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カテゴリー: 鹿児島県立埋蔵文化財センター

さつま町郷土史研究会の虎居城跡見学

令和5年1月20日(金)にさつま町郷土史研究会の方々が,虎居城跡発掘調査の見学に来られました。

まず,出土した遺物を紹介し,手に取って触れてもらいました。今回の調査で出土した遺物は15世紀代の青磁をはじめ,特に16世紀代の景徳鎮窯系の白磁の皿や青花の碗,福建・広東地方(漳州窯系など)などの中国製の輸入陶磁器が中心で,それら遺物の年代から推定される在城者が島津歳久や島津忠長であることに感心していました。

実際の発掘現場では,近世以降に作られたと考えられる石垣を見学し,宮之城島津家や菩提寺である宗功寺との関係に興味を抱いておられました。

虎居城の主郭にあたる松社城跡では,石塁や土塁により方形に区画された曲輪の配置が室町時代以降の伝統的な区割りであり,鎮座する大石は川内川河口域や紫尾山から運ばれたと考えられ,庭園の景石の可能性があることを説明しました。

今後,さつま町の歴史を語る上で参考になればと思います。

(写真提供:さつま町教育委員会)

出土した遺物を紹介

虎居城跡の地形の説明

発掘調査について説明

曲輪の上部の説明

見学の最後に

埋蔵文化財技術研修講座(調査研究法)

令和5年1月18日(水)・19日(木)に,埋蔵文化財技術研修講座(調査研究法)を開催しました。この講座は,主に市町村の埋蔵文化財担当等職員を対象とし,最新の法令・制度について知識を深め,業務に関する技術を習得することを目的としています。

1日目は,「文化財保護行政の現状と課題」と題して,文化庁の近江俊秀主任文化財調査官に講義を行っていただきました。埋蔵文化財保護制度の成り立ち,高輪築堤の保存,今後の人材育成,文化庁の近年の取組,情報発信などについて,実例を交えながら説明していただきました。

2日目は,「文化財を災害から守る-現状と課題-」をテーマに,独立行政法人国立文化財機構文化財防災センターと共同開催しました。午前中は同センター長の高妻洋成氏に「文化財を災害から守る」と題して,文化財防災の歴史や災害対策基本法・防災基本計画などの講義を行っていただきました。

続いて,九州国立博物館副館長の小泉惠英氏に「平成28年熊本大地震における文化財レスキュー」と題して,地震後の初動から文化財レスキュー開始まで,実際のレスキューの対応・処置などを紹介していただきました。

午後からは,「水損紙資料のレスキューと応急処置」の実技を行いました。泥や水で汚れてしまった紙資料の処置に必要な機材や作業を進めるための注意点を聞き,洗浄・乾燥の実技を見た後,参加者ひとりひとりに,実際のレスキュー作業を経験してもらいました。参加した方々からは,「紙資料の保存方法が理解できた」,「思ったよりも簡単で,これならできそうだ」という感想がありました。

今回の研修講座を通して,最新の文化財保護行政の知識を得ることができ,また,多くの文化財を災害から守り残していくための技術を学ぶことができました。

講義の様子

文化財防災センター職員による紙資料洗浄の実演

研修参加者も実技に挑戦

洗浄・乾燥した資料を確認

令和5年度 補助事務員(整理作業員)募集要項

令和5年度 補助事務員(整理作業員)を募集します。
詳しくは,以下の募集要項(PDF)をご覧ください。

令和5年度 補助事務員(整理作業員)募集要項(PDF)

職務内容
・出土遺物(土器,石器等)の整理作業
土器の水洗,接合・復元,実測,トレース,レイアウト,データ処理等の細かい作業,微細な文字,図面等記入
・環境整備

募集人員
40人程度

勤務時間
1 勤務日数
月15日以内又は月14日以内
2 勤務日
月曜日から金曜日までを勤務日として割り振ります。
※ 土曜日,日曜日,祝日及び12月29日~翌年1月3日は勤務日として割り振りません。
3 勤務時間
午前9時00分から午後4時30分まで(正午から午後1時まで休憩時間,勤務時間6時間30分)
※ 所定勤務時間を超える勤務原則として無
4 休暇
年次有給休暇・特別休暇(有給・無給)

勤務地
鹿児島県霧島市国分上野原縄文の森2番1号
鹿児島県立埋蔵文化財センター
又は
鹿児島県霧島市福山町福山2894-1
県第2整理作業所(旧福山中学校)

任用期間
令和5年4月11日(火)から令和6年2月22日(木)まで
※ 採用後,原則として1か月間は条件付き採用期間となります。

報酬等
1 基本となる報酬
日額:6,000円
2 期末手当
一定の要件を満たす場合に支給されます。
3 通勤にかかる費用弁償
一定の要件を満たす場合に支給されます。

その他の詳細は,募集要項をご覧ください。

小牧遺跡紹介動画

上野原縄文の森で開催している『第65回企画展「新発見!かごしまの遺跡2022 ~発掘調査速報展~」』から,「小牧遺跡」(鹿屋市串良町)を動画で紹介します。
詳しい内容は,上野原縄文の森企画展でご覧ください。
※ 画像をクリックすると動画を際せします。音が出ますので,ボリュームにご注意ください。
※ 動画の再生が出来なかったり,サイズが大きすぎるときは,以下のリンクをクリックしてご覧ください。

