鹿児島空港ギャラリーパネル展
6月3日,鹿児島空港3階のギャラリーフレンドリーに,鹿児島県立埋蔵文化財センターと上野原縄文の森の紹介パネルを展示しました。
6月27日まで展示しています。
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発掘調査報告書から「久保田牧遺跡3」(鹿屋市吾平町)
久保田牧遺跡は,鹿屋市吾平町麓に所在する,縄文時代早期から中世にかけての複合遺跡で,今回「縄文時代前期中葉から古墳時代編」を刊行しました。
遺構は,縄文時代前~中期・後期・晩期~弥生時代にかけての土坑や落とし穴・集石遺構などが検出されました。
遺物は,土器が曽畑式土器・深浦式土器・野久尾式土器・船元Ⅱ・Ⅲ式土器・丸尾式土器・中岳Ⅱ式土器・黒川式土器・刻目突帯文土器,石器は打製石斧や打製石鏃・石匙などが多く出土しています。
また,古墳時代の竪穴建物跡からは多くの成川式土器が出土しており,土器棺や土器溜まりも検出されました。これらの遺構・遺物は大隅半島の当時の様子を知る上で貴重な資料となります。
『鹿児島県立埋蔵文化財センター発掘調査報告書』(232)「久保田牧遺跡3」(縄文時代前期中葉~古墳時代編)(PDF)
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「発掘調査が解き明かす鹿児島城二之丸跡」鹿児島県立図書館ロビー展
「破鏡(破鏡)」本御内遺跡(霧島市)
本御内(もとおさと)遺跡(現在の国分高校)で出土した青銅鏡です。地下水位が高い還元状態で埋蔵されていたため,とても状態が良いです。
「破鏡」といって,北部九州の有力者などが,鏡を分割して周辺や地方の有力者へ,友好の印として分配した物と考えられています。
どのような人物が霧島市国分周辺にいたのか気になる遺物です。
令和7年4月26日(土)~7月6日(日)まで,上野原縄文の森企画展「古代人に学ぶ“MOTTAINAI(もったいない)”」で,展示しています。
『鹿児島県立埋蔵文化財センター発掘調査報告書』(12) 「本御内遺跡Ⅰ」(PDF)
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「貝符(かいふ)」屋鈍遺跡(宇検村)
屋鈍遺跡(宇検村)から出土した古墳時代の貝 符です。イモガイ類(アンボンクロザメ・クロフモドキか?)を素材に制作されており,大きさは,高さ1.95㎝,幅4.3㎝,厚さ0.35㎝です。貝の形状が器形によく反映されています。
正面上部には溝を1条入れ,2つの孔をあけています。孔の裏面には「すれ」と思われる痕跡が見られるので,紐をとおしてアクセサリーとして使用したのかもしれません。
出土品は,現在開催中の上野原縄文の森企画展「古代人に学ぶ”MOTTAINAI(もったいない)”」(令和7年4月26日(土)~7月6日(日))で,見ることができます。
『鹿児島県立埋蔵文化財センター発掘調査報告書』(143) 「屋鈍遺跡」 (PDF)
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発掘調査報告書から「鹿児島城二之丸跡」(鹿児島市)
鹿児島城二之丸跡は,鹿児島市城山町に所在し,近世から近代にかけての遺構や遺物が発見されました。
遺構は,近世の柱穴列や溝状遺構が発見され,なかでも,柱穴列は境となる塀の可能性があり,築城以降,二之丸を拡大し整備していった当時の状況を知る上で重要な資料になることも期待されます。
遺物は,薩摩焼をはじめ,近世の瓦や陶磁器,木製品等を中心とした資料が出土し,なかでも,将棋盤と考えられる木製品が土坑の中から出土しました。17世紀後半以降の将棋盤と考えられ,全国でも数例しかない,貴重な発見となりました。鹿児島でも将棋が親しまれていた証であり,鹿児島城や城下の人々の暮らしや文化を示す貴重な資料と言えます。
『鹿児島県立埋蔵文化財センター発掘調査報告書』(231)「鹿児島城二之丸跡」(PDF)
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「ヤコウガイを利用した貝斧」屋鈍遺跡(宇検村)
古墳時代のものと考えられる,ヤコウガイの蓋を利用した貝斧(かいふ)です。
ヤコウガイ製の貝斧,敲打具,貝刃とされるものです。その形状から,主に物を削るために使われたと思われます。
この時代の斧は石や鉄で作ることが多いのですが,ヤコウガイの蓋は入手しやすく,手軽に加工できたため使われました。当時の人々が素材を大切にしていたことがわかります。
出土品は,現在開催中の上野原縄文の森企画展「古代人に学ぶ”MOTTAINAI(もったいない)”」(令和7年4月26日(土)~7月6日(日))で,見ることができます。
『鹿児島県立埋蔵文化財センター発掘調査報告書』(143) 「屋鈍遺跡」 (PDF)
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常設展示のテーマ展示を入れ替えました!!
今回のテーマ展示は「薩摩焼」です。
5月24日(土)の考古学講座第2回「はじめての考古学 入門・薩摩焼~白と黒では語れない
薩摩焼の世界~」にちなんで,薩摩焼の始まりから,薩摩
焼の種類中でも「堅野系」「苗代川系」「龍門司系」「平佐系」に焦点をおいて,わかりやすく紹介します。
家野遺跡(志布志市)の発掘調査を開始しました
令和7年5月,家野遺跡(志布志市志布志町)の発掘調査を開始しました。今回の調査は,遺跡の時代や範囲を確かめる「確認調査」です。「トレンチ」という試し掘りの穴を長方形に掘っていき,遺構や遺物の出土状況を確認していきます。
5月12日から調査を開始し,すぐに多くの遺物がトレンチから見つかりま した。確認調査は5月末までの予定で,調査の成果次第で,遺跡の全面を掘り下げて調査する「本調査」に移行します。
これからも調査の様子を紹介していきますので,成果の続報にご期待ください。
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発掘調査報告書から「中組遺跡」(天城町兼久)
中組遺跡は,大島郡天城町兼久に所在しています。令和5年度に,発掘調査を実施し,中世から近世・近代にかけての遺構や遺物が発見されました。
遺構は,近世以降と思われる溝状遺構や柱穴などが発見されました。また,近現代の石垣基礎も検出され,この地域の土地利用を研究する上で貴重な資料になることが期待されます。
遺物は,中世の青磁やカムィヤキなどが出土し,古くから周辺で生活していたことを示す手がかりとなりました。
『鹿児島県立埋蔵文化財センター発掘調査報告書』(230)「中組遺跡」(PDF)
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