埋文だより78号
南の縄文調査室から平成31年2月
- 平成31年2月5日(火)
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20数年前からタイムスリップ!上野原遺跡の集石出現‼ 上野原遺跡の集石遺構(切り取り資料) 20数年前の上野原遺跡の切り取り資料を収蔵庫の奥から引っ張り出してみました。遺構の周りを充填していた発泡ウレタンを持ち上げると,発掘当時のままの集石遺構が出現しました。
今後,土が崩れないように遺構の周りを補強する作業が行われます。そう遠くないうちに,皆さんにお披露目できるのではないかと思います。切り取り資料の大きさは,横140㎝,縦120㎝です。 -
20年が経っているとは思えないほどの生々しい土の質感です。
※3枚目の写真をクリックすると,遺構出現の瞬間がご覧頂けます。(別画面が開きます。)集石遺構切り取り移設作業の様子(当時)
埋文だより第77号
南の縄文調査室から平成30年10月
- 平成30年10月29日(月)
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県立埋蔵文化財センター2階「廊下一品」コーナー 足形土製品【渡畑・芝原遺跡(南さつま市)】 センター2階「廊下一品」コーナーの展示品を入れ替えました。
今回の展示品は,縄文時代(約4,000年前)の足形土製品です。
カッパ!恐竜?の足を思わせる,この不思議な形の土製品は,万之瀬川下流の川岸の二つの遺跡からそれぞれ出土しました。足首のほうは渡畑遺跡からで,足のほうは芝原遺跡からです。
足首と足の出土地点の距離はわずか80mほどですが,まず出土した時期が異なります。また,渡畑,芝原の二遺跡は,隣接しているとはいえそもそも別々の遺跡です。普通でしたら,この二つがくっつくことは,まずなかったでしょう。
それでもこうやって,足の形に復元できたのは,縦に流れるように施される沈線という特徴もさることながら,「あんなものがあった」と当時の調査員の記憶にこの二つが強く残っていたからでしょう。それだけ変わった特徴を持つ土製品です。
ぜひ,埋蔵文化財センターにお越しの際は,4,000年ぶりに一つになった足形土製品の姿をご覧ください。
縦に流れる沈線とつま先の小さな指が特徴。足のサイズは10.5㎝,高さ約8㎝。 -
写真にカーソルを乗せると,拡大して表示されます。
かごしま遺跡フォーラム2018
「河口コレクションとは?」の疑問に答える! ~第1弾・山ノ口遺跡~
この報告書は,「河口コレクション整理活用事業」に伴い,平成28年度~29年度に整理作業を行った肝属郡錦江町馬場に所在する山ノ口遺跡の発掘調査の記録です。
山ノ口遺跡は,昭和33年~36年に故河口貞徳氏が主体となって,発掘調査が実施されました。南九州の弥生時代中期を代表する標式遺跡であるとともに,環状の配石遺構の周囲に岩偶などの軽石製品や孔が開けられた多数の土器などが出土した祭祀遺跡として学史的にも著名です。
報告書の中では,現代的な視点での山ノ口遺跡の再検討はもちろんのこと,河口氏の発掘調査歴一覧や氏所有の資料が寄贈されるまでの経緯,寄贈されたコレクションの内容なども掲載されています。まさに「河口貞徳コレクションとは何か?」という疑問に答えることができる報告書となっています。
※今回紹介した県立埋蔵文化財センター発掘調査報告書(195)「山ノ口遺跡」は,こちらからダウンロードできます。
鹿児島城跡で整理作業を行っています
今年度の鹿児島城跡の発掘調査は,整理作業も同時に行っています。なんと,発掘現場で整理作業をしています。これまでの調査で見つかった遺物(瓦など)の水洗い,接合を主に行っています。
また,瓦の専門家の先生もお招きし,鹿児島城跡で見つかった瓦を見ていただきました。復元される御楼門の瓦の選定の参考にする予定です。
埋文だより第76号
鹿児島(鶴丸)城跡現地説明会を開催しました!
紀要第10号

-考古学の調査成果から-
川口 雅之
立小野堀地下式横穴墓群における地表構造及び木材閉塞方法
藤島 伸一郎
鹿児島県大隅半島における弥生時代中期の
竪穴住居跡の平面構造について
湯場﨑 辰巳
地下式横穴墓の赤色顔料について
-立小野堀遺跡の検討をとおして-
武安 雅之
---------------年報
平成28年度