遺物です。ただ今,「発掘された日本列島2017」展(文化庁主催)で巡回展示中です。(現在は終了しています)

鬼瓦:排水溝から出土。憤怒の表情が表現されている。高さ29㎝,幅38.8㎝,重さ約10kg。

 

銃弾と砲弾:上の3点は戊辰戦争から西南戦争まで広く使われた四斤砲の榴弾破片。下の4点は銃弾。

 

薩摩焼:本丸跡から出土。奥は杓立(しゃくたて)。口径5.4㎝,器高19㎝。

今が見ごろです~調査担当者から写真が送ってきました~

鹿児島城跡の調査担当者から,近況を知らせる写真が届きました。
鹿児島城跡は,今,ハスの見ごろを迎えています。今年も綺麗な花を咲かせてくれました。

修復工事のほうも着々と進んでいます。見違えるほど奇麗になりました。
横矢掛り跡部分(黎明館を正面にして右手側の石垣の上):下の写真の青丸部分
枡形部分(黎明館を正面にして正面部分の石垣の上):下の写真の赤丸部分
鹿児島城跡航空写真(平成28年9月14日撮影)

 

「今何時?」「ちょっと待ってて」「まだ早い」 ~石製の日時計が見つかりました~

石製日時計(溶結凝灰岩製,幅67センチ,高さ14センチ,重さ76キロ)
石製日時計の出土場所( 写真の赤丸部分)

写真の石製日時計は,御楼門の右袖石垣上段から出土しました。島津斉彬がオランダの書物を参考に造らせた日時計とよく似ていることから,幕末から近代初頭に作られたものだ思われます。
碑面には,四方に「東西南北」が刻まれ,中央には穴が開けられています。この穴に棒を立て,お日様に照らされてできた棒の影で時刻をはかっていました。
碑面には「東西南北」の文字のほかに,「北」を手前にして,右に「五半」,中央に「九時」,左に「七時」などの文字も刻まれています。これは,明治時代以前の,日の出と正午そして日の入りの時刻を表しています。
鹿児島城内の役人たちは,出勤や昼食時間,退庁時刻をこの日時計で確認していたのかも知れません。