- 第3回小企画展 かごしま黒の考古学
 今回の第3回埋文アートギャラリーは,「かごしま黒の考古学」,すなわち黒を題材にしたテーマでお送りします。 今回の第3回埋文アートギャラリーは,「かごしま黒の考古学」,すなわち黒を題材にしたテーマでお送りします。
 
 鹿児島には,黒豚や黒牛,黒砂糖や黒酢などのように「黒」の名がつく特産品が数多くあり,これを「黒の文化」と呼ぶ人もいます。
 
 ここでは,鹿児島の遺跡と「黒」との関わりを取り上げてみました。
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- 黒薩摩
    
- 雪山遺跡(東市来町)は,南九州西回り自動車道の建設にともなって調査された遺跡です。明治時代に開かれていた「雪之山窯」が近くにあり,窯に関する遺物とともに,皿・羽釜・蓋・碗・植木鉢・徳利などさまざまな種類の黒薩摩が多量に出土しました。
- 黒薩摩(黒もん)とは,約400年の伝統をもつ薩摩焼のひとつで,庶民のための生活雑器といわれているものです。白土を用いる白薩摩(白もん)とは対照的に鉄分の多い鹿児島の土とうわ薬を用いてるため,黒茶褐色の焼きものに仕上がっています。
- 黒川式土器
 黒川洞穴(吹上町)は,縄文時代や弥生時代のくらしを伝えるさまざまな遺物が出土した洞穴遺跡として知られています。 黒川洞穴(吹上町)は,縄文時代や弥生時代のくらしを伝えるさまざまな遺物が出土した洞穴遺跡として知られています。
 
 平成16年4月,その貴重さが認められ,県指定史跡となりました。中でも,縄文時代後期(約3,000年前)の土器は,「黒川式土器」と呼ばれ,南九州を代表する縄文土器のひとつとなっています。
 
 黒川式土器の浅鉢には,器面をていねいに磨き,黒色に仕上げた土器が多く見られます。このような土器は,黒色磨研土器とも呼ばれています。
- 【関連リンク】
 ○かごしま考古ガイダンス第35回 洞穴のくらし
 ○かごしま考古ガイダンス第39回 標識遺跡
- 黒色土器
 黒色土器とは,奈良・平安時代に土師器の表面を緻密にするため,炭素を吸着させた土器で,内面のみ黒色にしたものと,内外面ともに黒色にしたものがあります。 黒色土器とは,奈良・平安時代に土師器の表面を緻密にするため,炭素を吸着させた土器で,内面のみ黒色にしたものと,内外面ともに黒色にしたものがあります。
 この資料は,九州新幹線建設にともなって調査された鍛冶屋馬場遺跡(川内市)からまとまって出土したものです。
 【紹介されている遺跡】
 計志加里遺跡 (川内市)
 榎崎B遺跡 (鹿屋市)
- 【関連リンク】
 ○かごしま考古ガイダンス第12回 かごしまで焼かれた焼き物
 ○かごしま考古ガイダンス第13回 めざめる遺跡
- 黒曜石
 黒曜石は,旧石器時代や縄文時代の人々が好んで用いた石器の材料(石材)です。 黒曜石は,旧石器時代や縄文時代の人々が好んで用いた石器の材料(石材)です。
 原産地は全国にありますが,鹿児島でも数か所確認されています。原産地ごとに特徴があることから,古代人の交流を考える上で貴重な資料となっています。
 
 【紹介されている原産地】
 五女木(大口市),日東(大口市)
 三船(鹿児島市),上牛鼻(樋脇町)
 長谷(大根占町)