大口高等学校での出前授業
7月27日,鹿児島県立大口高等学校でワクワク考古楽を実施しました。
授業では,始めに埋蔵文化財センターが実施した発掘調査の結果をもとに,鹿児島城御楼門や上野原縄文の森の竪穴住居の復元が行われたことを紹介しました。
土器の底の圧痕(土器作りの過程で植物の種実や昆虫・貝などが粘土の中に混入し,土器を焼成した際に焼け落ちて空洞になったもの)の調査によって,縄文時代後期に安定した食糧資源があったことが裏付けられたこと,さらに,南九州には多くの火山があり,その噴出物が積もった地層の年代測定を手掛かりとして,発掘調査していることも紹介しました。中でも鹿児島の代表的な縄文時代早期の遺跡として,上野原遺跡について紹介し,鹿児島独特の文化があったことにも触れました。
次に,縄文時代から古墳時代までの土器の移り変わりとその特徴について説明しました。
伊佐市には,塞ノ神(せのかん)式土器や手向山(たむけやま)式土器と呼ばれる縄文時代早期の土器型式の標式遺跡(特定の地域や時代・時期に流行した土器の特徴を示す契機となった遺跡)があることを紹介しました。他にも,時代ごとの土器の特徴を感じられるように,伊佐市下鶴遺跡で出土した弥生土器,土師器,須恵器などの実際の遺物にも触れて観察しました。
生徒たちは,発掘調査の結果からわかった縄文時代の人々の暮らしの特徴について,興味をもって聞いてくれました。
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第61回企画展「新発見! かごしまの遺跡2021~発掘調査速報展~」が始まりました
7月17日(土),上野原縄文の森第61回企画展「新発見! かごしまの遺跡2021~発掘調査速報展~」が始まりました。
今回の企画展は, 令和2年度に鹿児島県立埋蔵文化財センター及び(公財)埋蔵文化財調査センターが,発掘調査を実施・報告書刊行した遺跡の成果を紹介します。
江戸時代の犬追物馬場跡が確認された鹿児島城跡(鹿児島市)や,縄文時代前期から中期の土器が多く出土した細山田段遺跡(大崎町),国内最古級となる弥生時代前期後半の準構造船の舷側板(げんそくばん)が出土した中津野遺跡(南さつま市)など,最新の鹿児島の歴史をご覧ください。
〇 今回紹介する遺跡
■ 近代
遺跡西南戦争関連遺跡【滝ノ上火薬製造所跡】(鹿児島)・【高熊山激戦地跡】(伊佐市)・【チシャガ迫堡塁跡群】(霧島市)・【岩川官軍墓地】(曽於市)
■ 近世
鹿児島城跡【犬追物馬場・火除地】(鹿児島市)
■ 中世
北山遺跡(阿久根市),川久保遺跡(鹿屋市)
■ 古代
立塚遺跡(鹿屋市),久保田牧遺跡(鹿屋市),原村遺跡(曽於市)
■ 古墳時代
六反ヶ丸遺跡(出水市)
■ 弥生時代
立塚遺跡(鹿屋市),中津野遺跡(南さつま市)
■ 縄文時代
牧B遺跡(曽於市),原村遺跡(曽於市),細山田段遺跡(大崎町),山ノ段遺跡(出水市),小牧遺跡(鹿屋市)
■ 旧石器時代
小牧遺跡(鹿屋市),川久保遺跡(鹿屋市)
■ 新指定文化財
出水貝塚出土品(出水市・河口コレクション)
〇 開催期間
令和3年7月17日(土)~11月7日(日)
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鹿児島城跡調査のテレビ取材
7月5日,鹿児島城跡の整理作業の様子を,KKB鹿児島放送スタッフの方々が取材に来ました。
鹿児島城跡はこれまで遺跡現地での取材が多かったですが,今回は埋蔵文化財センター内で行われました。
鹿児島城跡から出土した遺物の整理作業の様子,担当者による鹿児島城跡の瓦の特徴や産地を説明する様子を撮影しました。
これらの取材内容は,7月6日のKKB鹿児島放送の「Jチャン+」内で放送されました。
その内容は,下記のリンクからご覧いただけます。
『鹿児島城跡「大奥」のナゾに迫る!発掘調査で絵図の場所から・・・~鹿児島城跡発掘調査~』”Jチャン+”特集(7月6日(火)放送)
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鹿児島城跡の発掘調査がKKB鹿児島放送で紹介されます
尾野見小学校での出前授業
7月1日の午後からは,志布志市立尾野見小学校でワクワク考古楽授業支援(出前授業)を行いました。
子どもたちは,約4,300年前の土器の裏の圧痕(土器に残った当時の布や虫の痕)からクロゴキブリの卵が発見されたことや,1年を1㎜に換算した長さの年表で表すと縄文時代は長さ約14mにも伸びていくことに,驚いていたようでした。
本物を触る授業では,縄文土器はザラザラ,弥生土器はスベスベしていると,手で触った感覚の違いを実感していました。さらに,縄文時代の石鏃は打製石鏃で小型のものが多く狩猟用であること,弥生時代の磨製石鏃は戦いに用いられていたことなど,実物を触りながら実感していました。
本物に触れることで,授業で学習した縄文時代と弥生時代の生活の違いを再確認できたようです。
また,校長先生が埋蔵文化財センターで勤めていたときの写真を見て(前任が埋蔵文化財センター勤務),子どもたちは不思議そうな様子でした。
埋蔵文化財センターでは,ワクワク考古楽授業支援(出前授業)の申し込みを受け付けております。本年度は種子島の学校での授業実施も予定しておりますので,種子島の学校で希望がありましたら,連絡いただければと思います。
