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カテゴリー: 鹿児島県立埋蔵文化財センター

指宿商業高等学校の遺跡見学

令和3年10月19日(火)と22日(金),指宿市立指宿商業高等学校の生徒さんたちが,光台寺跡の現場見学に訪れました。

まずはじめに,発掘調査区の側面にある石垣について,明治時代の廃仏毀釈で今和泉島津家の菩提寺である光台寺も廃寺となり,その際に壊された仁王像が石垣の修復の一部に使われていたことなどを説明しました。

次に発掘している様子を実際に見学し,出土した遺物の説明をしました。作業員さんに発掘道具を見せてもらい,実際に掘る体験をしたり,質問をしたりする様子も見られました。

また,今回の調査で多くの瓦が出土していますが,その中で鹿児島城跡でも出土している瓦と同じスタンプ(刻印)のついている瓦が出土していることや,薩摩焼(白さつま),青磁や白磁,さらに琉球製の陶器などが出土していることに驚いていました。

調査区の側面に残る石垣を紹介

発掘調査の方法を説明

発掘調査で見つかった遺物を紹介

 

今和泉小学校での出前授業

令和3年10月21日(木),指宿市立今和泉小学校で,5・6年生にワクワク考古楽授業支援(出前授業)を行いました。

当初,学校の近くで発掘調査中の光台寺跡の現場見学を予定していましたが,雨天のため学校での授業に変更しました。

授業ではまず,明治時代の廃仏毀釈と光台寺について,クイズ形式で理解を深めていきました。廃仏毀釈により,大事にされてきたであろう光台寺が壊されてしまったことや,当時鹿児島県内にあった1,066の寺院がすべて壊されてしまったといわれていることに,とても驚いていました。

次に写真を使って,発掘調査の様子の説明や出土した遺物について紹介していきました。子どもたちは,出土した瓦や陶磁器などを手に取り,興味深く観察していました。

瓦や皿などの遺物が,多く出土していることにも驚いていました。特に,中国や琉球(沖縄)で作られた陶磁器が見つかっていることに,大変興味をもっていました。

今回の授業を通して子どもたちは,当時の人々の生活を思い浮かべることができたようでした。

 

光台寺についてクイズ形式で学習しました

発掘調査の様子を写真で紹介

出土した遺物を手に取って観察

試掘調査

10月18日,志布志市の道悦(どうえつ)遺跡において「試掘調査」を行いました。

「試掘調査」とは,開発などの工事前に,埋蔵文化財の有無を確認するために行う部分的な発掘調査のことをいいます。

今回は,重機(バックホー)を使い,4本のトレンチ(試し掘りの穴)を掘って調査を行いました。

重機で掘るといっても一度に掘ってしまうのではなく,幅2mほどの長方形の範囲を,地面と水平に少しずつていねいに掘り下げていきます。その際,地層の色や質(粘土質・砂質・火山灰層)の違いなどを観察しながら,途中で土器などが出てこないか,住居の跡などが見つからないか,確認しながら掘り進めました。

試掘調査で埋蔵文化財が確認された場合,遺跡の範囲や時代をより正確に把握する「確認調査」,全面的に発掘を行う「本調査」へと進みます。

遺跡の発掘調査は,このように様々な段階を経て行われているのです。

トレンチの場所を設定します

重機で少しずつ掘り下げていきます
地層の色や質,遺構や遺物の有無を確認します

トレンチ内の地層の色や質を記録します

トレンチは,試掘後に埋め戻します

 

 

神川小学校での出前授業

10月6日,錦江町立神川小学校で,ワクワク考古楽授業支援(出前授業)を行いました。

今回の授業は,5年生12名を対象に,「わたしたちの地域にある遺跡や文化財について知ろう」というめあてを立てて実施しました。

まず,姶良カルデラや阿多カルデラについて説明し,噴火の影響や土地の利用を考えさせました。

次に,本物の縄文土器に触れ,その形や文様をスケッチして,気づいたことを発表しました。

また,錦江町内の山ノ口遺跡について紹介し,遺跡から出土した土器を観察しました。

授業の後は,外に出て,火おこし体験に挑戦しました。「まいぎり」と「火きりうす」を使って,一生けん命に汗をかきながら取り組み,全員が火おこしに成功することができました。火が点いたときは,とても喜んでいました。

子どもたちは今回の授業を通して,身近に重要な文化財があることを知り,地域の歴史や昔の人々のくらしに関心をもつことができたようでした。

当日の指導案はこちらからダウンロードできます。

鹿児島県の地形を説明

土器の文様を見てみよう

文様をスケッチ中

山ノ口式土器を紹介

みんなで火おこしに挑戦!

