第61回企画展「新発見! かごしまの遺跡2021~発掘調査速報展~」が始まりました
7月17日(土),上野原縄文の森第61回企画展「新発見! かごしまの遺跡2021~発掘調査速報展~」が始まりました。
今回の企画展は, 令和2年度に鹿児島県立埋蔵文化財センター及び(公財)埋蔵文化財調査センターが,発掘調査を実施・報告書刊行した遺跡の成果を紹介します。
江戸時代の犬追物馬場跡が確認された鹿児島城跡(鹿児島市)や,縄文時代前期から中期の土器が多く出土した細山田段遺跡(大崎町),国内最古級となる弥生時代前期後半の準構造船の舷側板(げんそくばん)が出土した中津野遺跡(南さつま市)など,最新の鹿児島の歴史をご覧ください。
〇 今回紹介する遺跡
■ 近代
遺跡西南戦争関連遺跡【滝ノ上火薬製造所跡】(鹿児島)・【高熊山激戦地跡】(伊佐市)・【チシャガ迫堡塁跡群】(霧島市)・【岩川官軍墓地】(曽於市)
■ 近世
鹿児島城跡【犬追物馬場・火除地】(鹿児島市)
■ 中世
北山遺跡(阿久根市),川久保遺跡(鹿屋市)
■ 古代
立塚遺跡(鹿屋市),久保田牧遺跡(鹿屋市),原村遺跡(曽於市)
■ 古墳時代
六反ヶ丸遺跡(出水市)
■ 弥生時代
立塚遺跡(鹿屋市),中津野遺跡(南さつま市)
■ 縄文時代
牧B遺跡(曽於市),原村遺跡(曽於市),細山田段遺跡(大崎町),山ノ段遺跡(出水市),小牧遺跡(鹿屋市)
■ 旧石器時代
小牧遺跡(鹿屋市),川久保遺跡(鹿屋市)
■ 新指定文化財
出水貝塚出土品(出水市・河口コレクション)
〇 開催期間
令和3年7月17日(土)~11月7日(日)
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ただ今発掘中! ~久保田牧遺跡(鹿屋市吾平)~
久保田牧遺跡は,鹿屋市吾平町にある遺跡です。大隅縦貫道の建設工事に伴い,令和元年度から発掘調査を行っています。令和3年度も,6月から調査を開始しました。
現在は,表土(現代の地面)を重機で剥ぎ取り,その下の古代から中世の地層を少しずつ掘り進めています。
昨年度までの調査で,古墳時代の竪穴建物跡や古代・中世の溝跡・掘立柱建物跡,文字の書かれた墨書土器などが見つかっており,さらなる成果が期待されています。
また,発掘現場は民家に近いということもあり,騒音対策や振動に気を付けながら調査を行っています。
調査期間は,令和4年1月までを予定しており,発掘調査の様子は見学もできます。詳しくは,埋蔵文化財センターまでご連絡ください。
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全国公立埋文協第1回役員会
当センターの所長が会長を務める,全国公立埋蔵文化財センター連絡協議会の第1回役員会を6月10日に実施しました。
今回の役員会は,新型コロナウイルス感染症拡大防止のため,インターネットによるオンライン開催でした。
役員組織の10か所をオンラインでつなぎ,昨年度の事業報告や来年度以降の総会・研修会,文化庁への要望等を話し合いました。
当センターではこれまでもオンライン会議は実施してきてはいるものの,10人以上の参加者は初めてだったため,うまく話し合いが進むか心配なところもありましたが,無事に終えることができました。
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報告書の発送
6月5日,令和2年度に刊行された発掘調査報告書を,全国の埋蔵文化財の調査・研究機関や大学,県内の市町村教育委員会などに発送しました。
17冊の報告書を詰めた段ボール一つひとつに宛名シールを張り,トラックに載せていきました。
こうして送り出された報告書が,それぞれの場所で活用されることを期待しています。
今回発送した発掘調査報告書は,埋蔵文化財センターのホームページでも公開しています。興味・関心がある方は,ぜひご覧ください。
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発掘機材の荷出し
5月24日,発掘調査の始まった井手原遺跡(さつま町)と鹿児島(鶴丸)城跡(鹿児島市)の荷出しがありました。
先日の荷造りで集めた道具を,発掘現場行きのトラックに次々と載せました。
また,出土した遺物を収納するパンケースも載せました。
どちらの遺跡も,多くの成果があがることを期待しています。
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沖永良部島とのオンライン