「平佐焼窯跡群」紹介動画

上野原縄文の森で開催している『第65回企画展「新発見!かごしまの遺跡2022 ~発掘調査速報展~」』から,「平佐焼窯跡群」(薩摩川内市天辰町)を動画で紹介します。
詳しい内容は,上野原縄文の森企画展でご覧ください。
※ 画像をクリックすると動画を再生します。音が出ますので,ボリュームにご注意ください。
※ 動画の再生が出来なかったり,サイズが大きすぎるときは,以下のリンクをクリックしてご覧ください。

春日堀遺跡紹介動画

上野原縄文の森で開催している『第65回企画展「新発見!かごしまの遺跡2022 ~発掘調査速報展~」』から,「春日堀遺跡」(志布志市有明町)を動画で紹介します。
詳しい内容は,上野原縄文の森企画展でご覧ください。
※ 画像をクリックすると動画を際せします。音が出ますので,ボリュームにご注意ください。
※ 動画の再生が出来なかったり,サイズが大きすぎるときは,以下のリンクをクリックしてご覧ください。

立塚遺跡紹介動画

上野原縄文の森で開催している『第65回企画展「新発見!かごしまの遺跡2022 ~発掘調査速報展~」』から,「立塚遺跡」(鹿屋市吾平町)を動画で紹介します。
詳しい内容は,上野原縄文の森企画展でご覧ください。
※ 画像をクリックすると動画を際せします。音が出ますので,ボリュームにご注意ください。
※ 動画の再生が出来なかったり,サイズが大きすぎるときは,以下のリンクをクリックしてご覧ください。

名主原遺跡現地説明会を行いました

12月17日(土),名主原遺跡(鹿屋市吾平町下名)の現地説明会を行いました。

当日は朝から雨が降る肌寒い中でしたが,県内各地や県外から合わせて80人の見学者が来跡されました。

現地説明会では,まず地層の説明をして,名主原遺跡の主な時代について紹介しました。

次に,遺跡で多く見つかっている,花弁形住居跡や竪穴建物跡について紹介しました。見学者の方々からは「花弁形住居というのを初めて見ました。鹿児島では多く見つかるのですか」,「ひとつの建物に,何人ぐらいの人が住んでいたのですか」といった質問などがあり,興味深く見学されていました。

受付の横では,遺跡で出土した,埋設土器・ガラス小玉・砥石・石包丁などを展示して紹介しました。本物の土器や石器を間近で見られ,説明を聞きながら,当時の人々の暮らしを想像されているようでした。

当日の配布資料は,以下のリンクからダウンロードできます。

名主原遺跡現地説明会配布資料(PDF)

開会式の様子。開始時間前からたくさんの方にお集まりいただきました。

地層の説明

見つかった花弁形住居跡

花弁形住居跡の説明

竪穴建物跡の説明

遺物の展示説明

 

 

「鹿児島城跡」国史跡指定答申記念企画展

埋蔵文化財センターでは,「鹿児島城跡」の国史跡指定(国史跡「城山」の追加指定及び名称変更)答申を記念し,鹿児島城跡の発掘調査で見つかった瓦や家紋入りの陶磁器を,ロビー展示しています。
同時に,「鹿児島城跡」の発掘調査報告書も手に取って読むことができます。

上野原縄文の森の企画展と合わせて,ぜひご覧ください。

期間:令和4年12月19日(月)~令和5年3月24日(金)
  (土日祝日,12月29日~1月3日を除く)
時間:9時~17時
料金:無料


鹿児島城跡の発掘調査報告書(PDF)は,以下のリンクからダウンロードできます。

『鹿児島県立埋蔵文化財センター発掘調査報告書』(205)「鹿児島(鶴丸)城跡」

『鹿児島県立埋蔵文化財センター発掘調査報告書』(211)「鹿児島城跡(犬追物馬場・火除地)」

『鹿児島県立埋蔵文化財センター発掘調査報告書』(214)「鹿児島(鶴丸)城跡 -北御門跡周辺・御角櫓跡周辺・能舞台跡-」

『鹿児島県立埋蔵文化財センター発掘調査報告書』(215)「鹿児島(鶴丸)城跡 -総括報告書-」


その他の県内の展示機関

上野原縄文の森
鹿児島県庁1階ロビー
県歴史・美術センター黎明館1階ロビーおよび常設展示1階望岳堂
県立図書館1階閲覧室
鹿児島市立ふるさと考古歴史館
鹿児島市役所市民ギャラリー西別館1階

展示期間や料金等については,以下のリンクからご確認ください。

鹿児島県/【「鹿児島城跡」国史跡指定答申記念】企画展

ロビー展示の様子
薩摩焼などの陶磁器類

発掘調査で見つかった鹿児島城の瓦

発掘調査の様子

虎居城跡の発掘調査

虎居城跡は,さつま町にある中世山城跡の遺跡です。平成 20 ~ 21 年度に川内川激甚災害対策特別緊急事業の分水路建設に伴い約 60,000 ㎡が調査され,土師器や青磁・白磁など多くの遺物と共に,土塁や空堀,虎口といった山城跡ならではの遺構が見つかりました。

平成26・28年度には,北薩広域公園整備のため,確認調査が行われました。溝状遺構,炉跡,柱穴等の遺構とともに,土師器や陶磁器,金属製品等が出土しました。

今回も北薩広域公園の整備事業に伴い,令和4年11月から令和5年1月まで発掘調査を行っています。

これまでの調査で,中世の青磁や白磁,近世の染付や薩摩焼が見つかっており,山城跡の様子が明らかになってきました。1月までの調査期間で,さらなる発見が期待できます。

平成20年調査時の虎居城跡

写真左側が完成した分水路

山城跡のため,調査地点に向かうときは山登りのようです

現在の発掘調査の様子