 

 

立塚遺跡(鹿屋市吾平町)現地説明会開催について

現在,発掘調査中の立塚遺跡で,現地説明会を開催します。

開催日時:令和3年11月6日(土) 午後1時30分~4時 (受付開始 12時30分~)
実施内容:遺跡の概要説明・遺跡や出土品の見学
開催場所:立塚遺跡(鹿屋市吾平町麓)
対  象:鹿屋市にお住まいの方
参加定員:80名程度
申込方法:電話による事前申込をお願いします
0995-48-5815

現地説明会参加にあたっての注意事項(詳細はこちらのチラシをご覧ください。)
① 新型コロナ感染拡大防止のため,マスク着用,来跡時の検温及び体調確認,並びに手指のアルコール消毒にご協力ください。
② 付近は住宅地となっております。また,駐車場入り口までの道幅が狭くなっております。交通安全に十分に注意してください。
③ 来跡時及び帰宅時は図の矢印のとおり一方通行とします。
④ 駐車場内では,安全確保・混雑緩和及び出車をスムーズに行うために駐車位置を誘導員が指示させていただきます。
⑤ 帰宅時の出庫の順番等については誘導員が指示させていただきますので,ご協力ください。また,交通安全の確保及び渋滞緩和のため,左折での出庫をお願いします。

現地説明会チラシ表面(クリックで拡大します)

現地説明会チラシ裏面(クリックで拡大します)

~奄美大島・徳之島の調査~ 令和3年度第2回河口コレクション

 今回の展示では,奄美大島と徳之島の遺跡について紹介します。

 奄美諸島における河口氏の遺跡調査は,1954(昭和29)年の奄美大島学術調査団として行った奄美市宇宿貝塚の発掘調査から始まり,1984(昭和59)年の沖永良部島に所在する中甫洞穴の発掘調査まで続けられました。その間,奄美諸島の土器編年を中心に研究を進め,多くの論文を発表しています。

 これらの調査により,鹿児島県本土から約400㎞離れた奄美大島や徳之島の先史文化が明らかになりました。また,さらに約200㎞先に位置する沖縄における遺跡の解明にも大きく寄与しました。

 その調査成果と出土品を,上野原縄文の森でご覧ください。

【展示期間】
 令和3年9月18日(土)~令和4年1月14日(金)

【今回紹介する遺跡】
 宇宿貝塚(奄美市笠利町宇宿)
 朝仁貝塚(奄美市名瀬大字朝仁)
 嘉徳遺跡(瀬戸内町嘉徳)
 喜念貝塚(伊仙町面縄)
 面縄貝塚(伊仙町面縄)

夏の研修講座

 埋蔵文化財センターでは,学校の先生方や市町村の埋蔵文化財担当者向けに研修講座を開講しています。

 今年も,7月29・30日に「パワーアップ(10年経験)研修講座」の1回目を,8月5・6日に「パワーアップ研修講座」の2回目と「先生のための考古学講座」,「埋蔵文化財専門職員養成講座(初級講座)」を実施しました。

 いずれの講座も,1日目は埋蔵文化財センターの業務と役割について紹介し,土器等の整理作業を体験してもらいました。2日目は上野原縄文の森の施設見学と縄文体験をしてもらいました。

 参加されたみなさんは,講座を通して考古学についての理解を深めたり,鹿児島県の歴史や文化に対する興味・関心を高めたりすることができたようです。また,上野原縄文の森の見学では,県内から出土した遺構・遺物を見ることで,その素晴らしさに感動されていました。

 また,学校の先生方におかれては,児童・生徒のみなさんの体験学習の場として,埋蔵文化財センター・上野原縄文の森を活用していただければと思いますので,児童・生徒のみなさんをぜひ連れてきてください。

 今回の研修で学ばれたことが,各学校で児童・生徒のみなさんの学習に役立ったり,各市町村の業務に活かされたりすることを期待しています。

 来年度も多くの方々の参加をお待ちしております。

埋蔵文化財センターの業務について説明

センター内の見学

整理作業体験

勾玉づくり

火起こしに挑戦

市町村の埋蔵文化財担当職員と情報交換