国分高校生の発掘体験
11月15日(金),国分高校の1年生41名が,同校が取り組んでいるSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の一環として,鹿屋市吾平町の久保田牧遺跡で発掘体験を行いました。
生徒たちは,まず,発掘調査の担当者から遺跡の概要や調査方法について説明を受けました。この遺跡からは,鬼界カルデラ(約7,300年前)や池田カルデラ(約6,400年前)の火山灰層が見つかっていて,発見された竪穴住居跡や土器・石器などの年代を決めるカギとなっていることに感心していました。また,古代や中世の建物跡も,興味深かそうに観察していました。
次に,生徒たちは発掘作業を体験しました。「ねじり鎌」と「手み」を持って,少しずつ地面を掘り下げていきました。土器を見つけたときは,歓声をあげて喜んでいました。
今回の体験が,今後の学習につながることを期待します。
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縄文の森の紅葉
秋が深まり,上野原縄文の森の木々たちも,色鮮やかに紅葉を始めました。
お弁当やお茶を持って,家族や友達と縄文の森へ紅葉狩りに出かけませんか?
笠取戦跡の発掘調査
霧島市牧園町では,近年,地元の方々の調査により,西南戦争時に築かれた堡塁(ほうるい,敵の攻撃を防ぐために,石・土砂などで構築された陣地のこと)跡とされている場所が,数多く見つかっています。
その中の一つ,笠取戦跡(かさとりいくさあと)は,明治10(1877)年7月1日,横川方面が官軍に制圧されてしまったため,薩軍の辺見十郎太率いる雷撃隊などが陣を敷いたとされる場所です。今回の調査個所でも数基の堡塁が見つかっており,それらがどのように築かれたか,笠取戦の陣跡との関連も含め,トレンチ(確認のための溝)を掘って調査しています。
発掘調査は11月末で終了しますが,西南戦争の戦闘状況が明らかになるよう,ていねいに調査を進めていきます。
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久保田牧遺跡の現地説明会を実施しました
11月9日(土),鹿屋市吾平町麓にある,久保田牧遺跡の現地説明会を実施しました。
久保田牧遺跡は,大隅縦貫道の建設工事に伴い,発掘調査を行っている遺跡です。縄文時代中期(約5,000年~5,500年前)の落とし穴と思われる遺構や,古墳時代(約1,500年前)の堅穴住居跡群,古代(約1,000年~1,300年前)の掘立柱建物跡などが見つかっています。また,鬼界カルデラ(約7,300年前)・池田カルデラ(約6,400年前)の噴火活動の痕跡も見つかっています。
現地説明会では,これらの遺構や地層の説明,出土遺物の展示を行いました。
当日は午後からのみの開催でしたが,100名を超える参加者があり,多くの方に地域の歴史を直接感じていただくことができました。
埋蔵文化財センターでは,今後も遺跡の現地説明会を実施する予定です。興味がある方は,ぜひ,ご参加ください。
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国分高校での出前授業
11月8日(金)に,鹿児島県立国分高等学校で,出前授業を行いました。
今回の出前授業は,平成29年度の校舎改築に伴って実施された,「本御内(もとおさと)遺跡」の発掘調査の成果を紹介するものです。国分高校は,文科省からSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定を受けており,その一環として実施されました。
発掘調査の担当者が,調査で明らかになったことや,地域の歴史について講義を行いました。生徒たちにとって,自分の通っている高校の敷地から発掘された遺物等の説明を受けたことで,遺跡を身近に学ぶよい機会となりました。今後の研究に活かしてもらえればありがたいです。
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埋文だより第80号
牧園中学校での出前授業
11月8日(金)に,霧島市立牧園中学校の生徒に,5時間目・6時間目を利用して出前授業を行いました。
まず,5時間目に埋蔵文化財センターが行っている業務の紹介を行いました。続いて,日本史の学習で西南戦争の政府軍と西郷軍の進路について調べる学習と関連付けて,校区内にも戦闘の跡が残っていることを紹介しました。また,実際の堡塁の配置や写真を紹介しました。
6時間目は,火おこし体験と本物の土器や石器に触れる活動を行いました。火おこしは,二人一組で協力して火を点けることができました。また,土器の文様や石器の製作方法を興味深く観察していました。
生徒たちは,今回の学習を通して,日本の歴史を左右する大きな出来事が身近で起きていたことを知り,先人たちのはたらきについて理解を深めた様子でした。
かごしま考古イベント情報を更新しました
下記の考古イベント情報を掲載しました。詳細は,かごしま考古イベント情報のページをご覧ください。
- 11 回 奄美考古学会 ・ 第13回九州古代種子研究会合同研究会 令和元年12月14日(土)・15日(日)
- 鹿児島県考古学会秋季大会 令和元年11月30日(土)
- たたら研究会令和元年度 鹿児島大会 令和元年12月7日(土)~12月8日(日)
牧園小学校での出前授業
10月23日(金)に,霧島市立牧園小の6年生に,3時間目と4時間目を利用して出前授業を行いました。
3時間目は,埋蔵文化財センターが行っている発掘調査に関する説明を行いました。
鹿児島県内の遺跡の調査では,火山灰層が重要であることを,理科の学習と関連付けながら紹介しました。
次に,社会科の歴史でも学習する西南戦争の概略を説明し,校区内に当時の遺跡が多く残っており,その一つを発掘調査することを紹介しました。子どもたちは,自分たちの住んでいる地域で大規模な戦闘が行われたことに驚いていました。
4時間目は,縄文時代の本物の土器や石器に触れたり,火おこしを体験したりする活動を行いました。土器や石器を間近で観察し,そのつくりの細かさに感心していました。また,火おこし体験では,友達と競争したり協力したりしながら活動を楽しんでいました。
6年生の子どもたちにとって,地域の歴史を身近に感じるよい機会となった様子でした。


埋文センターの撮影スタジオ~「写場」
遺跡の発掘調査で発見された遺構や遺物は,整理作業を経て,発掘調査報告書で紹介されます。
掲載方法は,遺物や遺構を説明する文章や特徴を表した図面,そして,質感や形状,色を正確に伝える写真です。
埋蔵文化財センターには,「写場(しゃじょう)」という写真撮影専用のスタジオがあります。この写場は,撮影スタジオとしては,九州内でも有数の施設です。
通称「シノゴ」と呼ばれる大判フィルムカメラやデジタル一眼レフカメラ,専用の撮影台,複数の大型ストロボ。これらの機材を駆使して,職員が撮影しています。また,撮影した白黒フィルムは,写場内で現像もできます。
こうして撮影された写真は,報告書や展示図録等に使われるだけではなく,写真そのものが歴史資料としての「文化財」としての価値があります。そのため,写真撮影をする職員は,「文化財」の素晴らしさや魅力が伝わるように撮影技術を磨いています。
発掘調査報告書は,PDFをホームページで公開しています。その中の写真もぜひ,ご覧ください。
