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カテゴリー: 南の縄文調査室から

このページは、発掘調査・整理作業・報告書作成の様子や、埋蔵文化財センタ内ーのできごとを紹介します。

土器に刻まれた弥生時代の龍

線刻土器(諏訪前遺跡:南さつま市金峰町) ※ クリックで拡大します

弥生時代の土器に刻まれている想像上の生き物・龍(一部欠損)。
龍は水神とも考えられています。大陸から稲作とともに伝わったのでしょうか。辰年にふさわしい土器です。

インスタグラムでも掲載しています。
フォローよろしくお願いします。
https://www.instagram.com/kagoshima_maibun/

辰年に向けて(龍首水注)

中郡遺跡群(出水市)で出土した,中世の青白磁龍首水注(水差し)の一部です。注ぎ口を龍の頭部で表現しています。

中国の景徳鎮窯で生産されました。2.5cmほどの大きさですが,造りは精巧で,目・眉上隆起・冠毛が見られます。国内でも数例しか出土していません。

 

発掘現場から~二子塚B遺跡(大崎町)

現在発掘中の二子塚B遺跡では,多くのピット(柱跡と思われる穴)や,大きな溝跡が見つかっています。遺物では,縄文時代から古墳時代までの土器などが出土しています。

発掘調査は2月までの予定です。

多数見つかったピット

ピットと同じ調査区で見つかった溝跡

別の調査区では,さらに大きな溝跡も見つかっています。

正月準備

年内の業務も残すところあとわずかです。埋蔵文化財センター玄関に,門松が飾られました。

お隣の上野原縄文の森展示館の体験メニュー「門松を作ろう」の,かわいい作品をおすそわけしてもらいました。

【お知らせ】
インスタグラムも始めました。フォローよろしくお願いします。

埋蔵文化財センター玄関

門松

かごしま遺跡フォーラム2023動画公開

12月2日に開催した,「かごしま遺跡フォーラム2023~掘り出された鹿屋の歴史と文化~」の発表を動画(YouTube)で公開します。
当日の発表資料は以下のリンクからダウンロードできます。
「かごしま遺跡フォーラム2023資料」(PDF)
発表と合わせてご覧ください。

※ 画面が小さくて見づらい場合は,動画の右下の「全画面」をクリックすると拡大します。
※ 発表内容は,フォーラム時点での調査成果になります。その後の調査・整理作業により,詳細が変更する可能性もあります。
※ 発表動画の無断利用・複製はご遠慮ください。公開動画のリンクのコピーはご利用いただけます。

「鹿屋吾平佐多線(吾平道路)改築に伴う発掘調査の成果~名主原遺跡(鹿屋市吾平町)を中心に~」

「国道220号古江バイパス建設に伴う発掘調査の成果~近年の発掘調査を中心に~」

「東九州自動車道建設に伴う発掘調査の成果~川久保遺跡(鹿屋市串良町)を中心に~」

 

かごしま遺跡フォーラム2023 ~掘り出された鹿屋の歴史と文化~

令和5年12月2日,鹿屋市串良公民館別館で,「かごしま遺跡フォーラム2023 ~掘り出された鹿屋の歴史と文化~」を開催しました。

11回目となる今回のフォーラムでは,東九州自動車道建設,国道220号古江バイパス建設,そして鹿屋吾平佐多線(吾平道路)改築に伴う遺跡の発掘調査成果を報告しました。

また,鹿屋市教育委員会が発掘調査を行った「町田堀遺跡」,「八反田遺跡」,「岡崎古墳群」の調査成果について,鹿屋市の担当者から報告をしていただきました。

その後のパネルディスカッションでは,鹿屋の地理的環境や地形,縄文時代,弥生時代,古墳時代の特徴について,意見交換が行われました。また,会場から質問を受け,遺跡の特徴をより詳しく掘り下げることもできました。

当日は150人の参加者があり,発表者の報告にうなずいたり,メモを取ったりして,関心をもって聞かれていました。また,展示された遺物や写真パネルをご覧になり,「身近な場所にたくさんの遺跡があることを知り,よかった」,「自分たちの祖先の生活の様子がわかった」などの感想を得ることができました。

今回のフォーラムを契機として,郷土の文化財についてさらに興味をもち,地域の歴史により深く関心を寄せていただければ幸いです。

鹿児島県立埋蔵文化財センターでは,今後も定期的にフォーラムを開催する予定です。多くの参加をお待ちしております。

今回のフォーラムの資料集は,下記のリンクからダウンロードできます。

「フォーラム資料集」
https://www.jomon-no-mori.jp/category/zcenter/zcenter-forum/

開会のあいさつ(所長)

開会のあいさつ(鹿屋市教育長)

東九州自動車道建設に伴う発掘調査の成果報告

国道220号古江バイパス建設に伴う発掘調査の成果報告

鹿屋吾平佐多線(吾平道路)改築に伴う発掘調査の成果報告

鹿屋市教育委員会の発掘調査成果報告

パネルディスカッションの様子

閉会のあいさつ((公財)鹿児島県文化振興財団埋蔵文化財調査センター長)

11月開始の現場から

11月から発掘調査を開始した遺跡があります。今回はその様子を紹介します。

「虎居城跡」
虎居城跡は,薩摩郡さつま町にある縄文時代から中世山城跡の遺跡です。平成20・21年度に「川内川激甚災害対策特別緊急事業」のために発掘調査行いました。その後は,「北薩広域公園整備事業」のために継続して調査を行ってきました。今回も公園整備事業の調査になります。

調査は始まったばかりで,まずは環境整備や調査区の設定から行いました。掘り下げたところ,中世・近世の陶磁器や瓦などが見つかっています。

虎居城跡発掘調査の様子・周辺の環境整備

虎居城跡発掘調査の様子・調査区掘り下げ

 

