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カテゴリー: 鹿児島県立埋蔵文化財センター

避難訓練

毎年1月26日は,「文化財防火デー」です。昭和24年1月26日に,現存する世界最古の木造建造物である法隆寺(奈良県斑鳩町)の金堂が炎上し,壁画が焼損したことに基づいて制定されました。

埋蔵文化財センターでも毎年この日にあわせて,避難訓練を実施しています。今年は,1月24日に実施しました。

センター内から火災が発生したと想定して,職員が安全に素早く避難場所に集合できるか訓練を行い,また,避難後に消火訓練も行いました。どの訓練も,素早く適切に行うことができました。

今後も防災意識を高め,文化財愛護意識の高揚や啓発に取り組んでまいります。

出火に対する初期消火

避難の様子

消火訓練の様子

「蛇の目釉剥ぎ」(原村遺跡:曽於市)

多くの陶磁器を窯で効率的に焼成するためには,皿や碗を積み重ねて焼く必要があります。その際,釉薬を全体にかけたまま焼くと,釉薬が溶けて,重なった部分がくっついてしまうので,様々な工夫が必要になります。

「蛇の目釉薬剥ぎ」はその技法のひとつです。一度かけた釉薬を重なり(皿や碗の内側)の部分だけ蛇の目(ドーナツ)状に丸く剥いで,その上に重ねて焼きます。薬を剥いだ部分が素焼きのまま残るので,陶磁器はくっつきません。

写真は薩摩焼の碗です。真上から見ると「蛇の目」がよくわかります。

令和7年度補助事務員(整理作業員)募集について

鹿児島県立埋蔵文化財センターでは,令和7年度補助事務員(整理作業員)を募集します。
募集期間 令和7年1月23日(木)~令和7年2月7日(金)

詳しくは,下記の募集要項(PDF)をダウンロードしてご覧ください。

令和7年度補助事務員(整理作業員)要項(PDF)

 

「蛇紋岩製石斧」(中津野遺跡:南さつま市)

「蛇紋岩」とは,暗緑色から黄緑色の光沢のある岩石で,蛇の皮の模様に似ていることから名付けられました。地学的には蛇紋石を主成分とする岩石を蛇紋岩といいます。硬さはモース硬度で表すと「3」で,10円玉硬貨と同じくらいです。

下の2点は,蛇紋岩で作られた縄文時代の磨製石斧です。蛇紋岩製磨製石斧は,縄文時代早期から晩期まで継続的に出土し,特に後期から晩期にかけて出土量・遺跡数が増えます。分布は鹿児島湾周辺を中心として北薩・南薩に集中する傾向があります。

「蛇行剣」(南摺ヶ浜遺跡:指宿市)

南摺ヶ浜遺跡(指宿市)の発掘調査において多くの鉄製品が見つかり,その中に「蛇行剣」がありました。

「蛇行剣」とは,古墳時代の鉄剣のひとつです。名前のとおり,刀身が蛇のように曲がった形状をしています。

形状から実用性のある武器ではなく,祭祀的に利用されていた可能性があります。

下城跡発掘調査現地説明会

令和6年12月22日,今年度,発掘調査を実施している下城跡(しもじょうあと・姶良市北山)で,現地説明会を行いました。

下城跡は,戦国時代の山城跡で,これまでの調査において,多くの曲輪(建物が建っていたと思われる平坦面)や,曲輪と曲輪の間に設けられた空堀が見つかっています。

今回の説明会で,その特徴を紹介しました。
曲輪では,建物の柱跡と思われる穴や炉と思われる土が焼けた跡が見つかっていること,また,空堀では埋まった土の様子等を紹介しました。

当日は約160人の参加をいただき,みなさん,曲輪や城跡の説明を聞きながら,当時の様子に思いを馳せていらっしゃいました。

また,「南の縄文文化展」を北山伝承館で開催しました。こちらもたくさんの方々がお見えになり,発掘調査で見つかった遺物等を興味深くご覧になっていました。

開会の様子

曲輪を説明中

曲輪と曲輪の間の空堀を説明しています
発掘調査で見つかった遺物を展示しました

 

研究紀要第17号

研究紀要「縄文の森から」第17号(全ページ版)


鹿児島県出土の縄文時代該当の人骨について―出土遺跡や人骨の集成と概要―
湯場﨑 辰巳

姶良市加治木町干迫遺跡の出土資料紹介(1)
鹿児島県立埋蔵文化財センター

鹿児島県出土中世須恵器の若干の検討~特に貯蔵具に着目して~
上床 真

イスノキの特長と出土資料および民俗資料例
東 和幸

令和5年度年報

ワクワク考古楽IN徳之島(面縄中・喜念小・面縄小)

令和6年12月5・6日,ワクワク考古楽出前授業を,徳之島の伊仙町立面縄中学校,喜念小学校,面縄小学校で実施しました。

面縄中学校はトマチン遺跡,喜念小は喜念貝塚にそれぞれ隣接しており,面縄小学校は史跡面縄貝塚内に立地しています。

面縄中,面縄小では,南島沖縄諸島の歴史について,教科書で取り扱う日本史年表を押さえながら,貝塚時代,グスク時代,琉球王国時代,薩摩藩統治時代を学びました。

喜念小では1~6年生までの全学年を対象に,埋文センターの仕事を紹介し,日本史年表と貝塚時代について学びました。

また,学校周辺の遺跡として,面縄貝塚や喜念貝塚,カンナテ遺跡,カムィヤキ陶器窯跡群を紹介したり,実際に出土した遺物として,トマチン遺跡,前当り遺跡の土器や石器,貝製品を紹介しました。

面縄中や喜念小では火起こし体験も行いました。楽しみながらも,昔の人びとが火を起こすことの大変さを実感できたようです。

児童・生徒をはじめ,先生方や参加された保護者の方々は,身近なところにたくさんの遺跡があること,徳之島には非常に古い時代から人が住んでいたことに,驚かれていました。

 

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面縄中学校の授業の様子

面縄中学校の授業の様子

面縄小学校の授業の様子

面縄小学校の授業の様子

喜念小学校の授業の様子

喜念小学校の授業の様子

ワクワク考古楽出前授業IN鹿児島県立鹿児島南特別支援学校

令和6年11月27日(水),鹿児島県立鹿児島南特別支援学校の中学部で,「ワクワク考古楽」(出前授業)を実施しました。

今回は,旧石器時代から近世までの時代の大まかな流れと特徴,道具(土器や石器など)について学習しました。

まず,これまでの学習を思い出しながら,どんな時代があったかやそれぞれの時代の特徴などを確認しました。

次に,実際に遺跡から出土した土器や石器などに触れながら,道具の使い方や変化等について学習しました。土器は時代によって形状や文様が異なることや,縄文時代には弓矢が使われ始めること,道具が時代によって変化していくことや,つるつるしている磨石やするどく尖っている石鏃など,それぞれの道具の特徴を学ぶことができました。

今回の授業を通して,歴史の学習に興味をもち,今後の学習に意欲的に取り組んでいくためのきっかけになったらと思います。

また,今回は,縄文の森の「お出かけ体験隊」と合同での実施で,「勾玉づくり」に挑戦しました。細部までこだわり丁寧に仕上げ,個性あふれるきれいな勾玉ができました。

授業のようす

本物の土器や石器に触れて確かめました

勾玉づくりに挑戦