埋蔵文化財センターの業務に,市町村が行っている発掘調査の支援があります。埋蔵文化財センター職員と市町村の埋蔵文化財担当職員が連携し,発掘調査や報告書作成を行うための情報交換や技術支援を行っています。今年度は,14市町村・25遺跡の支援を計画しています。
その中の一つに,沖永良部島の古墓群(トゥール墓)の調査があります。5月17日,今後の調査に関する担当者打ち合わせを,鹿児島県教育庁文化財課,和泊町教育委員会,知名町教育委員会,埋蔵文化財センターをオンラインでつないで実施しました。事前に配布された資料を手に,パソコンの画面を通して,有意義な話し合いができました。
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「発掘された日本列島2021展」の集荷作業
「発掘された日本列島2021展」は,近年発掘され特に注目された出土品を全国で巡回することにより,国民が埋蔵文化財に親しみ,その保護の重要性に関する理解を深めることを目的として,文化庁等の主催で実施されています。
今年度,当センターからは,立小野堀遺跡(鹿屋市)・町田堀遺跡(同市)の出土遺物を出品することとなり,その集荷作業が5月12日に行われました。
両遺跡では,南九州特有の地下式横穴墓と呼ばれる古墳時代の墓が発見され,それに伴う人骨や鉄器等多くの資料が得られています。今回はその中から土器や異形鉄器・青銅鈴等を出品しています。
また,県内から横瀬古墳(大崎町),唐仁古墳群(東串良町),塚崎古墳群(肝付町),下原洞穴遺跡(天城町)の出土品も全国を巡回します。他にも,天然記念物の溝ノ口洞穴(曽於市)が写真パネルで紹介されます。
下記の会場で公開予定ですので,ぜひご覧ください。
東京都江戸東京博物館(東京都墨田区)
令和3年6月5日(土)~令和3年7月4日(日)
苫小牧市美術博物館(北海道苫小牧市)
令和3年7月31日(土)~令和3年9月12日(日)
群馬県立歴史博物館(群馬県高崎市)
令和3年10月9日(土)~令和3年11月21日(日)
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発掘調査の荷造り
5月11日,来月から発掘調査を行う井手原遺跡(さつま町)の荷造りを行いました。
発掘調査では,山くわ・じょれん・ねじり鎌・てみ・一輪車といった掘り道具以外にも,巻き尺や脚立・ピンポール,図面用紙・えんぴつ・ペン類といった測量や製図に関する道具,バケツ・石けん・トイレットペーパー・ぞうきんなどの生活用品も必要になります。
これらの道具を,センター内にある機材庫から必要数を調べて,調達します。
この日も職員で作業を分担して,道具類を集めて準備ができました。あとは,荷出の日を待つことになります。
荷出についても,また様子を紹介します。
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【企画展内覧会】
4月22日,「上野原縄文の森第60回企画展『どうして?!縄文体験 ~縄文時代の暮らしを学ぼう~』」の内覧会がありました。
今回の企画展は,体験学習館で行われている縄文生活体験に焦点をあて,その成り立ちや歴史的意義を学ぶことをテーマに,関連する考古資料などを展示して紹介します。
上野原縄文の森・埋蔵文化財センター・(公財)埋蔵文化財調査センターの担当職員が,企画展の公開に向けてより分かりやすく,より詳しく資料展示ができるように,確認を行いました。
開催期間は,令和3年4月24日(土)から7月4日(日)までです。ぜひ,上野原縄文の森にお越しください。
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整理作業開始
4月13日,令和3年度の整理作業が開始しました。
この日から会計年度任用職員を雇用して,報告書刊行に向けた整理作業が始まりました。
今年度刊行予定の遺跡は,「上加世田遺跡(河口コレクション)」(南さつま市),「中津野遺跡」(南さつま市),「下桃木渡瀬遺跡」(南九州市),「川上遺跡・鶯原遺跡・猫塚遺跡」(鹿屋市),「鹿児島(鶴丸)城跡」(鹿児島市)です。
他にも「光台寺跡ほか」(指宿市ほか),「廣牧遺跡・立塚遺跡」(鹿屋市),「久保田牧遺跡」(鹿屋市)の整理作業も行っています。
現在,新型コロナウイルス感染症対策のため整理作業の様子は見学できませんが,今後も整理作業の様子をホームページや「埋文だより」などでお伝えしていく予定です。
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