大口高校での出前授業
7月31日,鹿児島県立大口高校で「わくわく考古楽」の出前授業を行いました。
まず,埋蔵文化財センターの業務である発掘調査や報告書作成について説明しました。
次に,伊佐地区に残る西南戦争に関連する遺跡を紹介し,その当時の様子を文献資料をもとに説明しました。
また,実際に今年5月31日から6月7日まで行った高熊山激戦地跡の発掘調査から明らかになったことを,調査時の写真や遺物などを交えて,説明しました。
生徒たちは今回の授業を通して,西南戦争の詳しい経緯を学び,出土した本物の資料を見ることで,地域の歴史や身近に残る遺跡に関心を深めたようでした。
(生徒たちの感想から)
・ 自分たちの生まれた土地で起きた出来事をよく知らなかったが,今回の授業で地元で起きた西南戦争の内容をよく知ることができた。
・ 地元の遺跡や物にもっと興味を持っていろいろな場所に行ってみたいと思った。
・ 普段受けない授業だったので,すごく面白かった。これからも,様々な機会を通して色々な歴史に触れていきたいと強く思った。
埋蔵文化財センターのフェイスブックを開設しました
鹿児島県立埋蔵文化財センターのフェイスブックを開設しました。
https://www.facebook.com/kagoshima.maibun/
当センターが行っている発掘調査や整理作業,普及啓発活動の様子をお知らせします。また,鹿児島県内の埋蔵文化財に関する情報も紹介します。
ホームページ同様に,ご活用ください。
令和元年度パワーアップ研修講座
7月25日(木)・26日(金)と8月1日(木)・2日(金)に,学校の先生方を対象としたパワーアップ研修講座(10年経験者研修)を実施しました。
先生方は,1日目に埋蔵文化財センターの業務の説明を受けた後,実際に土器洗いや拓本作業を体験しました。また,埋蔵文化財を活用した授業の実際例について学びました。
2日目は,主に上野原縄文の森の施設見学と体験活動を行いました。最後に,埋蔵文化財を活用した授業づくりに関する検討を行い,参加者で意見交換をしました。先生方は熱意をもって真剣に,ときには楽しみながら受講されていました。今回の研修が,先生方の学習指導の充実につながれば大変ありがたいことです。
来年度対象となっている先生方も,ぜひ本研修にご参加ください。授業のアイデアがたくさん得られることと思います。
(先生方の感想から)
実際に土器や石器に触れることができて,貴重な経験でした。
今回の研修を通して,鹿児島の歴史について改めて知ることができました。
今の生活は,古代の人々の生活の上に成り立っているものなんだとわかり,ぜひ,子どもたちにもこれを感じてほしいと思いました。



鹿児島城跡の発掘調査が始まりました
鹿児島城跡の発掘調査が7月から始まりました。
前年度までの調査と同じように,トレンチ(確認箇所)を設定して掘り下げ,遺構がどの程度どれくらいの深さで残っているかを調査して記録します。今年度は,黎明館城山側や黎明館と国道10号との間を調査する予定です。
現在,鹿児島城跡の正面では御楼門建設が進んでおり,7月29日(月)には上棟式が行われました。復元に当たっては,御楼門の基礎部分や屋根を飾る鬼瓦など,これまでの発掘調査の成果も取り入れられています。
これからの発掘作業は暑さ対策も大切になってきます。体調管理に十分気をつけながら調査を進めていきます。



安全パトロールの実施(久保田牧遺跡・廣牧遺跡)
6月20日,鹿屋市吾平町にある久保田牧遺跡と廣牧遺跡の安全パトロールを行いました。両遺跡とも,6月から発掘調査が始まった遺跡です。
安全パトロールは,発掘調査が安全・安心な環境のもとで実施できるよう,センター職員が直接現場の見回り・点検を行う活動です。
今回安全パトロールを行った両遺跡とも,道具の整理整頓,通路の整備や安全柵の設置など,作業環境は適切に管理されていました。現場内は重機やベルトコンベヤーが動いていますが,これらに対しても注意喚起が行われていました。
今後も安全に気を付けて,またこれからの時期は熱中症や台風・大雨対策も行いながら,発掘作業を続けていくことを担当者と確認しました。
センターでは,遺跡ごとに定期的な安全パトロールを実施しています。
埋文だより第79号
鹿児島城の瓦の整理指導
鹿児島城跡の調査では,たくさんの瓦が出土しています。現在復元中の御楼門に使われていたと思われる瓦も見つかっています。瓦もその種類は様々で,軒丸瓦・軒平瓦・小菊瓦・鬼瓦などがあります。また,時代ごとに特徴が少しずつ違うため,それらの分類が重要になってきます。そこで,6月10・11日に,瓦の研究者である金子智氏を招いて瓦の分類や作成技術についての指導をいただきました。
このように,遺跡の発掘調査報告書は,作成担当者をはじめ多くの方々の協力によって出来上がります。
鹿児島城跡の発掘調査報告書の第一弾は,今年度刊行予定です。今回の指導内容も含め,発掘調査の成果報告にご期待ください。
研究紀要「縄文の森から」の訂正について
研究紀要「縄文の森から」の11号のデータに誤りがありました。
6月24日付で修正をしましたので,改めてデータのダウンロードをお願いします。
申し訳ございません。
発掘調査が始まりました~牧B遺跡(曽於市末吉町)
牧B遺跡は,曽於市末吉町檍にある遺跡です。飯野松山都城線(末吉道路)整備に伴う工事のために,6月から発掘調査を開始しました。
平成28年度に行った確認調査では,縄文時代の土器が見つかっています。今回の調査でも,縄文時代の人々の生活の跡が見つかるのではないかと思われます。今後の成果にご期待ください。
発掘調査の様子は,見学できます(ただし,土日祝・月末を除く)。見学を希望される団体や個人の方は,事前に埋蔵文化財センターまでお問い合わせください。
企画展講演会がありました~南種子町立茎南小学校・大久保浩二校長先生
6月1日,上野原縄文の森で開催中の第54回企画展「バックナンバー 古の美術品Ⅱ~新聞でみた考古資料~」の講演会がありました。
講師は,埋蔵文化財センターの前次長で,現在は南種子町立茎南小学校の大久保浩二校長先生でした。
講演では,現在の勤務校の紹介に始まり,企画展で展示されている遺物の紹介,ご自身が関わった遺跡の発掘調査当時のエピソードを,ユーモアを交えながら語っていただきました。
会場の皆さんも,話に聞き入ったり声を上げて笑ったりと,和やかな雰囲気でした。
今回の講演で,多くの方々に県内の遺跡・遺物のすばらしさを理解していただけたと思います。
大久保校長先生,ありがとうございました。
関連ページ 第54回企画展「バックナンバー 古の美術品Ⅱ~新聞でみた考古資料~」