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ワクワク考古楽IN日置市立伊作小学校

令和6年7月10日,日置市立伊作小学校で「ワクワク考古楽」(出前授業)を実施しました。

授業の前半は,学校近くの黒川洞穴の調査や整理作業で分かったことを紹介しました。身近なところから昔の人々の生活の跡が発見されていることに,子どもたちは驚いていました。

後半は,小学校の隣の吹上歴史資料館に移動しました。資料館には,鹿児島県の考古学をリードしてきた河口貞徳氏が行った黒川洞穴の調査成果を,「河口コレクション里帰り展」として展示していて,黒川洞穴から出土した土器や石器,貝製品,骨角器などの展示品を見学しました。

子どもたちは,黒川洞穴が長い間使用され続けていることに関心をもち,また丸玉状石器や獣骨で作られたかんざし,垂飾品を見て感動していました。

その後,上野原縄文の森のお出かけ体験隊による火おこし体験を行い,「昔の人達が火をおこすときの大変さが分かった」という感想を聞くことができました。

今回の授業で子どもたちは,自分たちの身近に黒川洞穴という有名な遺跡があることを知り,昔の人びとの生活を思いうかべることができたと思います。

授業の様子

みんなで火起こしに挑戦

黒川洞穴の遺物を見学

 

ワクワク考古楽出前授業IN国分西小学校

令和6年6月14日,霧島市立国分西小学校で「ワクワク考古楽」(出前授業)を総合的な学習の時間の学習で,上野原縄文の森のおでかけ体験隊と合同で行いました。

まず,縄文時代や上野原遺跡の説明をしました。次に,縄文土器や縄文時代の石器,弥生土器について説明を行いました。

子どもたちは,土器や石器を実際に触って感触を楽しんだり,縄文と弥生の土器の比較をしたりしました。

また,国分西小周辺の歴史を調べるために,江戸時代・昭和・現在の地図を見比べて,町がどのように変化しているか確かめました。

子どもたちは,縄文時代は国分西小学校は海の中であったことに驚き,上野原遺跡に道跡や住居,調理施設があったこと等に興味をもって学習しました。

最後の質問タイムでは,縄文人の寿命や,建物の中で見つかるもの,昔の人々の方言や言葉の違いについてなど,多岐にわたる質問が出ました。今回の学習で,これまで以上に郷土の歴史に関心をもち,理解を深めることができたと思います。

授業の様子

発掘調査で見つかった土器を紹介

「拡散希望! 弥生時代の木製品」(六反ヶ丸遺跡:出水市)

弥生時代の用途不明の装飾木製品です。樹種はイスノキで,全面に丁寧な加工が施されており,突起部分の間は磨きがなされています。

先端部は薄く削られており,刀身状になっています。その下部には,4条の段が削り出されており,装飾性が非常に高いものです。

先端部には,糸を巻き付けたような痕(あと)が両縁に二か所ずつあり,何かに結びつけて使う付属品の可能性が高いです。

類例や詳細を知るために,できるだけ多くの方に見ていただけるよう,この投稿をシェアしていただければありがたいです。

ワクワク考古学IN鹿屋市立細山田中学校

令和6年7月5日,鹿屋市立細山田中学校で「ワクワク考古楽」(出前授業)を実施しました。

今回は1年生が,「地域の歴史や遺跡,文化財について知ろう」という学習目標で授業を行いました。

上野原遺跡や身近な地域にある遺跡として立小野堀遺跡,牧山遺跡,川久保遺跡等を紹介しました。また子どもたちは,縄文土器や弥生土器,石器や黒曜石など実際に手に取って観察し,土器の文様や石鏃の細かさに興味を示していました。

続いて,土器作りに挑戦しました。粘土を丁寧に積み上げ,貝殻や竹ぐしで文様を付け,それぞれが個性のある土器を完成させていました。昔の人々の苦労や工夫を実感したようでした。

生徒たちは,今回の学習で細山田にも多くの遺跡があることを知るとともに,郷土が昔から住みよいところであり,自分たちの生活環境をこれからも守っていくことの大切さを学んだようでした。

授業の様子

縄文時代はどれくらい続いたのか

 本物の土器や石器を手に取って体感

土器づくりの説明

土器づくりに挑戦中

 

 

ワクワク考古楽出前授業IN野神小学校

令和6年6月21日,志布志市立野神小学校で「ワクワク考古楽」(出前授業)を実施しました。今回は6年生が,「縄文時代の人々の暮らし」について学習しました。

まず,縄文時代の遺構・遺物を紹介し,あわせて,発掘調査がどのように行われるかを説明しました。

次に,発掘調査で見つかった土器や石器の紹介をしました。子どもたちは,土器の模様や形に興味を持って,注意深く観察をしていました。また,石鏃や磨製石斧を手に取り,使い方を友達と話し合っていました。

続いて,火起こし体験に挑戦しました。当日は湿気が多く,火が着くか心配されましたが,多くの子どもたちが火を起こすことに成功しました。友達と声をかけあって,協力している姿が印象的でした。

今回の授業を通して,社会科の授業に関心を深め,地域の歴史により興味を持ってもらえるとありがたいです。

授業の様子

本物の土器や石器を手に取って観察

みんなで火起こし体験に挑戦

 

石が積つまれた遺構(尾付野山遺跡:さつま町)

峠の最頂部において,「塚状積石」と呼ばれる遺構が発見されています。峠の最高地点を切り通すときに出た石を積み上げたものと考えられています。

時期や用途が不明ですが,類例から,中世以降で,境界を表す機能や街道に関わる峠の祭祀遺構の可能性があるようです。

峠を通るときの無事を祈ったのでしょうか?

修復された弥生時代の土器(田原迫ノ上遺跡:鹿屋市)

田原迫ノ上遺跡から出土した弥生時代の土器です。口縁部と突帯の間に,3か所の孔(穿孔)があります。これは「補修孔」と考えられるものです。

紐(ひも)などで穴どうしを結束して,土器のひび割れが広がらないようにしたり,割れ目をつないだりしたと考えられます。

※補修孔は,弥生時代だけでなく,縄文時代などの土器にもよくみられます。

何を研いだのでしょうか?(田原迫ノ上遺跡:鹿屋市)

弥生時代中期(約2100年前)の大型の砥石です。いずれも竪穴建物跡から出土しました。

軟質の砂岩製で,残存長が26~39㎝,幅が12~14㎝,厚さ9~12㎝あります。

鋭利な刃物等の研ぎにも利用されたと考えられています。鉄の道具を研いだのでしょうか?

「バーククロスビーター」って何?(田原迫ノ上遺跡・王子遺跡:鹿屋市)

「バーククロスビーター」とは,樹皮を敲打して布状に加工する道具のことで,日本語でいうと「樹皮布敲石(じゅひふたたきいし)」です。

軟質の砂岩製で,手元を握りやすく加工してあり,先端部を整えて,敲く面として使用されました。