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カテゴリー: 南の縄文調査室から

このページは、発掘調査・整理作業・報告書作成の様子や、埋蔵文化財センタ内ーのできごとを紹介します。

かごしま遺跡フォーラム2025を開催しました

令和7年8月30日,いちき串木野市のいちきアクアホールで,「かごしま遺跡フォーラム2025」を開催しました。

13回目となる今回のフォーラムは,「市来貝塚の発掘調査」,「串木野IC-市来IC間の遺跡」,「南九州西回り自動車建設に伴う最新の発掘調査速報」について報告しました。また,会場に遺跡から出土した遺物展示も行いました。

当日は120人の方々に参加いただきました。報告者の説明を熱心に聞かれたり,展示された遺物や写真パネルをご覧になられたりして,多くの方に考古学の魅力を感じていただき,感謝しております。

鹿児島県立埋蔵文化財センターでは,今後も定期的にフォーラムを開催する予定です。多くの参加をお待ちしております。

※ 当日の配布資料はこちらからダウンロードできます。「フォーラム資料集」

【参加者の感想】

  • 市来貝塚について,初めて話を聞く機会を得ました。貴重な話を聞くことができました。ありがとうございました。
  • 市来貝塚は,自分が子供のころから発掘を見ていたので,興味深く話を聞くことができました。
  • 地元の貝塚から,4300年前の人骨(かなり完全な)が出ている事に驚きました。また,市来貝塚の情報量の多 さから,貴重なものだと感じました。これらの事をもっと発信して,地域の特性,地域づくりにつなげ,活用してほしいと思いました。
  • 阿久根の地名の変遷や,トイレ遺構の条件等,楽しく話を聞ける内容でした。
  • このような会を地方で開催するのは大変かもしれませんが,ぜひ今後も続けてください。楽しみにしています。
  • 今後とも各地を巡りながらの歴史を学べたらよいと思います。今日は,ありがとうございました。
  • 遺跡フォーラム参加は初めてでしたが考古学や発掘の話はとてもおもしろく,興味がわきました。次回も参加したいです。

寺原所長あいさつ

前迫氏の発表

平係長の報告

辻専門員の報告

遺物とパネル展示の様子1

遺物とパネル展示の様子2

かごしま遺跡フォーラムを開催します(いちき串木野市:8月30日)

かごしま遺跡フォーラム2025を開催します。発掘調査の成果や遺物の展示を行います。
ぜひ,会場にお越しください。

内容
市来貝塚の発掘調査
串木野IC~市来IC間の遺跡について
南九州西回り自動車建設に伴う発掘調査速報
ミュージアムトーク

日時 8月30日(土) 13:00~16:10
会場 いちき串木野市いちきアクアホール
定員 200人
申込 不要
入場料 無料

遺物特別展示(きりしま国分山形屋展)

現在,きりしま国分山形屋で開催中の「むかしむかしの霧島市展」において,遺跡から出土した土器や石器などの遺物を展示し,埋蔵文化財センターの職員が説明を行います。
 
この機会にぜひ,本物の遺物をご覧ください。
日時:令和7年8月24日(日) 午前10時30分~午後3時30分
 
展示予定遺跡
上野原遺跡・本御内遺跡・中尾田遺跡・木佐貫原遺跡・石峰遺跡・城ヶ尾遺跡・九日田遺跡・東免遺跡
7.16現在ポスター(修正)
 

ただいま開催中! むかしむかしの霧島市(きりしま国分山形屋展示)

上野原遺跡を中心とした,霧島市の縄文時代から中世までの遺跡について,パネルで紹介しています。
 
8月24日は,実際に出土した土器や石器などの遺物を展示し,埋蔵文化財センターの職員が説明を行います。ぜひご覧ください。
 
会場:きりしま国分山形屋 2階アトリウム
会期:令和7年8月13日(水)~8月28日(木)
遺物特別展示:令和7年8月24日(日) 午前10時30分~午後3時30分

ポスター

展示の様子

むかしむかしの霧島市(きりしま国分山形屋展示)

上野原遺跡を中心とした,霧島市の縄文時代から中世までの遺跡について,パネルで紹介します。また8月24日は,実際に出土した土器や石器などの遺物を展示し,埋蔵文化財センターの職員が説明を行います。

