発掘調査報告書から「柳迫遺跡」(曽於市末吉町)
柳迫遺跡は曽於市末吉町深川に所在する遺跡です。令和5年度に発掘調査を行い,縄文時代後期,古代の遺物と中世の遺構が発見されました。
なかでも,中世の溝状遺構が4条検出されたことは,当時の人々の生活や行動の実態を知る手がかりとなりました。
また,縄文時代後期の遺物として,丸尾式土器や中岳Ⅱ式土器が出土しました。中岳Ⅱ式土器は,曽於市末吉町南之郷にある中岳洞穴のものが標式遺跡(特定の地域や時代・時期に流行した土器の特徴を示す指標となった遺跡)ですが,今回の発見で大隅半島における,中岳Ⅱ式土器の広がりを新たに確認することができました。
『鹿児島県立埋蔵文化財センター発掘調査報告書』(227)「柳迫遺跡」(PDF)
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企画展内覧会
4月23日,上野原縄文の森第72回企画展の内覧会を行いました。
今回のテーマは,「古代人に学ぶMOTTAINAI」です。
「再利用」や「転用」など,古代人の「知恵」と「工夫」をご覧ください。
詳しくは下記のページをご覧ください。
第72回企画展「古代人に学ぶMOTTAINAI」 » 2025年4月26日
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令和7年度の整理作業が始まりました
4月10日,令和7年度の整理作業が本格的にスタートしました。
今年度は,名主原遺跡・立塚遺跡・下城跡・岩本遺跡の整理作業を行います。
整理作業の様子は,見学もできますので,センターにお越しの際は,ぜひご覧ください。
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埋蔵文化財技術講座
令和7年2月13・14日に,市町村の埋蔵文化財担当職員を対象とした「埋蔵文化財技術講座(調査研究法)」を開催しました。
今回は「近世・近現代の文化財保護」をテーマとして,文化庁の桑波田文化財調査官を講師に招き,講義を通して現状と課題について説明していただきました。併せて,県や市町村教育委員会の活動の報告も行われました。
これからも研修を重ね,必要な技術等の向上と共に,さらなる文化財保護・活用を進めてまいります。
【参加者の感想】
- 具体的な事例や考え方を聞くことができた。報告,事例発表をされた方に感謝します。
- 桑波田調査官のお話がとても分かりやすかった。近世・近代の取扱いについて,文化庁の新たな考え方を知ることができた。
- 周知の方法や,保存修理など,市で挙がる問題に対して興味深い話を聞くことができた。
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赤外線カメラで遺物を調査
今年度,精密分析室の赤外線カメラを新しく入れ替えました。
赤外線カメラは,土器や木簡などの表面に書かれた,消えそうになっている墨文字などの判別を行うことができます。顔料や炭などの鉱物性物質が赤外線に吸収されて,センサーに黒く写るのです。
整理作業ではこのように科学の力で分析を行い,より詳しい調査を行っています。
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エントランスの展示替えを行いました
埋蔵文化財センターの1階エントランス展示を入れ替えました。上野原遺跡から出土した土器を中心に展示しています。センターに来所された際は,ぜひ,ご覧ください。
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避難訓練
毎年1月26日は,「文化財防火デー」です。昭和24年1月26日に,現存する世界最古の木造建造物である法隆寺(奈良県斑鳩町)の金堂が炎上し,壁画が焼損したことに基づいて制定されました。
埋蔵文化財センターでも毎年この日にあわせて,避難訓練を実施しています。今年は,1月24日に実施しました。
センター内から火災が発生したと想定して,職員が安全に素早く避難場所に集合できるか訓練を行い,また,避難後に消火訓練も行いました。どの訓練も,素早く適切に行うことができました。
今後も防災意識を高め,文化財愛護意識の高揚や啓発に取り組んでまいります。
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雪の上野原
下城跡発掘調査現地説明会
令和6年12月22日,今年度,発掘調査を実施している下城跡(しもじょうあと・姶良市北山)で,現地説明会を行いました。
下城跡は,戦国時代の山城跡で,これまでの調査において,多くの曲輪(建物が建っていたと思われる平坦面)や,曲輪と曲輪の間に設けられた空堀が見つかっています。
今回の説明会で,その特徴を紹介しました。
曲輪では,建物の柱跡と思われる穴や炉と思われる土が焼けた跡が見つかっていること,また,空堀では埋まった土の様子等を紹介しました。
当日は約160人の参加をいただき,みなさん,曲輪や城跡の説明を聞きながら,当時の様子に思いを馳せていらっしゃいました。
また,「南の縄文文化展」を北山伝承館で開催しました。こちらもたくさんの方々がお見えになり,発掘調査で見つかった遺物等を興味深くご覧になっていました。
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