「二子塚B遺跡」二子塚B遺跡は,曽於郡大崎町にある遺跡です。「県道黒石串良線道路整備」のために,令和4年度から発掘調査を行っており,その時の調査で縄文時代の竪穴建物跡や土器,弥生時代の土器,古墳時代の土坑や竪穴建物跡が見つかっています。

今年度も既に多くの遺物が出土しています。昨年度よりも,もっと貴重な発見があるかもしれません。

二子塚B遺跡発掘調査の様子

二子塚B遺跡発掘調査の様子・遺物が多数出ています

どちらの遺跡も調査が始まったばかりです。詳細はまた改めて紹介したいと思います。

企画展内覧会

10月19日,『上野原縄文の森第68回企画展「人のあゆみとジオストーリー~南九州の火山と生きた人びと~」』の内覧会を行いました。

今回の企画展は,火山や地形などの地質遺産と,発掘された遺構・遺物という歴史遺産との関わりから,火山や地震,災害等と共存してきた歴史について紹介します。

内覧会での意見をもとに,その展示準備を着々と進めております。

ぜひご覧ください。

【展示期間】

令和5年10月21日(土)~令和6年1月8日(月・祝)

内覧会の様子

土器をよみがえらせる「復元」~整理作業から~

発掘調査で見つかった土器は,ほとんどが破片でバラバラの状態で見つかります。使っていた土器が割れてしまったから捨てたり,地中に埋まっている間に土の重みで割れてしまったりするからです。

そんなバラバラの状態で見つかった土器の破片から,同じ個体の破片を探してくっつける作業を「接合」といいます。今回はその次の作業,「復元」について紹介します。「復元」は文字どおり割れた土器をもとの形に直す作業です。埋蔵文化財センターでは現在,2人の整理作業員さんがこの作業に当たっています。

土器の形を「復元」するために,破片の一つ一つをていねいに専用の接着剤で付けていきます。このとき,土器の底部または上部からつなげていきますが,隣り合う土器の面と面をしっかり合わせることが重要です。そうしないと,形に歪みが出て,最後でうまくつながらないことがあるからです。

土器は時代ごとに形や文様・飾りが異なります。また,ひとつひとつが昔の人の手作りであり,個体によって器形が微妙に違います。その細かな差を考慮して復元していきます。

土器片が見つからなかった部分は石こうなどで埋めます。このときも,もともとの土器の厚さや傾きに合わせて埋めていきます。継ぎ足したり削ったり,細かな調整を繰り返していきます。また,写真撮影にあわせて,色合いを整えるため石こう部分に色を塗ることもあります。

このように,復元作業は様々な配慮が必要になりますが,熟練の作業員さんの手によって,その姿が現代によみがえるのです。

復元に使う道具① ヘラやアートナイフ,接着剤

復元に使う道具② 石こう

復元に使う道具③ ドライヤーは色塗り時に使います

土器を底部から復元しています

型紙をあてて,形を確認します

接着剤が乾くまで,洗濯バサミで固定します

土器の上部までつながりました

口縁部(一番上の部分)の歪みも再現します

実測(土器の大きさや厚さを調べて図化する)のために,あえて途中までしか復元しないこともあります

鹿児島県内に遺跡はいくつ? どこにあるの? ~遺跡GIS~

みなさんは,鹿児島県内にいくつ遺跡があるかご存知でしょうか。
100? 200? 1000?

実は,鹿児島県内には,およそ8600か所の遺跡があります。もちろん,その全てを発掘調査しているわけではなく,土器などの表面採取(地中の埋蔵文化財が耕作などで地上に現れ,見つかること。)や,試掘調査(限られた範囲を掘って遺跡の有無を確かめる。)などによって,遺跡と認定されているものもあります。規模や範囲,時代も様々ですが,どれも昔の人々の生活を知るために貴重なものです。

では,実際,どこに遺跡があるのか。それを調べるのが「遺跡GIS」です。「GIS」とは,「Geographic Information System」の略で,日本語では「地理情報システム」と訳されます。地球上に存在する建物や事象の位置情報を,コンピュータの地図上に可視化・表現します。

鹿児島県立埋蔵文化財センターでは,県内の遺跡に関する情報を,「埋蔵文化財情報データベース」としてインターネット上で公開しています。その中に「遺跡分布地図検索」(GIS)があります。

「埋蔵文化財情報データベース」
https://www2.jomon-no-mori.jp/kmai_public/index.html

上記の画面で「遺跡分布地図検索〔簡易版〕」をクリックします。

その後,画面が切り替わります。画面上部のタブで「地図で検索」を選びます。 この画面が表示されたら,調べたい市町村をクリックします。例として,ここでは「鹿児島市」をクリックします。

すると,「鹿児島地区」が表示されるので,「鹿児島市」をもう一度クリックします。

鹿児島市全体の地図と,遺跡位置図が表示されます。

地図をスクロールしたり,拡大したりして,遺跡の範囲をより詳しく確認できます。
画面右側の「表示地図内の遺跡を一覧で見る」をクリックすると,遺跡の詳細を見ることができます。

このように,「遺跡GIS」を利用することで,遺跡の位置や詳細を調べることができます。みなさんの住まれている地域にも,たくさんの遺跡があるかもしれませんよ。地域の歴史を知りたくなったら,「遺跡GIS」を,ご活用ください。

また,今回紹介した「埋蔵文化財情報データベース」では,時代やより詳しい遺跡の情報,発掘調査によって見つかった遺構や遺物の写真・図面も検索できます。こちらの活用方法についても,近日中に改めてご紹介いたします。