会場:きりしま国分山形屋 2階アトリウム

会期:令和7年8月13日(水)~8月28日(木)

遺物特別展示:令和7年8月24日(日) 午前10時30分~午後3時30分

 

よみがえる「河口コレクション」の世界「市来貝塚里帰り展」・かごしま遺跡フォーラム

【よみがえる「河口コレクション」の世界「市来貝塚里帰り展」】
河口貞徳氏が発掘調査した「市来貝塚」の成果を展示します。

期間:令和7年7月5日(土)~9月7日(日)
会場:いちき串木野市いちきアクアホールロビー及び展示室
時間:午前9時~午後5時(月曜日休館)

【かごしま遺跡フォーラム】
南九州西回り自動車道建設に伴う発掘調査の成果を紹介します。
日時:令和7年8月30日(土) 午後1時~午後4時10分
会場:いちき串木野市いちきアクアホール
定員:200人
参加費無料・事前予約不要
主催 鹿児島県立埋蔵文化財センター
共催 いちき串木野市教育委員会・(公財)鹿児島県埋蔵文化財調査センター











上野原遺跡と南の縄文文化展(東京展示「かごしま遊楽館」)

かごしま遊楽館(東京都千代田区有楽町)で「南の縄文文化展」を開催します。
鹿児島県で出土した縄文土器を展示します。ぜひお越しください。
 
日時:令和7年8月2日(土)・3日(日)
   
会場:鹿児島ブランドショップ東京店ギャラリースペース
   かごしま遊楽館3階
   東京都千代田区有楽町1-6-4
 
かごしま遊楽館ホームページ
 
主催:鹿児島県立埋蔵文化財センター
共催:(公財)鹿児島県文化振興財団 上野原縄文の森

山形屋(鹿児島)国史跡重要文化財パネル展示

鹿児島県内の国指定考古資料をパネル展示しています。ぜひご覧ください。

展示している遺跡
上野原遺跡,小湊フワガネク遺跡,山ノ口遺跡,前原遺跡,三角山遺跡,広田遺跡

展示場所
山形屋(鹿児島) 2-3号館3階 ブリッジギャラリー

展示期間
令和7年7月3日(木)10時 ~ 令和7年7月15日(火)15時

 

 

 

最新の分析から分かったこと(2)小牧遺跡(鹿屋市)

小牧遺跡では,縄文時代後期(約4,300年前)の土器の底部にクロゴキブリの卵鞘((らんしょう)卵を包むカプセル)の圧痕が発見されています。

クロゴキブリはかつて,近世(18世紀)以降に中国から日本に渡来した中国原産の外来種と考えられていましたが,圧痕の検出によって縄文時代から日本に存在していた可能性があることが分かりました。

このことは,4,300年前の小牧遺跡では長期的な集落を維持するための食糧が存在していたことを表しています。

上野原縄文の森では,土器と圧痕レプリカを見ることができます。

最新の分析から分かったこと(1)牧山遺跡(鹿屋市)

縄文土器の表面についたくぼみ(圧痕(あっこん)と呼びます)から,植物種子や昆虫の痕跡を探す研究が行われています。鹿児島をはじめ,九州地方の縄文時代後期・晩期の遺跡から出土した土器に,コクゾウムシの圧痕が発見されており,イネが縄文時代後期頃(約3,000年前)に朝鮮半島から伝わった証拠とされていました。

しかし,種子島にある三本松遺跡で,縄文時代早期(約9,500年前)の土器からコクゾウムシ圧痕が発見され,縄文人が貯蔵したドングリなどを食べていた害虫であることが分かりました。コクゾウムシはイネとともに日本に侵入してきた外来種ではなく,古くから日本列島に住み着いていた在来種であることが分かりました。

上野原縄文の森では,牧山遺跡の縄文時代の土器の圧痕を見ることができます。また,コクゾウムシのレプリカ(50倍)を見ることができます。

牧山遺跡の土器の圧痕電子顕微鏡写真

 

《引用・参考文献》

コクゾウムシと縄文人 世界最古の貯蔵食物害虫の発見
熊本大学国際人文社会科学研究センター
小畑 弘己