蝶ネクタイ状の文様?(髙吉B遺跡:志布志市)
弥生時代中期(約2,000年前)の土器の縁に,蝶ネクタイ状の文様が刻まれています。
土器を焼く前に付けたものだと考えられます。
単なる記号なのでしょうか? ひょっとして文字なのでしょうか?
『鹿児島県立埋蔵文化財センター発掘調査報告書』(180)「船迫遺跡・高吉B遺跡」
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「1号,2号,そして3号」(鹿児島(鶴丸)城跡:鹿児島市)
平成27年1月から平成31年2月までに行われた鹿児島城跡の発掘調査では,軒丸(のきまる)瓦,軒平(のきひら)瓦,軒桟(のきさん)瓦,鯱(しゃち)瓦,鬼(おに)瓦,海鼠(なまこ)瓦など多くの種類の瓦が見つかりました。
中でも鬼瓦は調査段階で見つかった順に,「1号」,「2号」,「3号」と呼ばれていました。それぞれ特徴のある顔つきをしています。
これらの中から「1号」のデザインが,復元された御楼門に採用されています。
みなさんは,何号がお気に入りですか?
『鹿児島県立埋蔵文化財センター発掘調査報告書』(205)「鹿児島(鶴丸)城跡」
漁労具(久保田牧遺跡:鹿屋市)
何が書いてある?(久保田牧遺跡:鹿屋市)
久保田牧遺跡は,古代(9~10世紀)の公的な施設があったと推定されている遺跡です。そこから,墨書土器が出土しています。墨書土器とは,表面に文字や記号,絵などを墨で書き記した土器です。
写真の土器の外面には,葉のような文様と細い線で平仮名のような文様が描かれています。内面には,大小の線を横から流した波状の文様と,一条の縦線が見られます。
発掘調査が始まりました
推しの逸品「これは何形土器?」(諏訪牟田遺跡:南さつま市)
縄文時代の土器はいろいろな形をしていますが,中でも筒形をしたものは,真上から見た口の形で「円筒形土器」と「角筒形土器」に分類することができます。
しかし,それ以外の形の土器も見つかります。この縄文時代早期の土器の口,みなさんは何の形に見えますか。ちなみに,埋蔵文化財センターでは「レモン形」と呼ばれています。
またこの土器は,「補修孔」と呼ばれる2個で一対の穴が胴部にあけられています。これは,土器に入ったヒビが大きくならないように,穴を二つあけて紐のようなもので結んだ跡だと思われます。縄文時代の人々も,土器を修理しながら大切に使っていたのですね。
『鹿児島県立埋蔵文化財センター発掘調査報告書』(112) 「諏訪牟田遺跡・諏訪前遺跡・南原内堀遺跡・加治屋堀遺跡」
まもなく開催! 都城歴史資料館企画展
7,300年前の液状化現象(大崎町・永吉天神段遺跡)
約7,300年前に鬼界カルデラが大爆発し,発生した地震による液状化現象の跡(噴砂跡)です。
白い筋は,約3万年前の姶良カルデラの噴出物(シラス)が,当時の地表面まで液状化で吹きあがってきて広がり,堆積して白い地層になったものです。
大隅半島各地の遺跡からこのような液状化現象の跡が発見されています。
ワクワク考古楽出前授業in国分南小学校
令和6年4月19日(金),霧島市立国分南小学校の6年生88人に,「ワクワク考古楽」出前授業を実施しました。
今回は,総合的な学習の時間で,縄文時代について紹介しました。国分南小にとても近い遺跡である上野原遺跡では,多くの竪穴建物跡などの遺構が発見され縄文時代のムラの跡であることから,国の史跡になっていること,土器や石器など767点の遺物が重要文化財になっていることなどを説明しました。
子どもたちは,全国的に注目された遺跡が身近にあることにびっくりしていました。また,火山に囲まれた生活や,南公園近くで貝塚が見つかっていることから,海岸線が現在と異なる位置にあったことにも驚いていました。
特に縄文時代の衣食住について,発掘調査から分かったことを紹介すると,集中してメモしながら聞いていました。
次に,実際に出土した土器や石器に触れる時間では,興味津々に説明を聞き,石器の使い方について考えることができました。また,石器を触れる際,両手で大事そうに扱う様子が印象的でした。
今後は,上野原縄文の森に見学へ行き,調べ学習を進めていくそうです。今回の授業を通して,縄文時代や当時の人々の生活についてさらに「知りたい」という意欲をもち,学習を深めるきっかけになればと思います。
南の縄文文化発信事業(ワクワク考古楽)学習指導案(PDF)
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何の動物? 動物型土製垂飾品(鹿屋市・川久保遺跡)
縄文時代晩期の,5㎝程度の大きさの土製品です。
線を引いたり穴を開けたりした部分と下面に赤色顔料が残っています。全面に赤色顔料が塗布されていた可能性もあります。
また,その形状から動物などをモチーフとしている可能性が考えられます。イノシシ? シカ? もしかして架空の動物ドラゴンでしょうか?
『公益財団法人鹿児島県文化振興財団埋蔵文化財調査センター発掘調査報告書』(52)「小牧遺跡4(縄文時代前期~弥生時代初頭編)」第1分冊,第2分冊,第3分冊,