曽畑式土器(黒川洞穴:日置市吹上町)
官軍兵士眠る(岩川官軍墓地:曽於市)
弥生時代の鉄鏃 (大崎町:永吉天神段遺跡)
弥生時代中期(約2,300年前)のお墓の中から出土しました。県内でも一番古い時期の鉄製品になります。
戦いで鉄鏃が刺さって亡くなった人を埋葬したものなのか,副葬品なのか,はっきりと分かっていません。
報告書
『公益財団法人鹿児島県文化振興財団 埋蔵文化財調査センター発掘調査報告書』(27)「永吉天神段遺跡5 第2地点-3」(第1分冊)
『公益財団法人鹿児島県文化振興財団 埋蔵文化財調査センター発掘調査報告書』(27)「永吉天神段遺跡5 第2地点-3」(第2分冊)
『公益財団法人鹿児島県文化振興財団 埋蔵文化財調査センター発掘調査報告書』(27)「永吉天神段遺跡5 第2地点-3」(第3分冊)
西南戦争の銃弾(伊佐市:高熊山激戦地跡)
明治10(1877)年,西南戦争の大口攻防では、西郷軍の辺見十郎太(へんみじゅうろうた)が指揮する雷撃隊(らいげきたい)が伊佐市坊主石山(ぼうずいしやま)に,池辺吉十郎(いけべきつじゅうろう)指揮する熊本隊が高熊山に陣を構え,堡塁(ほうるい)(塹壕)を築いていました。6月13日から20日まで,髙熊山や坊主石山で政府軍と激しい戦闘が行われました。
高熊山の発掘調査では,9基の堡塁跡と銃弾や薬莢,砲弾の可能性のある鉄製品などが出土しました。
報告書
『鹿児島県立埋蔵文化財センター発掘調査報告書』(210)「滝ノ上火薬製造所跡・高熊山激戦地跡・チシャケ迫堡塁跡群・岩川官軍墓地」
埋蔵文化財技術研修講座
埋蔵文化財センターでは,市町村の担当職員向けに,発掘調査の技術向上・支援・情報交換のために研修講座を実施しています。今回は,「近世・近代遺跡の取り扱い」をテーマとして,1月18日・19日に開催しました。
18日は,「埋蔵文化財保護行政の現状と課題」について,文化庁の桑波田武志調査官に講演していただきました。昨今の文化財保護をめぐる社会動向をはじめ,近世・近代遺跡の特性や,今後取り組むべき事項などについて,説明していただきました。
19日は,講座および事例発表を実施しました。講座は,「石造物の取り扱いについて」と題して黎明館の西野元勝さんと,「戦跡の公開と活用について」と題して知覧特攻平和会館の八巻聡さんに,説明・紹介していただきました。
事例発表では,鹿屋市・瀬戸内町の担当職員,及び(公財)鹿児島県文化振興財団埋蔵文化財調査センター職員に,近世や近代遺跡をどのように調査し,また,その成果を報告していただきました。
最後に,全体で質疑応答・意見交換を行い,研修の内容を深めることができました。
2日間の研修で得られた内容を,今後の調査で活かしていただけることを期待しています。
参加者の感想から
・ 近世・近代の文化財について考えるきっかけとなりました。
・ 3DCGデータなど,新しい技術の紹介がありよかったです。
・ 各市町村の取り組みを知るよい機会になりました。