埋蔵文化財センターを遠慮なく,ドシドシ活用してください。
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岩北小学校での出前授業
7月1日は,2つの小学校でワクワク考古楽授業支援(出前授業)を行いました。
まず午前は,曽於市立岩北小学校でした。3校時に,5・6年生に授業を行いました。これまでに子どもたちは,縄文時代が一番長く続いた時代であることを学習していましたが,1年を1㎜に換算した年表で表すと約14mとなり,その伸びていく年表の長さに驚いていたようでした。
次に,上野原遺跡(霧島市)や学校周辺の遺跡である原村遺跡(曽於市末吉町)について紹介しました。原村遺跡から出土した本物の土器や石器に触れて,縄文時代の生活を体感したようでした。
4校時は,全校児童で火起こし体験を行いました。上野原縄文の森の職員からレクチャーを受け,一生懸命火起こしに取り組んでいました。子どもたちといっしょに,先生方も息を切らしながら取り組んでいました。火を起こす大変さを学んだことと思います。
また,今回は曽於市広報の方が,取材に来られていました。近いうちに曽於市市報に紹介されるかもしれません。
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潤ヶ野小学校での出前授業
6月23日,志布志市立潤ヶ野小学校で,5・6年生にワクワク考古楽を実施しました。
5校時は,「地域の歴史や史跡,文化財を知ろう」というめあてで学習を進めていきました。
初めに,日本を代表する縄文時代の遺跡である上野原遺跡が鹿児島にあることにふれ,早い時期から大規模な集落があったことを紹介しました。また,鹿児島は多くの火山やカルデラがあり,火山の堆積物によって地層ができていること,人々は火山とともに生活してきたことを確認しました。
次に,地域の歴史として,潤ヶ野小周辺の遺跡について紹介しました。学校が多くの遺跡に囲まれていることにも興味をもっていましたが,特に潤ヶ野小自体が遺跡の上に建っているということに,子どもたちはとても驚いていました。
また,多くの土器に触れ文様を確認しながら重みを実感したり,石器はどのように使っていたのか持ち方を考えたりしました。
6校時は,火起こし体験を行いました。舞錐(まいぎり)をバランスよく下ろして火を起こすのが難しかったようですが,「自分の力で火をつけたい」と一生懸命取り組んでいました。どの子も汗びっしょりになりながら,火を起こすことができました。
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南永小での出前授業
6月8日,伊佐市立南永小学校で,ワクワク考古楽を実施しました。
まず,これまでの発掘調査の結果から分かった鹿児島の縄文時代の様子について,紹介していきました。子どもたちは,鹿児島で出土する土器の多くは縄の文様でなく,貝でつけられた文様であることに驚き,土器を見ながらどの部分が貝でつけられたところかを探していました。
また,実際に土器に触れながら古い順に並び替えたり,様々な石器の用途を考えたりすることができました。
最後に,これまでの授業で学習したことや今回の授業について質問タイムを設けました。縄文時代の人々の服装や住居など当時の人々の生活をより深く考える時間になりました。
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ただ今発掘中! ~久保田牧遺跡(鹿屋市吾平)~
久保田牧遺跡は,鹿屋市吾平町にある遺跡です。大隅縦貫道の建設工事に伴い,令和元年度から発掘調査を行っています。令和3年度も,6月から調査を開始しました。
現在は,表土(現代の地面)を重機で剥ぎ取り,その下の古代から中世の地層を少しずつ掘り進めています。
昨年度までの調査で,古墳時代の竪穴建物跡や古代・中世の溝跡・掘立柱建物跡,文字の書かれた墨書土器などが見つかっており,さらなる成果が期待されています。
また,発掘現場は民家に近いということもあり,騒音対策や振動に気を付けながら調査を行っています。
調査期間は,令和4年1月までを予定しており,発掘調査の様子は見学もできます。詳しくは,埋蔵文化財センターまでご連絡ください。
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佐多小学校での出前授業
6月17日,南大隅町立佐多小学校で,ワクワク考古楽出前授業を5・6時間目に行いました。
5時間目では,6年生に縄文時代の遺跡を紹介し,発掘調査でわかったことから昔の人々がどのような暮らしをしていたか,衣・食・住の観点に分けて説明しました。これまでの授業で学習したことを振り返りながら,興味深く聞いていました。
また,同町内にある大泊貝塚から見つかった縄文時代の土器片を持参し,実際に触ってもらいました。子どもたちは,土器の文様を観察したり,重さや厚みを実感したりしていました。中には破片どうしがくっつかないかと,接合を試してみる子どももいました。
6時間目は,5年生も加わり,火起こし体験を実施しました。「舞錐(まいぎり)」を使って火を起こすのは大変でしたが,先生方の手伝いもあって,どの子も火を起こすことができました。
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